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第20話迫る黒い影

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「やりました団長」


「ああ、ただ麻薬を町のチンピラに売りつけただけでこんなにボロ儲けできるとはな」


「とりあえず持ってた麻薬は全部なくなっちゃいましたし、その麻薬が生えている場所を探しましょう」


「それもそうだな 見つけることが出来ればまた大儲けできるだろうし」


それからものすごい長い距離を歩いた。



気がつけば何もない砂漠に来ていた。


「どこにもないぞその麻薬」


少し遠くの方にある なんだかよく分からんない卵の横で一旦足を止める。


「くそ、どこにあるんだよ!」


苛立ちがこもった口調でそう言いながらその大きな卵を力強く蹴る。


「団長これじゃないですか?」


ひとりの仲間が 指差した方に視線を向ける。


すると そこにはパーティーメンバーの言う通りたくさんの麻薬の葉っぱが生えていた。


「よしお前らこれをありったけ集めてまた高額な値段で馬鹿共に売りつけるぞ!」


「はい団長」




いつも通り宿から出てギルドに向かう。


ギルドに到着していつも通りクエストボードに貼りだされているクエストを確認する。


「勇者様今回のクエスト何にしますか?」


『そうだなあ何がいいかな…』


張り出されているクエストを一通り見ていると一つの足音がこっちに向かってくる。


後ろの方に顔を向けて確認してみるとそこには受付の女の人が立っていた。


「3人にお願いがあるのですがよろしいでしょうか?」


「お願いって何ですか?」


ナギがそう疑問の言葉を返す。


「私についてきてください」


いつになく真剣な表情でそう言ってきた。


僕達は何なんだろうと疑問に思ったが言われた通り受付の女の人の後ろについていく。



連れてこられた場所はいつも いるギルドとは思えないぐらい人がいない場所だった。


『こんな人がいない場所まで僕達を連れてきたってことは普通の冒険者の人達には言えない内緒の話でもするのか』


「今回3人に頼みたい事というのは」


言葉を続けようとしたその時 いきなり大きな地震が起こった。


周りにあるものが大きく揺れ2人もその揺れで少し体勢を崩す。


「それで3人に頼みたい事なんですけど最近、チンピラ達の間で奇妙な麻薬が流行ってるらしくて、その原因を突き止めに行って欲しいんです」


「麻薬が流行ってる原因を突き止めるって言ったってそんな理由いくらでもあると思うんですけど?」


ナギがそう言葉を返す。


「それがまだ確信的な証拠は出てきていないんですけど 、このギルドの近くにある村が怪しくて」

 

「何でも最近になっていきなりチンピラ達が増えたらしいです」


「そこで今回3人にはその町の調査とできたらその麻薬をこのギルドに持って来て欲しいんですけど」


「麻薬が流行った原因を突き止めるにしてもそんな理由なんてたくさんあるじゃないですか」


「私ももちろんそうは思ったんですけど 聞いた話だと、つい最近チンピラ達だけでなくていきなりそこの村の人がその麻薬に手を出したらしくて」


「本当だったらギルド長にこの話をしてもらう予定だったんですけど、ギルド長がその麻薬の件で別の場所に今行っていて」


「それとその麻薬が流行ったのと大体同じ時期に何人かの人はその村に訪れようとしたんですけど辿り着いた人はいないらしくて」


「近い距離なんですか?」


モモさんは確認をするようにそう言った。


「はい」


「分かりました私達でそのクエストを受けます」



「本当ですかありがとうございます!」


ほっとした表情でそう言ってくる。


「そうだ!ギルド長がクエスト報酬を弾ませて頂きますと言っていました」


「そうですかそれでは行ってきます」


「あ!ちょっと待ってください」


「あんまり意味はないと思いますけど、一応これを持って行ってください、村までの地図です」


「ありがとうございます」


ナギがそれを言って地図を受け取る。



ギルドを出て早速その村へと向かう。


「それにしてもなんでいきなり村の中で麻薬が流行ったりなんてしたんでしょうね?」


モモさんがそう疑問の言葉を口にする。


「一番可能性が高そうなのは単純に考えて 誰かが別の場所からその麻薬を持ってきて町に広めたっていうのが 可能性としては高そうだけど」


「麻薬が街に広まった理由としてはそれでいいかもしれませんけど、 その街にたどり着けないっていうのは一体どういうことなんでしょうね」


『それは僕にも分からないけどギルドの女の人が嘘をついてるようにも見えなかったしな』


「とりあえず そこら辺のことは街に着いてからじゃないと分かりそうにないわね」


それから僕達は受付の人からもらった地図を見ながら足を進めていく。


その地図に書かれている道の通りに進んでいるはずなのだが途中で行き止まりにぶつかり前に進むことができない。


「おかしいですねちゃんと地図に書かれている通りに進んでいるはずなんですけど」


そう言いながら一旦足を止める。


『僕達受付の女の人に言われた通り迷子になっちゃったね』 


「まさかたまたまでしょう、て言いたいところだけどどっちから来たのかもう分からないわね」


「でもまあこのままずっとじっとしてても仕方がないですしとりあえず足を進めましょう」


「それもそうね」


ナギがそう言葉をかえして足を進める。


『麻薬が流行った原因を突き止めるのはいいけど一体どうやって 突き止めればいいんだろうね』


「そんなこと言われたってわかんないわよ私だってこんな依頼を受けるの初めてなんだから」


「もし仮に突き止められなかったとしても勇者様が何とかしますから大丈夫ですよ」


『モモさんのその何の根拠もない期待はどっからくるものなんだろう?』


「ただの勘ですよ」


足を前に進めていると。


「うおおおーーー!!!」


茂みの奥からモンスターが現れ叫び声を上げながら僕たちを睨みつけてくる。


『2人とも!』


「分かってる!」

「 わかってます!」


3人とも素早く武器を構える。



そのモンスターは勢いよく僕にも向かって襲いかかってきたが。


僕はその攻撃を冷静に避けて 剣を振り下ろした。


直撃とまではいかなかったがダメージは与えられているようだ。


2人が僕の頭に続くように畳み掛ける。


「勇者様、とどめをお願いします!」



僕は武器を構えなおして そのモンスターに向かって勢いよく剣を突き刺そうとする。


「うおおおーーー!!!」



モンスターが最後の抵抗と言わんばかりに再び叫び声を上げながら僕に襲いかかってくる。



一瞬モンスターの爪が僕の頬にかすったが 一切気にすることなく剣で突き刺した。


「大丈夫ですか勇者様傷を見せてください!」


『大丈夫ですよこんなのただのかすり傷ですから』


「それでもだめですよ早く傷を見せてください」


言われるがままに頬の傷を見せる。


「 神の加護のもとに癒しの力を与えたまえ!」


すると頬の傷があっという間に治っている。


『ありがとうございますモモさん』



「空が暗くなってきたわね」


「暗い中ヘタに動き回るのも危険ですし 今日はここまでにして明日また村を探せばいいんじゃないですか?」


「それもそうね、でもここで野宿してまたモンスターに襲われたって大変だしもうちょっと場所を移動しましょうか?」


僕達は広くてよく周りが見えるところまで移動した。


『場所を移動したはいいけど、どうやって食料を調達するの?』


「やったことないから上手くいくかわかんないけど私の魔法で釣竿を作り出すことができたらなんとかなると思う」


それから少し時間がかかったが魔法で 釣竿を作ることに成功した。


「それじゃあ 私とクロリスで焚き火をするための木を集めてくるからモモさんは魚を釣って食料を集めておいて」


「いやナギさんが釣りをやってください」


「なんで?」


「とにかく私と勇者様で木を集めていきますからナギさんは釣りをしててください」


「モモさん何か隠してない?」


そう言って疑いの視線を向ける。



「私がそんな隠し事なんてするはずないじゃないですか」

いつも若干ふざけた口調でそう言葉を返す。


「はぁ分かったわそれでは2人で行ってきて」


「それじゃ行きましょうか勇者様」


面白かった。

続きが気になる。

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