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Mafia & Killer
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「はぁ……はぁ……」
息を切らしながら走る
「……くっ、はぁ……はぁ……ッ!!」
ひたすら獣のように走る
「どこなの……私、どこにいるの……!?」
既に街の明かりからは外れ、暗闇の中を狂いそうになりながら走る
薄汚い傷だらけの服を着た、如何にも『マトモ』でない格好の少女が走っている
「助けて……誰か……ッ」
無理だろう
無理でも口走ってしまう
人間とはそういうものだ
街中ならば助けを求めることも出来たかも知れないが、きっともう叶わない
人っ気のない場所まで来てしまったということは、この暗闇の中でも解ってしまう
カップルが満足するまで愛を誓い合っても問題ないだろう
それを嘲笑うヤツはここには誰一人いない
……そう言えば、そんな恋愛もしたことはなかった
ついに人並みの青春を送ることなく人生の終わりを迎えてしまった
「……あぐ……!」
走りすぎたせいか、脇腹が痛みはじめる
「……くッ──ふ……はぁ……はぁ……!」
追われている
追われている
狂った殺人鬼に追われている
死ぬと解っていても逃げなければならない
もしかしたら死なないかもしれないから
でも、どこまで?
「───どこまで逃げても無駄だぜ、カワイイお嬢ちゃん」
「……ぁ……ああ……」
駄目だった
逃げたのに
駄目だった
忌々しい女殺人鬼は目の前にいる
やはり、どうしようもないものはどうしようもないらしい
「ようこそ魂の裁判所へ
そしてアンタの行き先は……『大地獄』だ」
「……ひッ……!」
「ひッ……じゃねェーよアホ
散々このアタシとカケッコ楽しんどいて今更弱者気取りか?
それに……その『目』は何だ?
怯えてるようには見えねーぞ」
殺人鬼はこの暗闇の中でも少女の表情をよく見ているようだ
「う……うっさい!
来るなら来なさいよ!
アンタが脅ししか出来ないハリボテの殺人鬼じゃないならね!」
「お前の方がうるせーよガキ
……ところでお前、どうも素人には見えねェんだが
どこの馬の骨だ?あ?」
「……白々しい……アンタだってアイツから頼まれて来たんでしょ!」
「は……?」
「……私が裏切って組織抜けたから……ボスが私を始末するために送り込んできた殺人鬼……
それがアンタの正体なんでしょ!?」
「……悪いが訊くぜ、脳ミソ腐ってんのか?
ワケ分かんねーこと言ってんなよお前」
「……え?」
「組織だか何だか知らねーが、アタシが人を殺すのは快楽のためなんだよ
仕事で人殺しやってるようなクソ真面目な連中と一緒にすんな、ボケ」
殺人鬼は唾を吐き捨てる
「……はぁ……なるほど、ただの変態か」
少女は強気な姿勢を崩さず、殺人鬼を変態扱いしてのける
「誰が変態だてめーッ!!」
「……良いわ、もう話すから……私はフレイラ
とあるマフィアのメンバーをやってたわ
アンタの言う通り……素人じゃない
殴り合いでは一度も負けたことないもの
でもある日、親友を拐って富豪に売りつけるよう命令された
私は親友を売ることが出来ずにマフィアを抜け出し、そして今や追われる身というワケ」
「……へぇ、ふぅん」
「何、感動して咽び泣きそうって?
でもどうせ、泣きながら殺すんでしょ?」
「だーれがそんなクソ話で泣くかよ、全米と神が鼻で笑うレベルだぜ
だが喜べ、お前……そんな強いんだったら協力させてやるよ」
「え……は……?
何を協力しろって?」
「決まってんだろ、殺人鬼ってのは殺しに始まり殺しに終わるんだ」
つまり『殺し』の協力である、
そんなのは聞き入れない方が良い
マフィアに追われている身が、こんな衝動的に人を殺しそうなヤツと一緒にいるのは危険だ
だが───
少なくともここで臓物をブチ撒けて死ぬよりは希望のある選択かも知れない
「へへ、YesもNoもありゃしねーよワンコロ
ご主人様の手首噛んじまうようなワルいヤツはアタシがこっぴどく調教するしかねーだろ!
良いか、アタシの名はキャシィだ!
これからはキャシィ様と呼べクソ畜生が!」
「……キャシィって……!」
知る人ぞ知る、都市伝説
『殺人鬼キャシィ』
まさか実在していたというのか
それともただ名乗っているだけか
どちらにせよ、ただ事ではない
「安心しろや、まずはてめーの言うそのマフィアとやらをブチ壊してからゆっくり手伝ってもらうからよォ!」
キャシィは笑いながらフレイラを引き摺る
当然だが、フレイラは滅茶苦茶抵抗する
「イヤアアアア!死ぬよりイヤアアアア!タスケテ誰か───ッ!」
「シッ、うるせーぞバカ!
追われてるヤツがでけぇ声出してんじゃねー!」
こうして半強制的に、殺人鬼と元マフィア……最悪のアウトローコンビが結成された
息を切らしながら走る
「……くっ、はぁ……はぁ……ッ!!」
ひたすら獣のように走る
「どこなの……私、どこにいるの……!?」
既に街の明かりからは外れ、暗闇の中を狂いそうになりながら走る
薄汚い傷だらけの服を着た、如何にも『マトモ』でない格好の少女が走っている
「助けて……誰か……ッ」
無理だろう
無理でも口走ってしまう
人間とはそういうものだ
街中ならば助けを求めることも出来たかも知れないが、きっともう叶わない
人っ気のない場所まで来てしまったということは、この暗闇の中でも解ってしまう
カップルが満足するまで愛を誓い合っても問題ないだろう
それを嘲笑うヤツはここには誰一人いない
……そう言えば、そんな恋愛もしたことはなかった
ついに人並みの青春を送ることなく人生の終わりを迎えてしまった
「……あぐ……!」
走りすぎたせいか、脇腹が痛みはじめる
「……くッ──ふ……はぁ……はぁ……!」
追われている
追われている
狂った殺人鬼に追われている
死ぬと解っていても逃げなければならない
もしかしたら死なないかもしれないから
でも、どこまで?
「───どこまで逃げても無駄だぜ、カワイイお嬢ちゃん」
「……ぁ……ああ……」
駄目だった
逃げたのに
駄目だった
忌々しい女殺人鬼は目の前にいる
やはり、どうしようもないものはどうしようもないらしい
「ようこそ魂の裁判所へ
そしてアンタの行き先は……『大地獄』だ」
「……ひッ……!」
「ひッ……じゃねェーよアホ
散々このアタシとカケッコ楽しんどいて今更弱者気取りか?
それに……その『目』は何だ?
怯えてるようには見えねーぞ」
殺人鬼はこの暗闇の中でも少女の表情をよく見ているようだ
「う……うっさい!
来るなら来なさいよ!
アンタが脅ししか出来ないハリボテの殺人鬼じゃないならね!」
「お前の方がうるせーよガキ
……ところでお前、どうも素人には見えねェんだが
どこの馬の骨だ?あ?」
「……白々しい……アンタだってアイツから頼まれて来たんでしょ!」
「は……?」
「……私が裏切って組織抜けたから……ボスが私を始末するために送り込んできた殺人鬼……
それがアンタの正体なんでしょ!?」
「……悪いが訊くぜ、脳ミソ腐ってんのか?
ワケ分かんねーこと言ってんなよお前」
「……え?」
「組織だか何だか知らねーが、アタシが人を殺すのは快楽のためなんだよ
仕事で人殺しやってるようなクソ真面目な連中と一緒にすんな、ボケ」
殺人鬼は唾を吐き捨てる
「……はぁ……なるほど、ただの変態か」
少女は強気な姿勢を崩さず、殺人鬼を変態扱いしてのける
「誰が変態だてめーッ!!」
「……良いわ、もう話すから……私はフレイラ
とあるマフィアのメンバーをやってたわ
アンタの言う通り……素人じゃない
殴り合いでは一度も負けたことないもの
でもある日、親友を拐って富豪に売りつけるよう命令された
私は親友を売ることが出来ずにマフィアを抜け出し、そして今や追われる身というワケ」
「……へぇ、ふぅん」
「何、感動して咽び泣きそうって?
でもどうせ、泣きながら殺すんでしょ?」
「だーれがそんなクソ話で泣くかよ、全米と神が鼻で笑うレベルだぜ
だが喜べ、お前……そんな強いんだったら協力させてやるよ」
「え……は……?
何を協力しろって?」
「決まってんだろ、殺人鬼ってのは殺しに始まり殺しに終わるんだ」
つまり『殺し』の協力である、
そんなのは聞き入れない方が良い
マフィアに追われている身が、こんな衝動的に人を殺しそうなヤツと一緒にいるのは危険だ
だが───
少なくともここで臓物をブチ撒けて死ぬよりは希望のある選択かも知れない
「へへ、YesもNoもありゃしねーよワンコロ
ご主人様の手首噛んじまうようなワルいヤツはアタシがこっぴどく調教するしかねーだろ!
良いか、アタシの名はキャシィだ!
これからはキャシィ様と呼べクソ畜生が!」
「……キャシィって……!」
知る人ぞ知る、都市伝説
『殺人鬼キャシィ』
まさか実在していたというのか
それともただ名乗っているだけか
どちらにせよ、ただ事ではない
「安心しろや、まずはてめーの言うそのマフィアとやらをブチ壊してからゆっくり手伝ってもらうからよォ!」
キャシィは笑いながらフレイラを引き摺る
当然だが、フレイラは滅茶苦茶抵抗する
「イヤアアアア!死ぬよりイヤアアアア!タスケテ誰か───ッ!」
「シッ、うるせーぞバカ!
追われてるヤツがでけぇ声出してんじゃねー!」
こうして半強制的に、殺人鬼と元マフィア……最悪のアウトローコンビが結成された
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