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琴人の第一章 曲がって育った木は、真っ直ぐには育たない
航海士がいない舟
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「んん...」
「頭が痛い」
「うるさいな」
この音はーーー
「ピシ‼︎‼︎」
「きゃぁぁ!」
手の甲に鋭い痛みが、走る
「っん!」
「また、音がずれたわよ!これで何回目なの?」
「ごめんなさい、お母さん...」
◆◆◆琴人の章◆◆◆
私は、小鳥遊 琴人(たかなしことり) 5歳
今、私はピアノのお稽古をしている。
でも、毎日失敗してしまう。
「ピシ‼︎」
「いたい!」
いつもこんな感じだ。
お母さんは昔、ピアニストを目指していたみたいだけど、祖母から、強引にお見合いで結婚させられたらしい。
お父さんは...
分からない。
会ったことがないから、顔もわからない。
「ねぇ!なんでアンタは何回も、何回も何回も何回も!」
「ピシ!」
「いた‼︎」
また鞭が私の手を痛めつける
その、何回も打たれた手の甲からは血が滲み出ていた。
「今日はもういいわ」
そう言ってお母さんは、救急箱を取り出して、私の手を手当てしてくれた。
お母さんはピアノのお稽古の時だけ人が変わったみたいに、怖い人になる。
でも、お稽古が終わると、いつもの優しいお母さんになる。
「ごめんなさいね、琴人、これはあなたのためなのよ!」
「わたしのため?」
「そうよ、あなたにはピアニストになって、お母さんの無念を晴らして欲しいの!」
「むねん?」
5歳児には、難しくてよくわからない言葉だった
「うん!わかった!」
私は何もわからない状態で、頷く
だって、《嫌って言ったらまた、叩かれちゃうから》
私は幼稚園に行ったことがない
毎日毎日、お家でピアノのお稽古
外で遊んでいる、私と同じくらいの人たちを眺めて、ふとつぶやく
(わたしも、遊びたい)
お母さんが、後ろで聞いていた!
「琴人、お外で遊びたいの?」
お母さんが尋ねる
「うん!」
私は即答した
お母さんがお外に連れ出してくれると思ったから
返ってきた言葉は...
「まぁ琴人‼︎あなたも私を裏切るの‼︎」
《お母さんが怒った》
「え?」
わたしは、どうしたらいいかわからない。
お母さんが私の手を強引に引っ張った。
「いたい!いたいよ!お母さん」
握られた手には包帯が巻かれている
家の床が開いた 地下への階段が見える
「なにこれ?」
「あなたが、反省するまでここにいてもらうわ!」
「私を裏切った罰としてそこでピアノのお稽古ををしなさい!」
階段の先には、ピアノが1つと、ろうそくが1つ、あとは換気扇の音がするだけ
《それ以外は、何もない》
「いやだ...いやだ!こんな暗いところにいたくないよ!」
お母さんがわたしの顔を睨みつけて話す
「今日、ご飯抜きだから」
「琴人が悪いんだから。私の言うこと黙って聞いていれば良かったのよ。」
そう言うと、お母さんは、わたしを投げてその地下の部屋を(牢獄を)後にする。
「頭が痛い」
「うるさいな」
この音はーーー
「ピシ‼︎‼︎」
「きゃぁぁ!」
手の甲に鋭い痛みが、走る
「っん!」
「また、音がずれたわよ!これで何回目なの?」
「ごめんなさい、お母さん...」
◆◆◆琴人の章◆◆◆
私は、小鳥遊 琴人(たかなしことり) 5歳
今、私はピアノのお稽古をしている。
でも、毎日失敗してしまう。
「ピシ‼︎」
「いたい!」
いつもこんな感じだ。
お母さんは昔、ピアニストを目指していたみたいだけど、祖母から、強引にお見合いで結婚させられたらしい。
お父さんは...
分からない。
会ったことがないから、顔もわからない。
「ねぇ!なんでアンタは何回も、何回も何回も何回も!」
「ピシ!」
「いた‼︎」
また鞭が私の手を痛めつける
その、何回も打たれた手の甲からは血が滲み出ていた。
「今日はもういいわ」
そう言ってお母さんは、救急箱を取り出して、私の手を手当てしてくれた。
お母さんはピアノのお稽古の時だけ人が変わったみたいに、怖い人になる。
でも、お稽古が終わると、いつもの優しいお母さんになる。
「ごめんなさいね、琴人、これはあなたのためなのよ!」
「わたしのため?」
「そうよ、あなたにはピアニストになって、お母さんの無念を晴らして欲しいの!」
「むねん?」
5歳児には、難しくてよくわからない言葉だった
「うん!わかった!」
私は何もわからない状態で、頷く
だって、《嫌って言ったらまた、叩かれちゃうから》
私は幼稚園に行ったことがない
毎日毎日、お家でピアノのお稽古
外で遊んでいる、私と同じくらいの人たちを眺めて、ふとつぶやく
(わたしも、遊びたい)
お母さんが、後ろで聞いていた!
「琴人、お外で遊びたいの?」
お母さんが尋ねる
「うん!」
私は即答した
お母さんがお外に連れ出してくれると思ったから
返ってきた言葉は...
「まぁ琴人‼︎あなたも私を裏切るの‼︎」
《お母さんが怒った》
「え?」
わたしは、どうしたらいいかわからない。
お母さんが私の手を強引に引っ張った。
「いたい!いたいよ!お母さん」
握られた手には包帯が巻かれている
家の床が開いた 地下への階段が見える
「なにこれ?」
「あなたが、反省するまでここにいてもらうわ!」
「私を裏切った罰としてそこでピアノのお稽古ををしなさい!」
階段の先には、ピアノが1つと、ろうそくが1つ、あとは換気扇の音がするだけ
《それ以外は、何もない》
「いやだ...いやだ!こんな暗いところにいたくないよ!」
お母さんがわたしの顔を睨みつけて話す
「今日、ご飯抜きだから」
「琴人が悪いんだから。私の言うこと黙って聞いていれば良かったのよ。」
そう言うと、お母さんは、わたしを投げてその地下の部屋を(牢獄を)後にする。
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