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「兄さん!」
楽しみにしていたとばかりにキラキラとした瞳で駆け寄ってきた龍には隈が出来ている。眠れていないのか?と最近毎日濃くなる隈に心配になりつつもここで下手にまた一緒に寝ることになれば兄離れなんてできたものじゃないと心を何度引き締めたことか。
「じゃ、帰るぞ。話もあるしな」
「うん!」
話とはもしかしてと期待を寄せる龍に苦笑してしまう。その顔が今にまた絶望した表情となるのだろうと思うと居たたまれないが今だけだと今から痛む胸を無視して自分に言い聞かせる。
「龍、さっきの言っていた話の内容だがスマホにある俺の画像を全部削除しろ、それだけだ」
「え……………?なんで?いやだよ!今日の話って兄離れ終わりの話じゃないの?僕、頑張ったよ!これないと無理なんだ!何も出来なくなる!兄さんは僕に死んでほしいの?僕未来なんてどうでもいい!兄さんがいたら幸せだよ?世間が気になるなら僕が働くから兄さんは家にいてくれるだけでもいいよ!なんなら家でできる仕事とか探してずっと一緒にいられるように頑張ろう?ね!ね!」
「落ち着け、龍」
「落ち着いてるよ?だから兄さん兄離れなんてもういいって言って?僕毎日頭が狂いそうなんだ」
「毎日って……まだ一週間も経ってねぇだろ」
「ふふ、そうなの?僕もう半年以上は経ってると思ってた」
まさかここまで取り乱されるとは思わずなんとか龍を落ち着かせようとするが、龍はどこか目を虚ろにさせて意味のわからない発言ばかりする。思った以上の重症さにどうしていいか俺もわからない。兄離れが果たして正しいのかすら。
これが想いの違いなのだろうか?
「龍、俺は……」
「兄さんと寝なくなった日から僕ずっと寝てないんだ。眠れなくて……兄さんが寝た頃に顔見に行ってるの気づいてた?気づいてないよね?そこで眠ったら兄さんにまた何か言われて余計離されると思ったら怖くて朝方には寝るフリして兄さんに起こしてもらえるのだけが今の楽しみ。兄さん、もうこれ以上僕から兄さんを奪うなら僕は死んじゃうよ?」
俺の言葉など聞きたくないとばかりに渡って話し出す龍にぞくりと背筋が凍った。まるで俺を脅すように言う龍のキラキラした瞳は濁り、顔は笑っているのに目が笑っていないという器用な表情をしている。これは俺がさせている。
ただ龍を大切にしたいだけなのに何故こうもうまくいかないのだろうか。寝ていないなんて思いもしなかった。俺は寂しさを感じながらもなんとか寝れていたから。
死ぬと言う弟に俺はなんて答えるべきなのだろうか?
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「うん!」
話とはもしかしてと期待を寄せる龍に苦笑してしまう。その顔が今にまた絶望した表情となるのだろうと思うと居たたまれないが今だけだと今から痛む胸を無視して自分に言い聞かせる。
「龍、さっきの言っていた話の内容だがスマホにある俺の画像を全部削除しろ、それだけだ」
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「落ち着け、龍」
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「ふふ、そうなの?僕もう半年以上は経ってると思ってた」
まさかここまで取り乱されるとは思わずなんとか龍を落ち着かせようとするが、龍はどこか目を虚ろにさせて意味のわからない発言ばかりする。思った以上の重症さにどうしていいか俺もわからない。兄離れが果たして正しいのかすら。
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「兄さんと寝なくなった日から僕ずっと寝てないんだ。眠れなくて……兄さんが寝た頃に顔見に行ってるの気づいてた?気づいてないよね?そこで眠ったら兄さんにまた何か言われて余計離されると思ったら怖くて朝方には寝るフリして兄さんに起こしてもらえるのだけが今の楽しみ。兄さん、もうこれ以上僕から兄さんを奪うなら僕は死んじゃうよ?」
俺の言葉など聞きたくないとばかりに渡って話し出す龍にぞくりと背筋が凍った。まるで俺を脅すように言う龍のキラキラした瞳は濁り、顔は笑っているのに目が笑っていないという器用な表情をしている。これは俺がさせている。
ただ龍を大切にしたいだけなのに何故こうもうまくいかないのだろうか。寝ていないなんて思いもしなかった。俺は寂しさを感じながらもなんとか寝れていたから。
死ぬと言う弟に俺はなんて答えるべきなのだろうか?
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