おデブだった幼馴染に再会したら、イケメンになっちゃってた件

実川えむ

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第13章 娘と私と人気俳優のパパ

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 遼ちゃんから帰国の予定日を知らせるL〇NEが届いたのは、二度目の結婚記念日が過ぎた頃だった。
 碧がお腹にいることがわかった時点で、一人暮らしのマンションは引き払って、実家に帰ってきていた。
 両親は初孫に大喜びで、生まれたら生まれたで、あれやこれやと、世話を焼きたがった。遼ちゃんの実家も近いから、よくお義母さんもきてくれて、碧の世話をしてくれるから、私もあまり大変な思いをしないですんでいる。

 育児休暇もしっかりとらせてもらえたのも、笠原さんや本城さんのおかげ。
 一度挨拶に行った時には、フロア中で大盛り上がりだったのは、今でも思い出して笑ってしまう。また近いうちに、碧を連れて挨拶に行かなくちゃ、と思っている。

「お母さん、遼ちゃん、クリスマスには帰ってくるって」
「あら、そう。空港まで迎えに行く?」

 本当なら、碧も連れて迎えに行きたいところなんだけど。

「マスコミとか来てたらやばいからなぁ」
「でも、早く碧を抱きたいんじゃない?」
「うーん。マネージャーさんに相談してみる」

 そうだ。遼ちゃんが帰ってきたら、新居も考えなくちゃいけない。
 このまま、実家にいるわけにもいかない。近いうちに、吾郎兄ちゃんと優さんがくるんだから。
 スマホの呼び出しコール、三回目で出てくれた。

「寺沢さん」
『お久しぶりです。』

 いつも通りに事務的な感じの声。ある意味、安心してしまう、不思議。

「遼ちゃんから連絡きました?」
『帰国の予定ですね。きてます』
「あの、迎えに行きたいんですが、やっぱり危険ですかね」

 碧を早く見せてあげたい、早く抱かせてあげたいって思うけど。碧が危険な目にあうのは避けたい。

『そうですねぇ。一時期の盛り上がりはないので、そんなにマスコミはいないと思いますけど。逆に、一般のファンの方とかに遭遇するほうが心配かもしれませんね』
「あぁ、そうですね」

 すっかりマスコミしか考えてなかった自分。遼ちゃんは、、人気俳優だったっけ。

『そしたら、一緒に行きますか?』
「え?」
『うちの車に乗って待っててください。遼くんを送るのに手配するので。どうせ、遼くんの実家に送り届けるだけですから』
「あ、ありがとうございます!」
『それに私も碧ちゃんに会いたいですからねぇ。遼くんから画像は送ってもらって拝見したんですが』

 少しだけ、優しい声で楽しげに話す寺沢さん。
 毎日のように碧の写真を欲しがる遼ちゃんに、毎回ベストショットを送ってたけど、まさか、寺沢さんのところにもいってたとは。
 ……親バカだわ。
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