10コ上のイケボと付き合ってます

マカリ

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将暉と智貴

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『俳優、ハイブランド専属モデルのなつめ 将暉まさき 年内をもって活動休止!』

  今、新聞や雑誌、ネットニュースでも、この話題で持ちきりである。

  はい、そうです。僕、棗将暉は、主夫になるため仕事辞めます!

  僕は一応国内外で、それなりに知られた有名人ではあります。
  自分で言うのもなんですが、身長は183センチメートル、顔もそれなりで、運良くハイブランドの専属モデルを十代の頃からやっていまして……

  まぁ、女の子にモテると思います。
  有名女優や女性アーティストと付き合っていましたし。短い間ですが……
  海外セレブのマダムにも、誘われちゃうくらいでございます。

  そんな僕が仕事を完全に辞めようと思った理由は、とてもありふれた理由で……
  そのきっかけは、同居人というか、僕の恋人………僕の彼氏………僕の旦那様の、超有名声優、茂田井もたい智貴ともきとのすれ違い。

  あっ、そうそう僕、初めて男性とお付き合いしています。それもかなり真剣に。

  僕の彼氏は十歳年上で、イケボで定評の超有名声優です。アニメを見ない人でも、ゲームやらない人でも、映画を吹き替えで観ない人でも、それこそ超が付くほどの有名なキャラクターを長年担当している声優なのです。
  僕も初めて、エッチな関係になった時、サラッと推しキャラの名前出されて、

 『マジかよオイ!』
 
 雰囲気をぶち壊しちゃいました……あの時はごめんね、智ちゃん。

 で……

  彼も僕も物凄く忙しくて。 忙しすぎて、全然会う時間がなくて。特に僕がモデルの仕事とハリウッドの仕事もしているもんだから、年の三分の一は日本に居ない訳で……
 
  だったらって一緒に暮らしたのにも関わらず、会話する時間もない。会えた時は、どちらかがベッドで熟睡中……
  『会いたい』『触れたい』が暴走すると、僕は泣いちゃうから、智ちゃんに迷惑掛けちゃうし。
 
 仕事と智ちゃん……
 
  圧倒的に智ちゃんの事しか考えていない僕がそこに居る事実。

 愛する人の為に全てを捧げたい……
 
  だから僕は、事実上の引退を決意。
  今までの人生で好きな事が出来なかったという事もあるし、沢山我慢してきた。それも引っ括めて色んなものを取り返したい。

  智ちゃんは、めちゃくちゃ反対したけど。
  たくさん二人で話し合った。事務所の人達よりも話し合った。
  僕がハリウッドの仕事もするようになって、心から喜んでくれた智ちゃん。
 
「俺が吹き替えやりたい!」
「それだけは智ちゃんやめてくれ!」
 
 なんて笑い合っていた時もあったっけ。
  でも、僕は生意気だけれど、モデルも俳優もやり尽くしちゃったんだよね。
  僕は君の為に生きたいんだよ……智ちゃん。
 こんな事言うと『俺の為にチャンス捨てんな』って怒りそうだから言わないけど。

 心から愛しているんだよ、智ちゃん

  そんな事を考えながら洗濯物を干してたら、智ちゃんがバックハグしてきた。
「智ちゃん、もう起きたの?まだ六時じゃん。もうちょい寝てたら?」
「んー……まさき吸い。エネルギーチャージ」
「じゃぁ洗濯干し終わったら、チューしてあげるから待っててね」
  毎朝のルーティン。智ちゃんは僕をバックハグして、そんな智ちゃんに僕がキスして。たまに盛り上がってセックスしちゃうけど……
 たわいもない事だけど、お互いそれに幸せを感じて噛み締めている。

「智ちゃん、今日も忙しいんでしょ?ちゃんと休憩する時間ある?無理しちゃ嫌だよ。ねぇ聞いてる?智ちゃん?」
  朝ごはんの支度をしながら、寝落ちしそうな智ちゃんに話しかける。今日は質問攻めにしたい気分。
「ありがとう。ちゃんと聞いてるよ。空いてる時間は、ほぼ寝てるから、俺」
  僕は智ちゃんが大好きな玉子焼きを作りながら、
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
「朝飯は、ちゃんと毎日食べてるだろ。将暉のおかげ」と、新聞を読みながら智ちゃんが答える。
「ねぇ、智ちゃん。僕の事、愛してる?」
  顔を真っ赤にして読んでた新聞をクシャクシャにしちゃった智ちゃん。
「朝から何言ってんだよ、お前……」
「僕たち同棲して、結構経つんだけど。そんなに照れるかなぁ」
「恥ずかしいもんは恥ずかしいの!」
「かわいい、智ちゃん」
「オッサンをからかうなよ」
  溜息をつきながら、コーヒーを飲む智ちゃん。
「ねぇ……」
  返事を言わせたい僕。
  お互いじーっと見つめ合い、そして智ちゃんが折れる。
「愛してるよ、将暉」
  智ちゃんが僕を抱きしめてキスをしてくれる。

  あぁ今夜も彼に抱かれたい、と思ってる僕が居る…… 
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