1 / 7
将暉と智貴
しおりを挟む
『俳優、ハイブランド専属モデルの棗 将暉 年内をもって活動休止!』
今、新聞や雑誌、ネットニュースでも、この話題で持ちきりである。
はい、そうです。僕、棗将暉は、主夫になるため仕事辞めます!
僕は一応国内外で、それなりに知られた有名人ではあります。
自分で言うのもなんですが、身長は183センチメートル、顔もそれなりで、運良くハイブランドの専属モデルを十代の頃からやっていまして……
まぁ、女の子にモテると思います。
有名女優や女性アーティストと付き合っていましたし。短い間ですが……
海外セレブのマダムにも、誘われちゃうくらいでございます。
そんな僕が仕事を完全に辞めようと思った理由は、とてもありふれた理由で……
そのきっかけは、同居人というか、僕の恋人………僕の彼氏………僕の旦那様の、超有名声優、茂田井智貴とのすれ違い。
あっ、そうそう僕、初めて男性とお付き合いしています。それもかなり真剣に。
僕の彼氏は十歳年上で、イケボで定評の超有名声優です。アニメを見ない人でも、ゲームやらない人でも、映画を吹き替えで観ない人でも、それこそ超が付くほどの有名なキャラクターを長年担当している声優なのです。
僕も初めて、エッチな関係になった時、サラッと推しキャラの名前出されて、
『マジかよオイ!』
雰囲気をぶち壊しちゃいました……あの時はごめんね、智ちゃん。
で……
彼も僕も物凄く忙しくて。 忙しすぎて、全然会う時間がなくて。特に僕がモデルの仕事とハリウッドの仕事もしているもんだから、年の三分の一は日本に居ない訳で……
だったらって一緒に暮らしたのにも関わらず、会話する時間もない。会えた時は、どちらかがベッドで熟睡中……
『会いたい』『触れたい』が暴走すると、僕は泣いちゃうから、智ちゃんに迷惑掛けちゃうし。
仕事と智ちゃん……
圧倒的に智ちゃんの事しか考えていない僕がそこに居る事実。
愛する人の為に全てを捧げたい……
だから僕は、事実上の引退を決意。
今までの人生で好きな事が出来なかったという事もあるし、沢山我慢してきた。それも引っ括めて色んなものを取り返したい。
智ちゃんは、めちゃくちゃ反対したけど。
たくさん二人で話し合った。事務所の人達よりも話し合った。
僕がハリウッドの仕事もするようになって、心から喜んでくれた智ちゃん。
「俺が吹き替えやりたい!」
「それだけは智ちゃんやめてくれ!」
なんて笑い合っていた時もあったっけ。
でも、僕は生意気だけれど、モデルも俳優もやり尽くしちゃったんだよね。
僕は君の為に生きたいんだよ……智ちゃん。
こんな事言うと『俺の為にチャンス捨てんな』って怒りそうだから言わないけど。
心から愛しているんだよ、智ちゃん
そんな事を考えながら洗濯物を干してたら、智ちゃんがバックハグしてきた。
「智ちゃん、もう起きたの?まだ六時じゃん。もうちょい寝てたら?」
「んー……まさき吸い。エネルギーチャージ」
「じゃぁ洗濯干し終わったら、チューしてあげるから待っててね」
毎朝のルーティン。智ちゃんは僕をバックハグして、そんな智ちゃんに僕がキスして。たまに盛り上がってセックスしちゃうけど……
たわいもない事だけど、お互いそれに幸せを感じて噛み締めている。
「智ちゃん、今日も忙しいんでしょ?ちゃんと休憩する時間ある?無理しちゃ嫌だよ。ねぇ聞いてる?智ちゃん?」
朝ごはんの支度をしながら、寝落ちしそうな智ちゃんに話しかける。今日は質問攻めにしたい気分。
「ありがとう。ちゃんと聞いてるよ。空いてる時間は、ほぼ寝てるから、俺」
僕は智ちゃんが大好きな玉子焼きを作りながら、
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
「朝飯は、ちゃんと毎日食べてるだろ。将暉のおかげ」と、新聞を読みながら智ちゃんが答える。
「ねぇ、智ちゃん。僕の事、愛してる?」
顔を真っ赤にして読んでた新聞をクシャクシャにしちゃった智ちゃん。
「朝から何言ってんだよ、お前……」
「僕たち同棲して、結構経つんだけど。そんなに照れるかなぁ」
「恥ずかしいもんは恥ずかしいの!」
「かわいい、智ちゃん」
「オッサンをからかうなよ」
溜息をつきながら、コーヒーを飲む智ちゃん。
「ねぇ……」
返事を言わせたい僕。
お互いじーっと見つめ合い、そして智ちゃんが折れる。
「愛してるよ、将暉」
智ちゃんが僕を抱きしめてキスをしてくれる。
あぁ今夜も彼に抱かれたい、と思ってる僕が居る……
今、新聞や雑誌、ネットニュースでも、この話題で持ちきりである。
はい、そうです。僕、棗将暉は、主夫になるため仕事辞めます!
僕は一応国内外で、それなりに知られた有名人ではあります。
自分で言うのもなんですが、身長は183センチメートル、顔もそれなりで、運良くハイブランドの専属モデルを十代の頃からやっていまして……
まぁ、女の子にモテると思います。
有名女優や女性アーティストと付き合っていましたし。短い間ですが……
海外セレブのマダムにも、誘われちゃうくらいでございます。
そんな僕が仕事を完全に辞めようと思った理由は、とてもありふれた理由で……
そのきっかけは、同居人というか、僕の恋人………僕の彼氏………僕の旦那様の、超有名声優、茂田井智貴とのすれ違い。
あっ、そうそう僕、初めて男性とお付き合いしています。それもかなり真剣に。
僕の彼氏は十歳年上で、イケボで定評の超有名声優です。アニメを見ない人でも、ゲームやらない人でも、映画を吹き替えで観ない人でも、それこそ超が付くほどの有名なキャラクターを長年担当している声優なのです。
僕も初めて、エッチな関係になった時、サラッと推しキャラの名前出されて、
『マジかよオイ!』
雰囲気をぶち壊しちゃいました……あの時はごめんね、智ちゃん。
で……
彼も僕も物凄く忙しくて。 忙しすぎて、全然会う時間がなくて。特に僕がモデルの仕事とハリウッドの仕事もしているもんだから、年の三分の一は日本に居ない訳で……
だったらって一緒に暮らしたのにも関わらず、会話する時間もない。会えた時は、どちらかがベッドで熟睡中……
『会いたい』『触れたい』が暴走すると、僕は泣いちゃうから、智ちゃんに迷惑掛けちゃうし。
仕事と智ちゃん……
圧倒的に智ちゃんの事しか考えていない僕がそこに居る事実。
愛する人の為に全てを捧げたい……
だから僕は、事実上の引退を決意。
今までの人生で好きな事が出来なかったという事もあるし、沢山我慢してきた。それも引っ括めて色んなものを取り返したい。
智ちゃんは、めちゃくちゃ反対したけど。
たくさん二人で話し合った。事務所の人達よりも話し合った。
僕がハリウッドの仕事もするようになって、心から喜んでくれた智ちゃん。
「俺が吹き替えやりたい!」
「それだけは智ちゃんやめてくれ!」
なんて笑い合っていた時もあったっけ。
でも、僕は生意気だけれど、モデルも俳優もやり尽くしちゃったんだよね。
僕は君の為に生きたいんだよ……智ちゃん。
こんな事言うと『俺の為にチャンス捨てんな』って怒りそうだから言わないけど。
心から愛しているんだよ、智ちゃん
そんな事を考えながら洗濯物を干してたら、智ちゃんがバックハグしてきた。
「智ちゃん、もう起きたの?まだ六時じゃん。もうちょい寝てたら?」
「んー……まさき吸い。エネルギーチャージ」
「じゃぁ洗濯干し終わったら、チューしてあげるから待っててね」
毎朝のルーティン。智ちゃんは僕をバックハグして、そんな智ちゃんに僕がキスして。たまに盛り上がってセックスしちゃうけど……
たわいもない事だけど、お互いそれに幸せを感じて噛み締めている。
「智ちゃん、今日も忙しいんでしょ?ちゃんと休憩する時間ある?無理しちゃ嫌だよ。ねぇ聞いてる?智ちゃん?」
朝ごはんの支度をしながら、寝落ちしそうな智ちゃんに話しかける。今日は質問攻めにしたい気分。
「ありがとう。ちゃんと聞いてるよ。空いてる時間は、ほぼ寝てるから、俺」
僕は智ちゃんが大好きな玉子焼きを作りながら、
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
「朝飯は、ちゃんと毎日食べてるだろ。将暉のおかげ」と、新聞を読みながら智ちゃんが答える。
「ねぇ、智ちゃん。僕の事、愛してる?」
顔を真っ赤にして読んでた新聞をクシャクシャにしちゃった智ちゃん。
「朝から何言ってんだよ、お前……」
「僕たち同棲して、結構経つんだけど。そんなに照れるかなぁ」
「恥ずかしいもんは恥ずかしいの!」
「かわいい、智ちゃん」
「オッサンをからかうなよ」
溜息をつきながら、コーヒーを飲む智ちゃん。
「ねぇ……」
返事を言わせたい僕。
お互いじーっと見つめ合い、そして智ちゃんが折れる。
「愛してるよ、将暉」
智ちゃんが僕を抱きしめてキスをしてくれる。
あぁ今夜も彼に抱かれたい、と思ってる僕が居る……
1
あなたにおすすめの小説
病み墜ちした騎士を救う方法
無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。
死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。
死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。
どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……?
※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です
僕を守るのは、イケメン先輩!?
八乙女 忍
BL
僕は、なぜか男からモテる。僕は嫌なのに、しつこい男たちから、守ってくれるのは一つ上の先輩。最初怖いと思っていたが、守られているうち先輩に、惹かれていってしまう。僕は、いったいどうしちゃったんだろう?
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
【完結】初恋は檸檬の味 ―後輩と臆病な僕の、恋の記録―
夢鴉
BL
写真部の三年・春(はる)は、入学式の帰りに目を瞠るほどのイケメンに呼び止められた。
「好きです、先輩。俺と付き合ってください」
春の目の前に立ちはだかったのは、新入生――甘利檸檬。
一年生にして陸上部エースと騒がれている彼は、見た目良し、運動神経良し。誰もが降り向くモテ男。
「は? ……嫌だけど」
春の言葉に、甘利は茫然とする。
しかし、甘利は諦めた様子はなく、雨の日も、夏休みも、文化祭も、春を追いかけた。
「先輩、可愛いですね」
「俺を置いて修学旅行に行くんですか!?」
「俺、春先輩が好きです」
甘利の真っすぐな想いに、やがて春も惹かれて――。
ドタバタ×青春ラブコメ!
勉強以外はハイスペックな執着系後輩×ツンデレで恋に臆病な先輩の初恋記録。
※ハートやお気に入り登録、ありがとうございます!本当に!すごく!励みになっています!!
感想等頂けましたら飛び上がって喜びます…!今後ともよろしくお願いいたします!
※すみません…!三十四話の順番がおかしくなっているのに今更気づきまして、9/30付けで修正を行いました…!読んでくださった方々、本当にすみません…!!
以前序話の下にいた三十四話と内容は同じですので、既に読んだよって方はそのままで大丈夫です! 飛んで読んでたよという方、本当に申し訳ございません…!
※お気に入り20超えありがとうございます……!
※お気に入り25超えありがとうございます!嬉しいです!
※完結まで応援、ありがとうございました!
【完結】ベイビーダーリン ~スパダリ俳優は、僕の前でだけ赤ちゃん返りする~
粗々木くうね
BL
「……おやすみ。僕の、かわいいレン」
人気俳優の朝比奈(あさひな)レンは、幼馴染で恋人の小鳥遊 椋(たかなし むく) の前でだけ赤ちゃんに戻る。
癒しと愛で満たす、ふたりだけの夜のルーティン。
※本作品に出てくる心の病気の表現は、想像上のものです。ご了承ください。
小鳥遊 椋(たかなし むく)
・5月25日生まれ 24歳
・短期大学卒業後、保育士に。天職と感じていたが、レンのために仕事を辞めた。現在はレンの所属する芸能事務所の託児所で働きながらレンを支える。
・身長168cm
・髪型:エアリーなミディアムショート+やわらかミルクティーブラウンカラー
・目元:たれ目+感情が顔に出やすい
・雰囲気:柔らかくて包み込むけど、芯があって相手をちゃんと見守れる
朝比奈レン(あさひな れん)
・11月2日生まれ 24歳
・シングルマザーの母親に育てられて、将来は母を楽させたいと思っていた。
母に迷惑かけたくなくて無意識のうちに大人びた子に。
・高校在籍時モデルとしてスカウトされ、母のためにも受けることに→芸能界デビュー
・俳優として転身し、どんな役も消化する「カメレオン俳優」に。注目の若手俳優。
・身長180cm
・猫や犬など動物好き
・髪型:黒髪の短髪
・目元:切れ長の目元
・雰囲気:硬派。口数は少ないが真面目で礼儀正しい。
・母の力になりたいと身の回りの家事はできる。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
【花言葉】
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
【異世界短編】単発ネタ殴り書き随時掲載。
◻︎お付きくんは反社ボスから逃げ出したい!:お馬鹿主人公くんと傲慢ボス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる