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「ねぇちゅうしてもいい?」
「えっ!?」

 今、ちゅうって言った? 血ぃ吸ぅたろか~のちゅうとかじゃなくって、ちゅうって言ったらホントにあのちゅう? もしかしてわたしの聞き間違い? ていうかちゅうしてもいいかって、遠藤君、本気でわたしにそう言ったの?

 頭ん中はもうプチパニックだ。でも金魚みたいにぱくぱくするだけで、わたしの口から言葉はひとつも出てこなかった。

 はっと我に返ったように、遠藤君が自分の顔を手で覆った。口を押さえただけなのに顔半分が隠れちゃって、遠藤君大きな手だぁなんて、そんな明後日あさってなことをわたしは考えていた。

「何言ってんだ、俺! 完全に順番間違えたっ」

 遠藤君が真っ赤になって目を逸らす。なんかもう現実感がなくなってきて、わたしは黙ってただじっと遠藤君の顔を眺めてた。

「待って、今のなし。今やり直すからちょっと待って!」

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