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悪役令嬢編ー完結ー
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「はぁ……いじめてなどいない。寧ろそやつがニヤーリカをいじめたから言っているんだ」
何してるんだお前らとばかりに呆れた表情でリバース殿下に言葉を返す王太子殿下。しかし、その言葉に納得いかないとばかりにリバース殿下はむっとした表情で言い返す。
「おねえしゃまいじめるならぼく、おにいしゃまがいうなっていったあのこといっちゃうもん!」
「なんのことだ」
リバース殿下は脅そうとしたのだろう。王太子殿下は言われて困ることなどないとばかりに余裕ぶっている。何を言う気かはわからないが、私を必死に守ろうとしてくれているのはよくわかるから、それだけでも十分救われた気持ちだった。
「おにいしゃまがそのおんなのひとと、きもちわるいことして、ぼくにみせてきたこと!」
だから失敗してもそのリバース殿下の気持ちだけで私はと思っていたのだが、よくわからないことを言い出したリバース殿下に誰もが首を傾げた。
王太子殿下がヒロインと気持ち悪いことをして、リバース殿下に見せて来た?気持ち悪いこととは何なのだろうか?王太子殿下やヒロインもわかっていない様子だった。しかし、リバース殿下が適当なことを言った様子はない。
「リバース殿下、気持ち悪いこととは?」
「えっとね、ふたりが、ふくぬいでね、んとんと」
二人が服を脱ぐ。その言葉で十分だった。
「正気ですか!?殿下!」
「ち、違う!私にそんな趣味はない!」
王太子殿下は青ざめた様子で否定するが、私含めて周りは幼いリバース殿下が嘘をついているとは思えず引いているのがわかる。つまりこの二人は幼い子供を目の前にヤりやがったわけだ。
「うそだ!おにいしゃま、これがせーきょういくだぁ!っていってたもん!ぼく、きもちわるかったけど、おにいしゃまがみてろって………ううっ」
よっぽど嫌だったとばかりに泣き出すリバース殿下に同情の声があがる。
「あんなに幼い殿下に……」
「トラウマでも植え付けるつもりだったのかしら……」
「最低ですわ………」
「同じ男だと思いたくないな」
非難の声に我慢ならないと叫び出すのはもちろん王太子殿下。
「出鱈目言うな!そんなことするはずがっ!何故離れていく!?私は何も………!」
しかし、より周囲は殿下から距離をとっていく。軽蔑を行動で現すかのように。
「そうよ!殿下はそんな趣味の悪いことなさらないわ!」
それを庇うのはヒロインであるニヤーリカ。さすがにこの状況のままではやばいと感じたのだろう。
「なんでしないとわかるんですか?」
「それは私と殿下は二人のときしか………!い、いえ、ちが……」
墓穴を掘るとはこういうこと。不貞を働いていたことを認めたようなものだ。つまりリバース殿下にしたことがより真実めいたということ。
「それに、そのおんなのひとね、ぼくに、ふくぬげってさわられて………ふえぇぇん」
「情婦でもそれはないわ……」
「リバース殿下お可哀想に………」
泣き出すリバース殿下に、同情の目が、逆にニヤーリカには厳しい視線が向けられた。そりゃそうである。幼い子に性欲を向けるなどただの変態だ。さすがの王太子殿下もニヤーリカに信じられないとばかりの目を向けている。しかし、王太子殿下、貴方も中々の変態扱いされてる現状を理解されてますか?
「ち、ちが………!いくら私でもこんな子供に手は出さないわよ!」
「子供以外には手を出されるのです?」
「まあイケメンであれば……って何言わせて………」
勝手に言ったのはそっちである。こんな自ら墓穴を掘る墓穴ヒロインに私は断罪されかけたのかとそんな自分が情けなく感じてきた。
「どういうことだ!ニヤーリカ!」
「え?違うわ!誤解よ!イケメンは殿下だもの!私は殿下としか愛し合っていないわ!」
誤解でもなんでもなさそうな気がするが、誤解だったとしても私は不貞してましたとばかりの発言をこの場でするのはどうかと思う。
「おねぇしゃま」
「ん?」
そんな見苦しい二人を見ていればくいくいと私のドレスの裾をひっぱりこそこそと話しかけるリバース殿下。涙はどうやら引っ込んだようである。
「あれね、ぜーんぶうそだからね?」
「え?」
くすっといたずらっ子のようにとんでもないことを言って笑って見せたリバース殿下に周囲は何を感じたのか。
「あら、アマリア嬢がリバース殿下を励ましたのかしら?涙が消えておりますわ」
「よかったですね。アマリア嬢がいじめたというのは嘘の可能性が高そうです」
「まあ、幼い子供に酷いことをする人たちが言うことですからね……」
「あやうく騙されるところでしたわ」
大変申し訳ないが、誰も彼もがリバース殿下に騙されている。私も先程の言葉がなければ信じていただろう。同じ転生者といえど年齢に釣られるだろうに4歳にしてなんという演技力。
こうなると寧ろ王太子殿下とヒロインが憐れに思えてきた。自業自得だからわざわざ庇う気にもならないが。
「おねえしゃまいじめたのがわるいんだよ?すっきりした?」
「まあ……そうですね」
4歳にして腹黒いような気がしなくもない。それでも私のためなのだ。少しばかりある意味で残酷な気がするが………うん、でも、リバース殿下だもの。いい子に……いい子に育つだろうか?
何してるんだお前らとばかりに呆れた表情でリバース殿下に言葉を返す王太子殿下。しかし、その言葉に納得いかないとばかりにリバース殿下はむっとした表情で言い返す。
「おねえしゃまいじめるならぼく、おにいしゃまがいうなっていったあのこといっちゃうもん!」
「なんのことだ」
リバース殿下は脅そうとしたのだろう。王太子殿下は言われて困ることなどないとばかりに余裕ぶっている。何を言う気かはわからないが、私を必死に守ろうとしてくれているのはよくわかるから、それだけでも十分救われた気持ちだった。
「おにいしゃまがそのおんなのひとと、きもちわるいことして、ぼくにみせてきたこと!」
だから失敗してもそのリバース殿下の気持ちだけで私はと思っていたのだが、よくわからないことを言い出したリバース殿下に誰もが首を傾げた。
王太子殿下がヒロインと気持ち悪いことをして、リバース殿下に見せて来た?気持ち悪いこととは何なのだろうか?王太子殿下やヒロインもわかっていない様子だった。しかし、リバース殿下が適当なことを言った様子はない。
「リバース殿下、気持ち悪いこととは?」
「えっとね、ふたりが、ふくぬいでね、んとんと」
二人が服を脱ぐ。その言葉で十分だった。
「正気ですか!?殿下!」
「ち、違う!私にそんな趣味はない!」
王太子殿下は青ざめた様子で否定するが、私含めて周りは幼いリバース殿下が嘘をついているとは思えず引いているのがわかる。つまりこの二人は幼い子供を目の前にヤりやがったわけだ。
「うそだ!おにいしゃま、これがせーきょういくだぁ!っていってたもん!ぼく、きもちわるかったけど、おにいしゃまがみてろって………ううっ」
よっぽど嫌だったとばかりに泣き出すリバース殿下に同情の声があがる。
「あんなに幼い殿下に……」
「トラウマでも植え付けるつもりだったのかしら……」
「最低ですわ………」
「同じ男だと思いたくないな」
非難の声に我慢ならないと叫び出すのはもちろん王太子殿下。
「出鱈目言うな!そんなことするはずがっ!何故離れていく!?私は何も………!」
しかし、より周囲は殿下から距離をとっていく。軽蔑を行動で現すかのように。
「そうよ!殿下はそんな趣味の悪いことなさらないわ!」
それを庇うのはヒロインであるニヤーリカ。さすがにこの状況のままではやばいと感じたのだろう。
「なんでしないとわかるんですか?」
「それは私と殿下は二人のときしか………!い、いえ、ちが……」
墓穴を掘るとはこういうこと。不貞を働いていたことを認めたようなものだ。つまりリバース殿下にしたことがより真実めいたということ。
「それに、そのおんなのひとね、ぼくに、ふくぬげってさわられて………ふえぇぇん」
「情婦でもそれはないわ……」
「リバース殿下お可哀想に………」
泣き出すリバース殿下に、同情の目が、逆にニヤーリカには厳しい視線が向けられた。そりゃそうである。幼い子に性欲を向けるなどただの変態だ。さすがの王太子殿下もニヤーリカに信じられないとばかりの目を向けている。しかし、王太子殿下、貴方も中々の変態扱いされてる現状を理解されてますか?
「ち、ちが………!いくら私でもこんな子供に手は出さないわよ!」
「子供以外には手を出されるのです?」
「まあイケメンであれば……って何言わせて………」
勝手に言ったのはそっちである。こんな自ら墓穴を掘る墓穴ヒロインに私は断罪されかけたのかとそんな自分が情けなく感じてきた。
「どういうことだ!ニヤーリカ!」
「え?違うわ!誤解よ!イケメンは殿下だもの!私は殿下としか愛し合っていないわ!」
誤解でもなんでもなさそうな気がするが、誤解だったとしても私は不貞してましたとばかりの発言をこの場でするのはどうかと思う。
「おねぇしゃま」
「ん?」
そんな見苦しい二人を見ていればくいくいと私のドレスの裾をひっぱりこそこそと話しかけるリバース殿下。涙はどうやら引っ込んだようである。
「あれね、ぜーんぶうそだからね?」
「え?」
くすっといたずらっ子のようにとんでもないことを言って笑って見せたリバース殿下に周囲は何を感じたのか。
「あら、アマリア嬢がリバース殿下を励ましたのかしら?涙が消えておりますわ」
「よかったですね。アマリア嬢がいじめたというのは嘘の可能性が高そうです」
「まあ、幼い子供に酷いことをする人たちが言うことですからね……」
「あやうく騙されるところでしたわ」
大変申し訳ないが、誰も彼もがリバース殿下に騙されている。私も先程の言葉がなければ信じていただろう。同じ転生者といえど年齢に釣られるだろうに4歳にしてなんという演技力。
こうなると寧ろ王太子殿下とヒロインが憐れに思えてきた。自業自得だからわざわざ庇う気にもならないが。
「おねえしゃまいじめたのがわるいんだよ?すっきりした?」
「まあ……そうですね」
4歳にして腹黒いような気がしなくもない。それでも私のためなのだ。少しばかりある意味で残酷な気がするが………うん、でも、リバース殿下だもの。いい子に……いい子に育つだろうか?
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