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第一章 全日本魔法剣技大会
第7話 vs日本最強 ①
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「それでは開始します!全日本高校魔法剣技大会、その初戦です!」
実況の琴原ことはらの声が響く。
「選手入場です!まずは東コーナー!日本最強の高校生との呼び声も高いこの選手です!クライスト=メルカリウス!!」
そう琴原が叫ぶと、場内が揺れるほどの大歓声とともに、一級品であろう槍を持った金髪美少年と、その応援担当である乃木坂45が入場してきた。
「スカルノさん、やはり親子共々物凄い人気ですね!」
「いやいや、クライストのほうが凄いですよ。それに、国民的アイドルの乃木坂さんも加わってますから、すごいですね。」
琴原とクライストの父であるスカルノの話し声も聞こえる。クライストは戦闘場に上り、応援担当の乃木坂は戦闘場の端にポンポン(玉房)を持って等間隔に広がり、立っている。
「続いては、西コーナー!今回唯一の無名選手!新条 輝!」
その琴原の言葉とともに俺も腰に刀を差した状態で入場を始めた。しかし、俺が姿を見せても全く歓声が上がらなかった。そりゃそうだ。と思っていると、ある場内の一部分から「輝ーー!!!頑張れ!」とか「頑張って!」とかの声が響いてきた。
見てみると、場所は遠いが錬達、桜ケ丘高校の全校生徒が俺の名前がはいったタオルとか、うちわとかを掲げているのが見えた。
俺はそっちの方向に手を掲げて振る動作をして、感謝の気持ちを言葉なしで伝えた。
そして、そのあとに日向坂が入場する。こちらの歓声はもちろんクライスト達には及ばずとも、俺の歓声の後だとかなり大きく聞こえるものだった。
「新条さんには良き友達がいるみたいですね!」
「そうですね。この大人数の中、声を上げるのはたいしたものです。」
そう言われているのを聞き流しながら、俺は戦闘場に上り、眼前の敵を見つめた。
「はじめまして、新条くん。私はクライストだ。よろしく。」
そうクライストが言ってくる。俺たちの周りには不可視の小型結晶が飛んでるみたいで、選手の声を、場内のスピーカーをつなげて流しているため、その声ははっきり聞こえた。
「よろしくお願いします。僕は新条 輝です。正々堂々と、手加減なしでお願いします。」
俺はそう言う。会場内の「お前が言うな」オーラをひしひしと感じた。
「ああ、もちろん。手を抜くのは相手に対する侮辱だからね。君が例え、無名の選手であっても私が加減をすることはないよ。」
「そう言ってもらえてありがたいです。それでは、始めましょう。」
そう俺が言うと、
「それでは、第一試合クライスト=メルカリウスvs新条 輝の試合、開始!」
そう琴原が叫んだ。
琴原による開始の合図の直前、この大会のルールを思い起こす。
基本的に魔法行使は自由。相手を気絶させるか、戦闘不能状態に追い込む、または戦意喪失状態にすることが勝利の条件。
武器を持っている場合は、その武器が完全に壊れた時点で敗北となるため、参加者はちゃんとした武器を各自で用意する必要がある。
怪我をしても、衛術協会専門の高位治癒魔法師が治療してくれるため、心配はいらない。
という、わりと血なまぐさいものだ。治療すれば大丈夫だと言っているが、即死した場合どうなるのかについては言及されていなかった。
そもそも参加者がアルカナによって選ばれた強者達だから、そんな心配はないということかもしれない。
「それでは、第一試合クライスト=メルカリウスvs新条 輝の試合、開始!」
そして、琴原が合図をして、試合が開始した。
俺とメルカリウスは直径500mの特殊な素材で出来ているらしい円状戦闘場の端にそれぞれ立ったまま、試合が始まっても動かず、静寂だけが空気を占めていた。
こういうのは、先に動いたほうが負けだと言うが、それは技量が拮抗している場合のみの話だ。
俺は構わず戦闘場の中心へ、つまりクライストがいる方向へゆっくりと歩みを進めた。
そして、俺は、クライストとの距離が半分程度まで縮まったところで腰に差してある刀の刀身を鞘から抜き放ち、そのまま大地を大きく踏みしめ、瞬間移動ばりに早く、クライストとの距離を0に縮め、そのまま斬りつけた。
突如として凄まじい衝撃波とともに目の前に現れた俺を見て、クライストは少し驚いた表情をしたが、ここは流石は日本最強の高校生とよばれるだけあって、すぐに冷静さを取り戻し、
「黒刀か…!」
クライストはそういいながら自身の槍を振るい、俺の斬撃を止めた。
会場内に大きなどよめきが起こる。だが、そんなものは気にせずに、俺は高速で次の斬撃をした。
クライストは俺のその斬撃を今度はさらに早いスピードにのせて槍の先で俺の黒刀の切っ先を突いた。
大きな衝撃音が鳴る。
俺とクライストは、互いの生み出したその衝撃によって後方へと距離を離した。
「新条 輝…。侮ってたとは言わないが、今の数回の切り合いだけでわかる、お前は相当強いな?少なくとも、表だって活動をすれば名を挙げ、私たちの中に名を連ねてもおかしくないくらいにはなっていたはずだ。」
クライストは、たった数回で俺の力量の少しを図り取る。
「いえいえ、僕なんかまだまだですよ。」
その問答を聞いた観客は、さらにどよめいた。
実況の琴原ことはらの声が響く。
「選手入場です!まずは東コーナー!日本最強の高校生との呼び声も高いこの選手です!クライスト=メルカリウス!!」
そう琴原が叫ぶと、場内が揺れるほどの大歓声とともに、一級品であろう槍を持った金髪美少年と、その応援担当である乃木坂45が入場してきた。
「スカルノさん、やはり親子共々物凄い人気ですね!」
「いやいや、クライストのほうが凄いですよ。それに、国民的アイドルの乃木坂さんも加わってますから、すごいですね。」
琴原とクライストの父であるスカルノの話し声も聞こえる。クライストは戦闘場に上り、応援担当の乃木坂は戦闘場の端にポンポン(玉房)を持って等間隔に広がり、立っている。
「続いては、西コーナー!今回唯一の無名選手!新条 輝!」
その琴原の言葉とともに俺も腰に刀を差した状態で入場を始めた。しかし、俺が姿を見せても全く歓声が上がらなかった。そりゃそうだ。と思っていると、ある場内の一部分から「輝ーー!!!頑張れ!」とか「頑張って!」とかの声が響いてきた。
見てみると、場所は遠いが錬達、桜ケ丘高校の全校生徒が俺の名前がはいったタオルとか、うちわとかを掲げているのが見えた。
俺はそっちの方向に手を掲げて振る動作をして、感謝の気持ちを言葉なしで伝えた。
そして、そのあとに日向坂が入場する。こちらの歓声はもちろんクライスト達には及ばずとも、俺の歓声の後だとかなり大きく聞こえるものだった。
「新条さんには良き友達がいるみたいですね!」
「そうですね。この大人数の中、声を上げるのはたいしたものです。」
そう言われているのを聞き流しながら、俺は戦闘場に上り、眼前の敵を見つめた。
「はじめまして、新条くん。私はクライストだ。よろしく。」
そうクライストが言ってくる。俺たちの周りには不可視の小型結晶が飛んでるみたいで、選手の声を、場内のスピーカーをつなげて流しているため、その声ははっきり聞こえた。
「よろしくお願いします。僕は新条 輝です。正々堂々と、手加減なしでお願いします。」
俺はそう言う。会場内の「お前が言うな」オーラをひしひしと感じた。
「ああ、もちろん。手を抜くのは相手に対する侮辱だからね。君が例え、無名の選手であっても私が加減をすることはないよ。」
「そう言ってもらえてありがたいです。それでは、始めましょう。」
そう俺が言うと、
「それでは、第一試合クライスト=メルカリウスvs新条 輝の試合、開始!」
そう琴原が叫んだ。
琴原による開始の合図の直前、この大会のルールを思い起こす。
基本的に魔法行使は自由。相手を気絶させるか、戦闘不能状態に追い込む、または戦意喪失状態にすることが勝利の条件。
武器を持っている場合は、その武器が完全に壊れた時点で敗北となるため、参加者はちゃんとした武器を各自で用意する必要がある。
怪我をしても、衛術協会専門の高位治癒魔法師が治療してくれるため、心配はいらない。
という、わりと血なまぐさいものだ。治療すれば大丈夫だと言っているが、即死した場合どうなるのかについては言及されていなかった。
そもそも参加者がアルカナによって選ばれた強者達だから、そんな心配はないということかもしれない。
「それでは、第一試合クライスト=メルカリウスvs新条 輝の試合、開始!」
そして、琴原が合図をして、試合が開始した。
俺とメルカリウスは直径500mの特殊な素材で出来ているらしい円状戦闘場の端にそれぞれ立ったまま、試合が始まっても動かず、静寂だけが空気を占めていた。
こういうのは、先に動いたほうが負けだと言うが、それは技量が拮抗している場合のみの話だ。
俺は構わず戦闘場の中心へ、つまりクライストがいる方向へゆっくりと歩みを進めた。
そして、俺は、クライストとの距離が半分程度まで縮まったところで腰に差してある刀の刀身を鞘から抜き放ち、そのまま大地を大きく踏みしめ、瞬間移動ばりに早く、クライストとの距離を0に縮め、そのまま斬りつけた。
突如として凄まじい衝撃波とともに目の前に現れた俺を見て、クライストは少し驚いた表情をしたが、ここは流石は日本最強の高校生とよばれるだけあって、すぐに冷静さを取り戻し、
「黒刀か…!」
クライストはそういいながら自身の槍を振るい、俺の斬撃を止めた。
会場内に大きなどよめきが起こる。だが、そんなものは気にせずに、俺は高速で次の斬撃をした。
クライストは俺のその斬撃を今度はさらに早いスピードにのせて槍の先で俺の黒刀の切っ先を突いた。
大きな衝撃音が鳴る。
俺とクライストは、互いの生み出したその衝撃によって後方へと距離を離した。
「新条 輝…。侮ってたとは言わないが、今の数回の切り合いだけでわかる、お前は相当強いな?少なくとも、表だって活動をすれば名を挙げ、私たちの中に名を連ねてもおかしくないくらいにはなっていたはずだ。」
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