人間嫌いの公爵様との契約期間が終了したので離婚手続きをしたら夫の執着と溺愛がとんでもないことになりました

荷居人(にいと)

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「ずっと過ごしていれば本以外にも興味を持つこともあるだろうと図書室の続き扉には楽器もある」

「楽器?」

図書室の隣に楽器はどうなんだろう?と思うけど、僕と旦那様以外使わないなら問題はないかと思い直して隣の部屋に行けば、あらゆる楽器が広々とした部屋に置かれている。ちなみに僕は楽器にあまり触れた経験はない。

「この楽器は好きに使ってくれて構わない。音楽関係の本だけはこの部屋にある。楽器のカタログもあるから、ここの紙にほしいのを書いてこのテーブルに置いておけば用意させる」

「こんな高級そうな楽器を本当に使っても……?」

「もちろんだ。シャロンのために用意させた」

楽器に触れた経験はないものの気にはなる。誰にも見られないなら音を鳴らすのを楽しむだけも悪くないかもしれない。高級そうな楽器を触るのは緊張しちゃいそうだけど使われないのも……と思ってしまう自分がいる。それに僕のためとまで言われたらさすがにね。

「ここと図書室の反対側の隣も防音だから完全に静かに過ごしたい時にはいいだろう」

基本この階が二人だけならどこ居てもうるさいことはなさそうだけど……養子をとったときの話、かな?それにしても隣も防音ってことはまた音に関する部屋なんだろうか?

「この隣は特に拘った。万が一にでもシャロンが妊娠すれば大事になる場所だからな」

「え?」

今なんて?と思わず聞き返しそうになったが、旦那様がどんどん進んだ先の部屋を見てすぐ言葉を失った。

「今、朝なのに……、それに部屋の中に星……?」

その部屋は綺麗な音色と共に、天井一面が星空で輝いていたから。

「プラネタリウムという最新の技術らしい。部屋の中で夜空を楽しめる機械と聞いて取り入れてみたが、思った以上によく、癒される空間としてオルゴールと合わせてみた。ふかふかのソファベットやハンモック、リクライニングチェアも用意しているから天井を眺めつつ心地よい眠りにも最適な部屋だろう。ブランケットも多めに用意してあるから、少し休みたい時や落ち着きたい時におすすめだ」

「すごい……このオルゴールの音色も旦那様が決めたんですか?」

「ああ、星に関連した曲らしい。この景色と合っていいと思ったんだ」

こんなに素敵な部屋にいつでも来れるなんて凄い贅沢だなと思う。それでもランプもあるからここに本を持ってくるのもよさそうだ。お茶のセットまであって、くつろぎスペースとしては図書室の何倍もくつろげそうである。

「ちなみにこの隣は調理室だ。鈴を鳴らして食べたいものを言えば影が持ってきてくれる。常にどこかに隠れて護衛をしているから心配はいらない」

「今もいるんですか……?」

「ああ、見えないがな」

さっきから見えないどころか気配も感じない。でもこれなら人目は気にならないから僕にはいいかもしれない。

「後案内するとすれば一つだけだ。その他にも部屋は多くあるが、私たちの部屋の前が衣装室だったり、他が空き部屋だったりするくらいで、必要に応じてシャロンの求めるもので改築していく予定だ」

「僕の求めるものって……」

「趣味に関する物から、子育ての部屋、ただ部屋を自分の好みに飾りつけするだけでもなんでもいい。シャロンが外に出る必要がないように作ったんだから」

「それって……」

さっきからどうにも旦那様の言うことに思うところがあるのは僕の考えすぎではないような気がしてきた。それに部屋から出た時から図書室に行くまでの間も、楽器の部屋から出た時も、下に降りる階段が見当たらなかった。この階だけでも広すぎて、端に中々辿り着けないせいで見えてないだけなんだろうか?これだけ広ければ途中に階段があってもよかったように思ったんだけれど……。

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