Complex

-prologue-

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俺「白坂治斗」にはコンプレックスがある。にわかには信じがたいことだと言うことはわかっている。これを口外しても信じてくれる奴なんているとは思えない。だってみんなには見えないモノだから。
ほら、そこの電柱の下、花があるだろ？俺にはその枯れている茶色の花よりも、その横にいる血だらけの老婆の方が気になる...まだ信じてくれないよな。
そう俺には幽霊が見える。それが俺のコンプレックスだ。


俺の名前は「神慧」。俺にはコンプレックスがある。俺は天界にて神に代々使える幽霊だった。ただの幽霊じゃないぜ？上霊っつって神に最も近い位置に属していた。あの事件が起こるまでな..。
今じゃ無所属の霊力もない、しがない幽霊だ。まあ今に見とけよ、人間様のいる下界で結果を残して這い上がってやるんだ。ああ、俺のコンプレックスな、それは勿論、霊力がなくなっちまったことだ。