転生神官剣士の異世界人生日記

ムネミツ

文字の大きさ
4 / 7
第一章:狐獣人と冒険者学園編

第四話:エルフの少年

しおりを挟む
 「誰か~~~? 僕とパーティーを組んでくれませんか~!」

 ある日の昼前、教室の教壇に立ち仲間を募る一人の少年を見た。

 「あれは、エルフ? エルフが募集してるって、珍しいねエミリー?」
 「そうね、エルフならスペック的には人気種族よ?」
 「何と言うか、いかにも気位の高いエルフって感じじゃないですね♪」

 俺の隣にいたエミリーとマールさんに語りかけるとそんな言葉が返って来る。

 「やあ、どんな依頼をこなしたいのかな?」

 俺は緑の髪を真ん中分けにしたグルグル眼鏡のエルフの少年に近づいて話しかける。

 「えええ! 赤狐、と言う事は雷神令嬢もいた!」
 「いや、驚くなよ? そして、相棒がキレかけてる?」
 「ご、ごめん! 僕の名はクリフ・ブックマンです」

 俺の後ろにいるエミリーの怒気にビビりながらクリフが語りだした。

 「で、人気種族のエルフ様がどうしてはぐれてるわけ?」
 「う、それはその! 僕自身が、人気があるわけではなくてですね?」

 近づいて来たエミリーの圧に気圧されるクリフ。

 「まあまあ、俺達三人と組もうか♪ どんな依頼が受けたいのかな?」
 「狐獣人は口が上手くて助かりますね♪ お願いします♪」
 「さらっと種族名で呼ぶとかが好かれない理由だと思いますよ♪」
 「ひ、ひいっ! なんかこのドワーフのお嬢さんの圧が怖いです!」

 マールさんにも気圧されるクリフ、大丈夫か?
 四人パーティーとなった俺達は、クリフが行きたがっていた依頼を受ける事にした。

 「依頼って、墓荒らしの事なの?」

 夜の墓場でエミリーがクリフに不満を漏らす。

 「違いますよ、アンデッド退治です♪ 死霊術には大事な仕事です♪」
 「死霊術師なら、確かに引かれますよね」

 ウキウキなクリフに呆れるマールさん、クリフがボッチだった理由は彼が死霊術師だからだ。

 「まあ、明かりはあるから作業は問題ないよ」

 俺は狐火を生みだして光源を作り皆に話しかける。

 「おお、東洋の魔法ですか興味深い♪」
 「妖狐族固有の魔法だよ、気にしないで」
 「墓場が平気なんて流石コジュウロウ、アンデッド何か目じゃないわ♪」

 エミリーは少し震えていた、可愛いな。

 「コジュウロウさんって、不思議な人ですよね?」
 「マールさんの言う通り、東洋人は文化が違いますね?」

 四人で墓場を歩きながら語り合う。

 「うん、東洋の神官の魔法は死霊術や呪術に近いんだ」

 実家の神社も悪霊退治とか怨霊の調伏や浄化の祈祷とか頼まれるし。
 それに何より、俺自身が一度死んで生まれ変わってる身なんだよな。

 「そろそろ出るって区画だね、みんな警戒して!」
 「はい、サーチアンデッド!」

 俺達は止まり、周囲を見回す。
 クリフが右腕を天に突き上げて叫ぶと、空に光の玉が生まれてミラーボールの如く明りで照らす。

 「ちょっと、何か嫌な魔力が漂って来たわよ!」
 「むむ、鍛冶の神よ我に力をホーリーハンマー!」

 マールさんが武器に青い聖なる光を灯す。
 鍛冶神教の神官戦士だったのか?

 「私もやってやるわ、雷神の斧よ輝け!」

 エミリーの持つ魔法の斧が雷光を纏う。

 「じゃあ俺も、紅葉丸で行きますか」

 俺も紅葉丸を抜刀し、刃に炎を灯して八相に構える。

 「皆さん、アンデッド何か目じゃなさそうですね良かった♪」

 クリフがニヤニヤと微笑みながら小さい杖を取り出す。

 戦闘態勢を整えた俺達の前には闇を纏った巨大な髑髏が現れる。

 「こいつが今回のターゲット!」
 「はい、スカルレイスです♪」
 「喜んでんじゃないわよ、さっさとぶちのめす!」
 「ホーリースマッシュ!」

 エミリーとマールさんが魔法の力が宿る武器を振るい敵に襲い掛かる。
 二人の攻撃は聞いたようで、髑髏の化け物スカルレイスは大声を上げた!

 「ああ、これはスカルレイスが仲間を呼ぶ叫びです♪」
 「いや、喜んでないで戦おう? 送り火の太刀!」

 俺も紅葉丸の刃に白き浄化の炎を灯して飛び掛かり叩き切る。

 『ギャ~~~~ッ!』

 俺に斬られたスカルレイスは、死後ではあるが断末魔の叫びを上げて消えた。

 「やった、コジュウロウナイスよ♪」
 「凄いですね、コジュウロウさんの剣って」

 エミリーとマールさんが感心する。

 「皆さん、これからまた出て来ますよ!」

 クリフが叫ぶと同時に地面が唸り、白骨やゾンビなどが出てきた。

 「嫌~~~~っ!」
 「気持ち悪いです、神の怒りを喰らいなさい~っ!」
 「うお、エミリー達がパニックに!」

 恐怖から、エミリーが暴れ出し白骨やゾンビ達を攻撃して行く。
 俺はエミリーのフォローに向かいアンデッド達を仕留めて行た。

 「僕も戦いますよ、ドレインゴースト!」

 クリフがようやく戦う気になったのか、魔法で悪霊の敵を左手に吸い込んで行った。
 いや、そんな魔法があるなら早く使えよ!

 どうにか敵を倒し、エミリーを落ちつけた俺。

 「お疲れ様エミリー、もう大丈夫だから」
 「うん、ありがとうコジュウロウ!」
 「よしよし、大丈夫、大丈夫♪」

 俺に抱き着いて来たエミリーを宥める。
 エミリーが俺の狐の尻尾をいじくるのは許した、俺自身がアニマルセラピーだ。

 「ふう、どうにかお墓とか壊さずに達成できました♪」
 「僕もお陰で、アンデッドの骨や霊魂を確保できました♪」
 「いや、クリフはもっと戦おうな? 攻撃魔法とか使えるんだから」
 「はい、今後も良かったらご一緒させて下さいね♪」

 帰り道、俺はエミリーを背負いながら四人で歩きつつ話し合う。
 このクリフと言うエルフ、悪の道に走らないように注意せねば。


 「それじゃあ僕は研究室に素材を置きに行きます、良い骨見つけたぞ~♪」


 学園に戻るとクリフはウキウキしながら死霊学の研究室へと向かった。


 「それじゃあエミリー、寮の前まで送るよ」
 「コジュウロウ、あんたの部屋に止めなさいよ~?」
 「そう言うのはまだ早い」

 エミリーを背負いつつ語る。

 女子寮前でマールさんにエミリーを預ける。

 「ちょっと、コジュウロウ? あんた、本当に相棒を一人にする気!」
 「いや、君は女子寮暮らしで俺は男子寮だからね?」
 「わかった、ならお金貯めて外に家借りるわよ!」
 「いや、卒業してからな?」

 マールさんに背負われた相棒の無茶振りに溜息を吐く。

 「ではエミリーさんはしっかり送りますからね♪」
 「お願いします それじあお休み」

 身軽になった所で俺も男子寮へと帰る。
 まさか、エミリーがアンデッドが苦手だったとは。
 アンデッド退治の依頼を受けて、耐性を付けさせないとな。

 男子寮の自室に戻り身支度をしてから眠る。

 翌朝、学園の食堂。

 パンと牛乳だけでなく、チキンソテーと目玉焼きとサラダも加えてしっかりと朝食を取る。

 「おはよう、コジュウロウ」
 「いや、エミリーは朝からステーキ何枚食べるのさ?」
 「肉食べて命を蓄えないと魂がもたないのよ!」

 俺の向かいに座ったエミリーは、クッションかと思うほどに重ねたステーキを食べだした。
 うん、蛮族という感じの食いっぷりだ。

 「取り敢えず、アンデッド関連の依頼はこりごりだわ!」
 「いや、ヴァンパイアとかはどうすのさ?」
 「物理でどうこうできるのは良いの!」

 エミリーの神器とも言うべき雷神の斧なら、何でも倒せるのでは?

 「まあ、良いけどさ? 今日は授業の後はどうする?」
 「勿論、魔物狩りの依頼を探して受けるのよ」
 「わかった、付き合うよ」
 「当たり前よ♪」


 俺は今日の予定は、相棒の機嫌を取る事にすると決めた。
 ツンデレ好きな気のある身としては、エミリーの事は放置できない。

 「すみません、彼にもステーキ十枚ほど焼いて下さい♪」
 「え、俺もガッツリ食うの?」
 「当然よ、おごるからあんたも肉食って力付けておきなさい♪」
 「じゃあ、ごちぞうになります」

 俺はエミリーのおごりでがっつりとステーキを食うのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【流血】とある冒険者ギルドの会議がカオスだった件【沙汰】

一樹
ファンタジー
とある冒険者ギルド。 その建物内にある一室、【会議室】にてとある話し合いが行われた。 それは、とある人物を役立たずだからと追放したい者達と、当該人物達との話し合いの場だった。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

不死身のボッカ

暁丸
ファンタジー
逓信(ていしん)ギルドに所属する甲殻人ボッカ。歩荷(ぼっか=運搬人)だからボッカと素性を隠す特急便の運搬人。 小柄な身体に見合わぬ怪力、疾風のスピードと疲れ知らずのスタミナで、野を越え山越え荷物を運ぶ。 逓信ギルドの運搬人になったのは、危険な迷宮には入りたく無いから。面倒と危険を避けてすんなり仕事を終わらせたいのに、時にギルド支部長に命じられ行きたくも無い魔獣狩りの運搬人として駆り出される。 割とチートな身体能力を持ちながら、戦闘能力はからっきしで過剰な期待はされたく無い。こんな殺伐とした異世界生活なんかとっとと終わらせて眠るように死にたいと願う、そんな<不死身の歩荷>のお話。 ※種族名とか用語は前作と共通にしてますが、別の世界の物語です。世界観も若干違います。 ※「歩荷」とは一般的にいう「ポーター」のことですが、長距離運送も兼任しています。 ※作者が設定厨なので、時々本筋に関係ない解説回が入ります。 ※第16回ファンタジー小説大賞にエントリーしてみました。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

処理中です...