9 / 12
9
しおりを挟む
「あ、アルアルとりあえず離れてください……」
とりあえず、こんな近距離でいられたら落ち着けやしない。こんなときあの電波ヒロインがいれば雰囲気ぶち壊して冷静になれそうなのに……なんでいないの!
あ……私が追い出すように言ったんだった。私のバカ!
「いやだ。離れたくない」
「うう………」
より強く抱き締められて私の心臓は壊れそう。なんで私こうなる前に逃げなかったんだ………!
って、ああ!
「ぴよぴよ」
そう小鳥さん!小鳥さんを私助けようとしてたのよ!でも陛下も王妃様も頭に鳥を乗せて平然としてるし……飼ってるなら今更言うのも………。
「と、鳥!頭になんで鳥がいるんですか!」
いや、もうこのまま人前で辱しめられるのは勘弁だし、謎を残すのももやもやが残るだけとありったけの大声で言い放ち、それに驚いたのか力が弱まったアルアルから素早く離れる。はしたないけどもう色々限界なのだ、私は。
「鳥……?」
「え、ええ、アルアル様の頭の上に……」
え、まさか気づいてなかった……?あれだけぴよぴよと鳴いていたのに?え?私の妄想による幻聴?
「ふふ、人間の頭に鳥が乗るわけないよ」
「いや、いますって!」
「ぴぴぃ」
「ほら、今も鳴いて……」
「ビビアン疲れてる?」
「いや、だから!」
今現在進行中で疲れてますけど!というかどう言えば気づいてくれるの?まさか私だけにしか見えないとは言わないわよね!?
「クルッポー」
「カーカーッ」
「ほ、ほら、陛下と王妃様の頭の上にもいるでしょう……?アルアルにも……」
「あらあら、よっぽど疲れてるのね。医務室で休んだ方がよさそうだわ」
「え?」
「ふむ、それなら城からこの会場は近いから城に連れていこう。アルアルも離れたくないだろうから今日は城に泊まればいい」
「え?え?」
「父上、母上、一緒の部屋がいいです」
「え………ええ!?」
「まあまあ、結婚前だからハメは外さないようにね」
「添い寝ぐらいにしなさい」
何故私にしか鳥たちが見えてないの?と混乱している間に進む話。周囲に助けを求めようにも温かい眼差しで見られ味方はいない。……ってお母様、お父様周囲に紛れて手を振って私を見送らないでよ!止めましょうよ!未婚の娘を昔からの婚約者とはいえ、二人部屋でお泊まりはさすがに!
「行こう、ビビアン」
「ちょ、え………だれかあぁぁ!」
「そのまま同棲でも私は構いませんからね~!ビビア~ン」
「幸せになるんだぞ~!」
このお気楽夫婦め~!と心の中で叫びながら私の抵抗は無駄に終わり、卒業パーティーを抜け、城へと招待されることとなった。
なんで……こうなるの?
とりあえず、こんな近距離でいられたら落ち着けやしない。こんなときあの電波ヒロインがいれば雰囲気ぶち壊して冷静になれそうなのに……なんでいないの!
あ……私が追い出すように言ったんだった。私のバカ!
「いやだ。離れたくない」
「うう………」
より強く抱き締められて私の心臓は壊れそう。なんで私こうなる前に逃げなかったんだ………!
って、ああ!
「ぴよぴよ」
そう小鳥さん!小鳥さんを私助けようとしてたのよ!でも陛下も王妃様も頭に鳥を乗せて平然としてるし……飼ってるなら今更言うのも………。
「と、鳥!頭になんで鳥がいるんですか!」
いや、もうこのまま人前で辱しめられるのは勘弁だし、謎を残すのももやもやが残るだけとありったけの大声で言い放ち、それに驚いたのか力が弱まったアルアルから素早く離れる。はしたないけどもう色々限界なのだ、私は。
「鳥……?」
「え、ええ、アルアル様の頭の上に……」
え、まさか気づいてなかった……?あれだけぴよぴよと鳴いていたのに?え?私の妄想による幻聴?
「ふふ、人間の頭に鳥が乗るわけないよ」
「いや、いますって!」
「ぴぴぃ」
「ほら、今も鳴いて……」
「ビビアン疲れてる?」
「いや、だから!」
今現在進行中で疲れてますけど!というかどう言えば気づいてくれるの?まさか私だけにしか見えないとは言わないわよね!?
「クルッポー」
「カーカーッ」
「ほ、ほら、陛下と王妃様の頭の上にもいるでしょう……?アルアルにも……」
「あらあら、よっぽど疲れてるのね。医務室で休んだ方がよさそうだわ」
「え?」
「ふむ、それなら城からこの会場は近いから城に連れていこう。アルアルも離れたくないだろうから今日は城に泊まればいい」
「え?え?」
「父上、母上、一緒の部屋がいいです」
「え………ええ!?」
「まあまあ、結婚前だからハメは外さないようにね」
「添い寝ぐらいにしなさい」
何故私にしか鳥たちが見えてないの?と混乱している間に進む話。周囲に助けを求めようにも温かい眼差しで見られ味方はいない。……ってお母様、お父様周囲に紛れて手を振って私を見送らないでよ!止めましょうよ!未婚の娘を昔からの婚約者とはいえ、二人部屋でお泊まりはさすがに!
「行こう、ビビアン」
「ちょ、え………だれかあぁぁ!」
「そのまま同棲でも私は構いませんからね~!ビビア~ン」
「幸せになるんだぞ~!」
このお気楽夫婦め~!と心の中で叫びながら私の抵抗は無駄に終わり、卒業パーティーを抜け、城へと招待されることとなった。
なんで……こうなるの?
4
あなたにおすすめの小説
冤罪で婚約破棄したくせに……今さらもう遅いです。
水垣するめ
恋愛
主人公サラ・ゴーマン公爵令嬢は第一王子のマイケル・フェネルと婚約していた。
しかしある日突然、サラはマイケルから婚約破棄される。
マイケルの隣には男爵家のララがくっついていて、「サラに脅された!」とマイケルに訴えていた。
当然冤罪だった。
以前ララに対して「あまり婚約しているマイケルに近づくのはやめたほうがいい」と忠告したのを、ララは「脅された!」と改変していた。
証拠は無い。
しかしマイケルはララの言葉を信じた。
マイケルは学園でサラを罪人として晒しあげる。
そしてサラの言い分を聞かずに一方的に婚約破棄を宣言した。
もちろん、ララの言い分は全て嘘だったため、後に冤罪が発覚することになりマイケルは周囲から非難される……。
そちらがその気なら、こちらもそれなりに。
直野 紀伊路
恋愛
公爵令嬢アレクシアの婚約者・第一王子のヘイリーは、ある日、「子爵令嬢との真実の愛を見つけた!」としてアレクシアに婚約破棄を突き付ける。
それだけならまだ良かったのだが、よりにもよって二人はアレクシアに冤罪をふっかけてきた。
真摯に謝罪するなら潔く身を引こうと思っていたアレクシアだったが、「自分達の愛の為に人を貶めることを厭わないような人達に、遠慮することはないよね♪」と二人を返り討ちにすることにした。
※小説家になろう様で掲載していたお話のリメイクになります。
リメイクですが土台だけ残したフルリメイクなので、もはや別のお話になっております。
※カクヨム様、エブリスタ様でも掲載中。
…ºo。✵…𖧷''☛Thank you ☚″𖧷…✵。oº…
☻2021.04.23 183,747pt/24h☻
★HOTランキング2位
★人気ランキング7位
たくさんの方にお読みいただけてほんと嬉しいです(*^^*)
ありがとうございます!
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
婚約破棄は踊り続ける
お好み焼き
恋愛
聖女が現れたことによりルベデルカ公爵令嬢はルーベルバッハ王太子殿下との婚約を白紙にされた。だがその半年後、ルーベルバッハが訪れてきてこう言った。
「聖女は王太子妃じゃなく神の花嫁となる道を選んだよ。頼むから結婚しておくれよ」
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる