悪役令嬢の義弟となるはずだった子は断罪の場でとんでもないことを言い出した

荷居人(にいと)

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天使?のショタ編ー完結ー

16

「おとうしゃまー!」

「え…」
 
「おー!愛しき息子リバーよ!」

急に舌足らずになる僕に、何故か引くような仕草をしたシズルは無視して僕は父に飛び付いた。

「おとうしゃま、あれひろったの。っていい?」

きらきらとした眼差しを父に向けながら指差す先はシズル。シズルの目が、飼うってなんだ?とこちらに訴えてるように見えたが関係ない。僕にとっては飼う犬が変態の兄から不審者の人に変わるという話だから。従者と書いて犬だよね?僕の後ろを歩いてくるわけだし。

「拾った?どこでだ?」

「あのね、へいに、あながあってね、くぐったさきにおちてたんだよ?ひろってくだしゃいってだんぼーるにいれられてたからひろったの」

「え」

なんだそれとシズルの視線がうるさい。落ちてたのも拾ったのも本当のことだからなんの文句もないはずだ。

「塀に穴が?」

「うん、なんかはなれの………」

そうして僕は簡潔に、しかもわかりやすく修繕が必要な塀の場所を父に言えば、確認してこいとばかりに父が近くの人に指示をした。まあ怪しい侵入経路は早くなくすべきだしね。

「よくぞ見つけてくれたな。えらいぞ。しかし、だな。人間は拾い物じゃないぞ?」

「でもひろってくだしゃいってだんぼーるのうえで、まるまってねてかわいそうだったんだよ?」

実際寝てたのは廊下だけど。やっぱり犬猫拾うなら段ボールイメージがあって、ついついそのイメージで話しちゃってた。だめだね、想像は時に真実になっちゃうって兄やあの女のことでほんの少し反省したのになー。

「だ、段ボールか……家無し、か……?」

「え、いや、その……」

「あのね、いもうとしゃんがね、びょーきで、くすりのおかねなくて、みうり?しようとしたんだって」

「み……っ」

身売りまでするつもりはと言いそうになるシズルをきっと軽く睨めば、びくりと肩を震わせ、シズルは言葉を止める。

……少し睨んだだけであんなに怯えなくても。シズルには僕が何に見えるんだろう……。

「男の身で身売りをするほどに追い詰められていたか……」

「あの……えっと、はい」

「なるほど。リバーはこの子を助けたいわけだな?」

「うん!シズルっていうの!おしろのしょとにいくときに、おともだちもほしかったから!」

「そうかそうか!身元を一応調べることにはなるが、いいだろう。妹さんのことも前払いで医者と薬代を工面してもいい」

「い、いいんですか!」

「リバーの願いだからな。その代わりしっかりリバーの友達を勤めるがいい。表向きは従者となるが」

「ありがとうございます!」

「ありがとう!おとうしゃま!」

こうして僕は従者を飼うことになった。まあ兄よりかは従順とは言い難いので少しお世話は必要だけど、飼ったばかりなら仕方ないことだ。
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