10コ上のイケボと付き合ってます

マカリ

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同棲編 4

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 どんなにラブラブなカップルだって、喧嘩もするし、悲しい現実が起こる事もあるし、別れを迎える事もあるだろう。
 僕も今までの恋愛は全く上手くいかなかった。僕のせいなのもあったけど、何か問題にぶつかった時、互いに解決しようと向き合わなかった事が原因だったと思う。
 智ちゃんと僕は互いに誠実でいたいと思っている。二人でそう話し合っていた。喧嘩をしても、だからって口をきかないなんて事はしないで、話し合おうと約束していた。
 だから、僕たちは互いを信頼していた。
 深く愛し合っていた。
 でも、僕たちだって完璧なカップルでは無い。どうしても受け止めきれない事だってある。
 相手を思いやる余りに、逆に心がすれ違ってしまう事もある。

 ◇◆◇◆

 最近、声優も顔出し当たり前。メディア露出当たり前の時代。
 だから智ちゃんも、必然的にメディア露出がだんだん増えていた。だから、イケボでイケおじの智ちゃんは、今まで以上にテレビやイベントに大忙しだった。
 そして、マスコミの関心は智ちゃんのプライベートにも入り込んできた。

 ある日の通院時、その日も智ちゃんが付き添ってくれて、僕にとってはいつもの日常だった。
 でも……
「将暉、あのさ……」と、運転しながら智ちゃんが僕に話しかけてきた。
「どうしたの?」
 僕は智ちゃんの太腿を触る。
「うん……」
 なかなか話し始めない智ちゃん。
 何かがいつもと違うと感じた僕は、智ちゃんの横顔をじっと見つめた。
「将暉……明日の週刊誌に俺の事が載る」
「週刊誌?僕たち撮られた?僕、何も聞いてないよ。佐々木からも何も言われてないよ……ちょっと佐々木に連絡してみる」
「違う……」
「え?何が?」
「俺たちの事じゃない」
「……どういう事……」
「俺と……元嫁の事が載る」
 そう言われて僕は思考が停止してしまった。元嫁……智ちゃんがバツイチなのは勿論知っている。でも、深く聞いた事は無かったし、僕も知ろうとしなかった。だって知る必要が無いと思っていたから。
 僕が黙っていると、
「俺、引っ越してからもマンション退去してないんだ。ごめん……」と、智ちゃんが言った。
 意味が分からなかった。ただ『何故?どうして?』が頭の中でグルグルしていた。
「将暉にちゃんと話さないと、ってずっと思ってて、ずるずる今まで来ちゃったんだ……」

『待って……何言ってるんだ……智ちゃんは僕に何を言い訳してるんだ……』

「俺さ……月に一度、元嫁と会ってるんだよ……」

『え?……何で……止めて……』

「将暉に……何も教えてなくて、本当に悪いと思ってる」

『止めろ……』

「俺、どうしても言い出せなくて……何からどう説明していいか分からなかったから……ごめん」

『黙れって……』

「あのマンションも、色々忘れられない場所でさ……」

『口を閉じろ……』

「お前にもっと早く知っておいて貰うべきだった……」

「止めろ!」
 僕は怒鳴って運転している智ちゃんの腕を掴んだ。
 智ちゃんは咄嗟にブレーキを踏んで路肩に車を停めた。
「将暉……」
「うるさい!」
 僕は車を降りようとする。
「ちゃんと聞いて欲しい。このタイミングで話すべきじゃなかったのも分かってる。でも週刊誌が発売するまで、もう時間がないから……」
「黙れって言ってるだろ!」
 引き留める智ちゃんを振り切って僕は車を降りた。そして、丁度空車のタクシーが向かってきたので両手を降って止めて乗り込んでしまった。
 智ちゃんを置き去りにして……
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