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恋人編 2
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僕には暗い過去がある。
誰にも話して来なかった暗い過去。
それを智ちゃんに話したキッカケは、やっぱり喧嘩しちゃった時なんだけれども――
智ちゃんと付き合うようになっても、僕のコミュ障は相変わらずで。智ちゃんは、それに困惑するようになっていた。
「さっきまで俺にベッタリしてたくせに、俺が甘えようとすると、やんわり拒否するよな」
そんな事無い。智ちゃんに抱きしめられたり、甘えられたり、それはめちゃくちゃ嬉しい。
けど……
「俺は慣れたけどな」
「え?」
「抱きしめて、キスして、将暉の敏感な乳首弄ったり」
恥ずかしすぎて、クッションで顔を隠す僕。
「なのにさ、俺の可愛い将暉くんは、いい感じになると、ドーンと高い壁を作っちゃうから、俺最近ゲンナリしてきたかも」
智ちゃんは、結構ハッキリ伝えてくる人だ。
智ちゃんに、そんな風を言われて僕は、
「そんな!ゲンナリって……まだちょっと慣れてないだけだし。智ちゃん、サラッと酷いこと言うのやめてよ」って言わなくてもいい事を、また言ってしまう僕。
「言ってやらないと、お前に伝わらないと思って」
「でも言っていい事と悪い事ってあるじゃん」
「していい事と悪い事もあるだろ」
関係が近くなればなるほど、僕は壁を作ってしまう、というか……
一応、理由はちゃんとある訳で……
「なぁ、将暉。俺たちは他のカップルよりも、超えないといけない事が多いのかな?同性ってだけじゃなくてさ。一緒に居ても居心地悪いなら、付き合う意味が無いと思うんだ」
「……めて……」
クッション越しに僕が言う。
「聞こえない」
智ちゃんがクッションを無理やり僕から取り上げる。
「止めてって言ってるんだよ」
で、また泣き出しちゃう僕。
「……将暉……お前を知ろうとすればする程、凄く遠く感じるんだよ……」
智ちゃんの言葉に、余計涙が止まらなくなってしまう。
今まで付き合ってきた元カノ達にも、同じような事を言われた。もちろん泣いた事はないけど……
『本当に私の事好きなの?』
『セックスしたら終わり?』
『私と居るの、つまんなそう』
『いつも何考えてんのか分からない』
本当は伝えたい想いが沢山あった。普通の恋愛をしたかった。普通に人を愛したかった。愛されたかった。けれども僕は、どうしていいのか分からなかった。それで結局僕の方が面倒になっちゃって黙るから、相手に誤解されて、そして離れて行ってしまった。
『また同じ景色だ……』と気付いた。
智ちゃんの背中が遠く感じた。目の前に居るのに。手を伸ばせば触れる距離なのに。でも分かっている。手を伸ばさない僕が悪いって事を……
「ふーん……そっか……」
だけど僕は智ちゃんの背中を見つめながら、思ってもいない事を口走ってしまう。
「どういう意味だよ」
智ちゃんが怖い顔をして振り返る。
「どうって……」
僕はまた涙を流しながら黙ってしまった。
「終わらせたいのか?」
智ちゃんの言葉に、絶望を感じながらも返事が出来ない僕。
「帰れよ……」
感情のない智ちゃんの声。いつも心地の良い優しい彼のイケボが、機械的に聞こえてしまって僕はハッとした。
僕はまた失おうとしている。大切な人を。一人は嫌なのに、自ら手放そうとしていた。
「……てないで……」
振り絞って僕は言う。
「何……聞こえないんだよ」
智ちゃんが怒って僕の肩を掴んで起こした。
「す……ない……お願い……」
僕はやっぱり振り絞っても声が出なくて……
「役者のくせに、発声も儘ならないのか」と智ちゃんに怒られて、
「僕を捨てないで!置いていかないで!」
僕は頑張って叫んだんだ……
「置いていかないで……って……」
智ちゃんはやっぱり困惑した様子で、僕の言った事が理解出来なかったからか、とても悲しそうだった。
だから話す事にしたんだ。
僕の暗い過去を……
どうせこれで終わりの関係なら、と……
誰にも話して来なかった暗い過去。
それを智ちゃんに話したキッカケは、やっぱり喧嘩しちゃった時なんだけれども――
智ちゃんと付き合うようになっても、僕のコミュ障は相変わらずで。智ちゃんは、それに困惑するようになっていた。
「さっきまで俺にベッタリしてたくせに、俺が甘えようとすると、やんわり拒否するよな」
そんな事無い。智ちゃんに抱きしめられたり、甘えられたり、それはめちゃくちゃ嬉しい。
けど……
「俺は慣れたけどな」
「え?」
「抱きしめて、キスして、将暉の敏感な乳首弄ったり」
恥ずかしすぎて、クッションで顔を隠す僕。
「なのにさ、俺の可愛い将暉くんは、いい感じになると、ドーンと高い壁を作っちゃうから、俺最近ゲンナリしてきたかも」
智ちゃんは、結構ハッキリ伝えてくる人だ。
智ちゃんに、そんな風を言われて僕は、
「そんな!ゲンナリって……まだちょっと慣れてないだけだし。智ちゃん、サラッと酷いこと言うのやめてよ」って言わなくてもいい事を、また言ってしまう僕。
「言ってやらないと、お前に伝わらないと思って」
「でも言っていい事と悪い事ってあるじゃん」
「していい事と悪い事もあるだろ」
関係が近くなればなるほど、僕は壁を作ってしまう、というか……
一応、理由はちゃんとある訳で……
「なぁ、将暉。俺たちは他のカップルよりも、超えないといけない事が多いのかな?同性ってだけじゃなくてさ。一緒に居ても居心地悪いなら、付き合う意味が無いと思うんだ」
「……めて……」
クッション越しに僕が言う。
「聞こえない」
智ちゃんがクッションを無理やり僕から取り上げる。
「止めてって言ってるんだよ」
で、また泣き出しちゃう僕。
「……将暉……お前を知ろうとすればする程、凄く遠く感じるんだよ……」
智ちゃんの言葉に、余計涙が止まらなくなってしまう。
今まで付き合ってきた元カノ達にも、同じような事を言われた。もちろん泣いた事はないけど……
『本当に私の事好きなの?』
『セックスしたら終わり?』
『私と居るの、つまんなそう』
『いつも何考えてんのか分からない』
本当は伝えたい想いが沢山あった。普通の恋愛をしたかった。普通に人を愛したかった。愛されたかった。けれども僕は、どうしていいのか分からなかった。それで結局僕の方が面倒になっちゃって黙るから、相手に誤解されて、そして離れて行ってしまった。
『また同じ景色だ……』と気付いた。
智ちゃんの背中が遠く感じた。目の前に居るのに。手を伸ばせば触れる距離なのに。でも分かっている。手を伸ばさない僕が悪いって事を……
「ふーん……そっか……」
だけど僕は智ちゃんの背中を見つめながら、思ってもいない事を口走ってしまう。
「どういう意味だよ」
智ちゃんが怖い顔をして振り返る。
「どうって……」
僕はまた涙を流しながら黙ってしまった。
「終わらせたいのか?」
智ちゃんの言葉に、絶望を感じながらも返事が出来ない僕。
「帰れよ……」
感情のない智ちゃんの声。いつも心地の良い優しい彼のイケボが、機械的に聞こえてしまって僕はハッとした。
僕はまた失おうとしている。大切な人を。一人は嫌なのに、自ら手放そうとしていた。
「……てないで……」
振り絞って僕は言う。
「何……聞こえないんだよ」
智ちゃんが怒って僕の肩を掴んで起こした。
「す……ない……お願い……」
僕はやっぱり振り絞っても声が出なくて……
「役者のくせに、発声も儘ならないのか」と智ちゃんに怒られて、
「僕を捨てないで!置いていかないで!」
僕は頑張って叫んだんだ……
「置いていかないで……って……」
智ちゃんはやっぱり困惑した様子で、僕の言った事が理解出来なかったからか、とても悲しそうだった。
だから話す事にしたんだ。
僕の暗い過去を……
どうせこれで終わりの関係なら、と……
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