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第1章 -Duo-
SIDE -SHINTOSHI
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~天界~
「今こそ裁きのときである....。罪人5名の処罰を言い渡す。」
「ちょっと待て、おっさん。本当に俺らがあの事件を起こしたと思ってんのかよ!おい!!」
「暴れるでない神慧。罪を認め、悔い改めよ。」
——ここは天界——
はるか昔から地上界の上空にある世界。人、動物、物、全てのモノが死んだ後に行く場所とされている。地上界の人々は天国などと呼ぶ。勿論例外もあり、天国に行けないモノもいる。
今ここでは、天界で起こった重大犯罪の裁判の真っ只中である。
1人は裁判長に怒号をあげ、
1人は目に涙を浮かべ、
1人は暴れているのを警備に抑えられ、
1人は笑いながら天を仰ぎ、
1人は無表情で話を聞いている。
「静粛にせんか!!」ドンドンッッ
「これは神の決定である。誰も逆らうことは許されない!!!神の決定は絶対だ!!」
特徴的な長い髭が揺れるほど裁判長も怒りに満ちていた。
「貴様らの処罰は、下界流し、上幽階級の剥奪...そして!!...二度とこのような事が起こらないように
【奪霊】をさせてもらう!!!」
「いい加減にしろよお主ら!!ワシらは何もしてないと言っているじゃろ!!」
先ほどまで暴れていた「豪鬼」が独特な口調で叫んだ。
「そんな風に暴れたり、叫んだりしているから疑われるんだ状況を考えろ!」
冷静な口調で話す「焔」の言葉からは豪鬼への怒りと、判決への怒りが混雑していた。
「本当に面白い裁判だ!ハッハッハッ!笑いが止まらないよ。出鱈目な証拠を並べて、最高機関の裁判が今まさに無実の僕達を裁こうとしているんだ!」
この金箔とした状況の中、高笑いしているのは1番緊張感のない「芭蕉」である。
「もうやめましょうよこんなの!私達が何をしたと言うのですか!」
泣きながら裁判官、裁判長に訴えかけるのは「空海」である。
「なぁ、本当に俺たちがやったと思ってるのか..?なぁ!おっさん!!」
「.....」
長い沈黙の後裁判長は口を開き、こう言った。
「あぁ..そうだ。お前らが...」
【神を殺したのだ】
ガッコン..
鈍い音と共に、裁判所の床が開き、5人は下界に真っ逆さまに落ちていった。
「ちっくしょぉぉぉおおおおおお」
そして、5人は長い時間をかけてバラバラな場所に飛ばされてしまった。
下界に降ろされて行く途中、この長い時間の間で神慧はある決意をした。
——必ず下界で力を取り戻し、真犯人を見つけるために天界に帰ると——
霊力を取り戻すキッカケを探すために、霊力の高い人間を探す事にした神慧は下界が見えたタイミングで、霊力の高い者にしか見えない【数珠】を下界へ投げた。誰かが拾ってくれる事を信じて..。
——裁判が天界で開かれてから5年後——
数珠、そして神慧が下界、地球へ降り立った。
「下界に着いた...また1からのスタートか...」
神慧は自身の横に落ちた黒いハットを拾い上げ、服の埃を払った。
手を腰に当て、遥か遠くまで続く荒野の地平線を眺め途方にくれていた。
「人っ子1人もいないのかここは..本当に下界かよ...ん!?」
神慧の右手に着用している黒い数珠が光を放っている。
「おいおい!もう数珠を拾ったやつがいんのかよ!?思った以上に早いぞ!場所は....?日本...!?」
-SIDE SHINTOSHI- END
「今こそ裁きのときである....。罪人5名の処罰を言い渡す。」
「ちょっと待て、おっさん。本当に俺らがあの事件を起こしたと思ってんのかよ!おい!!」
「暴れるでない神慧。罪を認め、悔い改めよ。」
——ここは天界——
はるか昔から地上界の上空にある世界。人、動物、物、全てのモノが死んだ後に行く場所とされている。地上界の人々は天国などと呼ぶ。勿論例外もあり、天国に行けないモノもいる。
今ここでは、天界で起こった重大犯罪の裁判の真っ只中である。
1人は裁判長に怒号をあげ、
1人は目に涙を浮かべ、
1人は暴れているのを警備に抑えられ、
1人は笑いながら天を仰ぎ、
1人は無表情で話を聞いている。
「静粛にせんか!!」ドンドンッッ
「これは神の決定である。誰も逆らうことは許されない!!!神の決定は絶対だ!!」
特徴的な長い髭が揺れるほど裁判長も怒りに満ちていた。
「貴様らの処罰は、下界流し、上幽階級の剥奪...そして!!...二度とこのような事が起こらないように
【奪霊】をさせてもらう!!!」
「いい加減にしろよお主ら!!ワシらは何もしてないと言っているじゃろ!!」
先ほどまで暴れていた「豪鬼」が独特な口調で叫んだ。
「そんな風に暴れたり、叫んだりしているから疑われるんだ状況を考えろ!」
冷静な口調で話す「焔」の言葉からは豪鬼への怒りと、判決への怒りが混雑していた。
「本当に面白い裁判だ!ハッハッハッ!笑いが止まらないよ。出鱈目な証拠を並べて、最高機関の裁判が今まさに無実の僕達を裁こうとしているんだ!」
この金箔とした状況の中、高笑いしているのは1番緊張感のない「芭蕉」である。
「もうやめましょうよこんなの!私達が何をしたと言うのですか!」
泣きながら裁判官、裁判長に訴えかけるのは「空海」である。
「なぁ、本当に俺たちがやったと思ってるのか..?なぁ!おっさん!!」
「.....」
長い沈黙の後裁判長は口を開き、こう言った。
「あぁ..そうだ。お前らが...」
【神を殺したのだ】
ガッコン..
鈍い音と共に、裁判所の床が開き、5人は下界に真っ逆さまに落ちていった。
「ちっくしょぉぉぉおおおおおお」
そして、5人は長い時間をかけてバラバラな場所に飛ばされてしまった。
下界に降ろされて行く途中、この長い時間の間で神慧はある決意をした。
——必ず下界で力を取り戻し、真犯人を見つけるために天界に帰ると——
霊力を取り戻すキッカケを探すために、霊力の高い人間を探す事にした神慧は下界が見えたタイミングで、霊力の高い者にしか見えない【数珠】を下界へ投げた。誰かが拾ってくれる事を信じて..。
——裁判が天界で開かれてから5年後——
数珠、そして神慧が下界、地球へ降り立った。
「下界に着いた...また1からのスタートか...」
神慧は自身の横に落ちた黒いハットを拾い上げ、服の埃を払った。
手を腰に当て、遥か遠くまで続く荒野の地平線を眺め途方にくれていた。
「人っ子1人もいないのかここは..本当に下界かよ...ん!?」
神慧の右手に着用している黒い数珠が光を放っている。
「おいおい!もう数珠を拾ったやつがいんのかよ!?思った以上に早いぞ!場所は....?日本...!?」
-SIDE SHINTOSHI- END
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