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ロジータ、街に帰る
第15話 副ギルド長シルビアさん
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二階に上がり、案内された部屋は応接室のようです。立派なソファに座るように促され、私は素直に座ります。ホーマックさんも隣に座ってくれたので、ホッとしました。
「さて……ここからは副ギルド長として話をさせてもらうわね」
私の向かい側に座った赤毛の女性が、にっこりと笑いながら、そう言いました。
「……は?」
「彼女は……シルビアはこのギルドの副ギルド長なんだ」
「え、え? えぇぇぇっ!」
ホーマックさんの言葉に声を上げてしまいました。
副ギルド長なのに、受付の制服を着ていた上に、普通に受付のカウンターにいたのには、びっくりです。
それに、どう見たって20代半ばくらいで、そんな役職につくような年齢には見えません。もしやエルフ? とも思いましたが、エルフの特徴でもある尖った耳でもありません。
――いわゆる『美魔女』か。
そういえば、『フロリンダ』時代にも、そういったお茶目(?)なギルドの役員が何人かいたのを思い出しました。そういった役員ほど……クセが強かった気がします(遠い目)。
「ホーマック、ここでの会話は他言無用でお願いね」
「……わかりました」
いつも以上に真剣な顔になったホーマックさん。
私もその場の空気に緊張してしまいます。
「まず、このダンジョンの到達階数だけど……49階って、どういうこと?」
いつの間にか、彼女の手には小さな『タブレット』のようなモノがありました。その画面には、私の名前と入場したダンジョン名(シジャークダンジョンというそうです)、到達フロア……49階と表示されています。
「は?」
シルビアさんの言葉にホーマックさんは画面を見て、私を見て、もう一度画面をみました。
――普通、驚くよねぇ。
思わず目を閉じてしまいます。
「おい、ロジータ、お前、置いてけぼりくらったって言ってたじゃないかっ。え、まさか、奴ら、49階まで到達したのか!?」
「違います、違いますよ!」
あの人たちがダンジョンの到達記録更新者だとか思われるのは、悔しすぎて、私のプライドが許せません。
そこからは、自分の身に起こったことをさっくりと説明することにしました。
さすがに、前世を思い出したとか、魔法が使えるようになったとかは言いません。
「しかし、14階から49階まで落ちたなんて……お前、よく助かったな」
「あー、はい。私も、なんで助かったのかわからなくって」
さすがに『フライ』で激突を避けたなんて話せません。
そんな私を、じーっとシルビアさんが見ています。もしかして彼女は『鑑定』持ちだったりするのでしょうか。
私には『隠蔽』スキルがあるので、ステータスを『隠蔽』することもできますが、今は、まさか『鑑定』されるなんて思ってもいなかったので、素のままです。
――どうしよう!!
嫌な汗が背中を垂れていきます。
「……あなた」
シルビアさんの眉間の皺が一層深くなって、ちょっと怖いです。
その様子に、マジックバッグを腕に抱えこみながら、胸がドキドキしてきます。
唾をごくりと飲み込んで、次に続くシルビアさんの言葉を待ちます。
「あなた、もしかして、アーサーとミリアの娘?」
「え?」
「そのバッグ、マジックバッグよね? 隅にされている木の葉の刺繍、見覚えがあるわ」
……どうも『鑑定』されたわけではなかったようです。
「さて……ここからは副ギルド長として話をさせてもらうわね」
私の向かい側に座った赤毛の女性が、にっこりと笑いながら、そう言いました。
「……は?」
「彼女は……シルビアはこのギルドの副ギルド長なんだ」
「え、え? えぇぇぇっ!」
ホーマックさんの言葉に声を上げてしまいました。
副ギルド長なのに、受付の制服を着ていた上に、普通に受付のカウンターにいたのには、びっくりです。
それに、どう見たって20代半ばくらいで、そんな役職につくような年齢には見えません。もしやエルフ? とも思いましたが、エルフの特徴でもある尖った耳でもありません。
――いわゆる『美魔女』か。
そういえば、『フロリンダ』時代にも、そういったお茶目(?)なギルドの役員が何人かいたのを思い出しました。そういった役員ほど……クセが強かった気がします(遠い目)。
「ホーマック、ここでの会話は他言無用でお願いね」
「……わかりました」
いつも以上に真剣な顔になったホーマックさん。
私もその場の空気に緊張してしまいます。
「まず、このダンジョンの到達階数だけど……49階って、どういうこと?」
いつの間にか、彼女の手には小さな『タブレット』のようなモノがありました。その画面には、私の名前と入場したダンジョン名(シジャークダンジョンというそうです)、到達フロア……49階と表示されています。
「は?」
シルビアさんの言葉にホーマックさんは画面を見て、私を見て、もう一度画面をみました。
――普通、驚くよねぇ。
思わず目を閉じてしまいます。
「おい、ロジータ、お前、置いてけぼりくらったって言ってたじゃないかっ。え、まさか、奴ら、49階まで到達したのか!?」
「違います、違いますよ!」
あの人たちがダンジョンの到達記録更新者だとか思われるのは、悔しすぎて、私のプライドが許せません。
そこからは、自分の身に起こったことをさっくりと説明することにしました。
さすがに、前世を思い出したとか、魔法が使えるようになったとかは言いません。
「しかし、14階から49階まで落ちたなんて……お前、よく助かったな」
「あー、はい。私も、なんで助かったのかわからなくって」
さすがに『フライ』で激突を避けたなんて話せません。
そんな私を、じーっとシルビアさんが見ています。もしかして彼女は『鑑定』持ちだったりするのでしょうか。
私には『隠蔽』スキルがあるので、ステータスを『隠蔽』することもできますが、今は、まさか『鑑定』されるなんて思ってもいなかったので、素のままです。
――どうしよう!!
嫌な汗が背中を垂れていきます。
「……あなた」
シルビアさんの眉間の皺が一層深くなって、ちょっと怖いです。
その様子に、マジックバッグを腕に抱えこみながら、胸がドキドキしてきます。
唾をごくりと飲み込んで、次に続くシルビアさんの言葉を待ちます。
「あなた、もしかして、アーサーとミリアの娘?」
「え?」
「そのバッグ、マジックバッグよね? 隅にされている木の葉の刺繍、見覚えがあるわ」
……どうも『鑑定』されたわけではなかったようです。
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