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第35話お出かけ

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『ふぁー』


モモさんのあくびをする声とともにゆっくりと目を開ける。


「すいませんモモさん起こしてしまいましたか」



『いえ大丈夫ですよおはようございますモモさん』


「今日は 何をしますか勇者様?」


『 何のことですか?』



いきなりそう言われて言っている意味が分からなかったのでそう言葉を返す。


「 昨日受付の人に言われたじゃないですか」


「 私が言うのもあれですが 皆さん最近 ずっと働いて疲れてるんじゃないですか?」


「 たまには休んだ方がって」


『確かにそんなこと言ってたな』


「たまには3人でどっか行って遊ぶもいいんじゃないですか」


『確かに最近冒険者の仕事やってたから疲れたな』


『それじゃナギが起きたら3人でどこに行くか決めよう』


そんな話をしているとナギがゆっくりと体起こす。


「2人ともおはよう」


まだ寝ぼけた口調でそう言ってくる。


『おはようナギ』


「ナギさんナギさん今日どこに遊びに行きたいですか!」


ぼーっとしているナギとは対照的にモモさんは元気な声でそう言った。


3人で朝ごはんを食べながら今日どこに行くか話し合ったが特にここっというのが決まらなかったので、とりあえず街の中をぶらぶら歩くことにした。




「冒険者の仕事をしないのは久しぶりすぎてなんだか変な感じ」


『そうだねなんか変な感じがするね』


あのギルドでまだ一か月働いていないので久しぶりというのは少しおかしい気もするが それでも最近は色々なクエスト受けていたので休んで正解だったと思う。


「目的場所がなかったので とりあえず街の中を歩くことにしちゃいましたけど勇者様どこか行きたい場所ありますか?」


『いや僕は特に行きたい場所はないです』


「そうですか」


その納得の言葉を口にしながら辺りを見渡す。


するとモモさんが辺りを見回すのを止めてひとつのお店の方に目を向ける。



『何か気になるものでもありましたか?』


モモさんの視線の先に目を向けるとそのお店には たくさんの綺麗な石がついたイヤリングが並べられていた。


「ナギさんせっかくなので見に行きませんか?」


「別にいいけど」


「勇者様にはどれが似合いますかね」


『僕がイヤリングつけちゃったらなんか変な感じにならない?ってゆうか嫌だ』


「大丈夫ですよイヤリング以外のものもあるので」


『そういう問題じゃなくて!』


『そもそもこの店女の人向けの物しか置いてないからどっちにしろ俺がつけたら違和感しかないよ』


ナギ達はそれをつけるのではなく僕にいろんなものを付けて遊ぶ



「勇者様にあれに似合うと思ったんですけどね」


『もしあれを買ったとしても僕が使うことはありませんよ』


「お腹も空いてきましたし そろそろお昼寝しませんか?」


「笑い疲れて私もお腹が空いたのでお店を探しましょうか」


『僕は、ただ着せ替えのおもちゃにされていただけのような気がするけど』


「いいじゃない面白かったじゃない?」


『でもまあ2人が楽しんでくれたんだったらそれでいいや』


僕達はお昼ご飯を食べるための店を探した。


「あそことかいいんじゃないですか?」


モモさんがそう言って少し遠くのお店を指差す。


僕達はそのお店の中へと入った。



「3人なんですけど席空いてますか?」


ナギが確認する。


「3名様ですねこちらのお席へどうぞ」


その女の人の後ろについていく。


「こちらの席にあります、 ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」


「ありがとうございます」


3人でそうお礼を言った後席に座る。


「お昼ご飯食べ終わった後何する?」


ナギがテーブルの上に置いてあるメニュー表を見ながらそう聞いてくる。


「それなら私行きたい場所があるんですけど」


「どこに行きたいの?」


「洋服を見に行きたいんですよ」


「勇者様はどこか行きたい場所とかないんですか?」


『うーん…』


一応色々考えてみたがやはり特にいきたい場所は思いつかなかった。


『やっぱり僕は特に行きたい場所はないかな』


「なんかつまんないわね」


理不尽な言葉が返ってきた。


『そういうナギは どこか行きたい場所ないの?』


「え!私」


まさか聞き返されるとは思っていなかったようで驚いたような様子だった。


「うーん…」


少し悩んでいるようだ。


「私も特に行きたい場所はないかな」


『人のこと言えないじゃん』


それぞれ頼んだご飯がテーブルに届いたのでそのご飯を食べながら今後の予定を考えることにした。


結局そのご飯を食べ終わってもモモさんの洋服を見に行く以外の予定が決まることはなく、そのまま洋服を見に行くことになった。


僕たち3人は歩いて洋服屋さんに向かった。


中に入ってみるとたくさんの洋服が並べられていた。


「それじゃあ勇者様今から私達に似合う服をそれぞれ選んでください」


『なんで僕が選ぶんですか!自分が着る服なんだから自分で選んだ方がいいでしょう』


「大丈夫ですよ私は勇者様からもらった服ならどんな服でもいいですから」


『なんで僕がモモさんに服をあげる前提で話が進んでるんですか!』


『ナギは自分が着る服を僕に選ばれるより自分で選んだ方がいいでしょ』


「いいじゃない面白そうだし」


ナギがモモさんみたいなことを言ってきた。


『いつもだったら僕の代わりに何か言ってくれるのになんで!』


『いつもは私が育児をする時に感じている辱めをクロリスにも受けてもらおうと思って』


『それは僕のせいじゃなくて魔王にかけられた呪いのせいだよ!』


そう頑張って訴えかけるかナギの表情が変わることはない楽しそうな笑みを顔に浮かべている。


『だめだナギが本当にモモさんみたいになってきてる!』


『この2人が手を組んだら僕はもう 、も足も出ない!』


『でも僕女の子の服なんて、選んだことないし』



「それは心配しなくて大丈夫ですよ勇者様今日は休みの日なんですからたっぷり時間を使っていただいて構いません」



どうやら2人はなにが何でも僕に 服を選んで欲しいらしい,


「それでは私達はそこに座って待ってますから勇者様はゆっくり服を選んで私達のところに持ってきてください」


僕が言葉を言い返すまもなく2人は、少し遠くにある椅子に座った。


仕方なく僕は、言われた通り2人の洋服を選ぶことにした。


『服を選ぶって言っても2人がどんな服が好きなのか、いまいちわかんないしな』


そこで一旦2人が普段どんな洋服を着ているのか思い出してみることにした。


『ナギは 大人しめの服の方が良かったりするかな』


『 ていうかお互いの考えが読めるんだから僕が何を選ぶのかばれてるじゃないか?』


『てなるとあんまり考えちゃったらバレるからフィーリングで選んだ方がいいのか』


しばらく色々なことを考えたが結局答えは出ず結局自分の感覚で勝負するしか方法はなかった。


二つの洋服を選んで2人の所へ持って行った。


『結局いくら考えても答えが出なかったから僕の感覚で選んじゃったんだけどこれでいいかな』


『大丈夫だそもそもこれはゲームみたいなものなんだからそんなに考えなくてもいいはずだ!』

面白かった。

続きが気になる。

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