〜トラウマを乗り越え進化する〜出来損ない人間

雷川 ヤスケ

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宗善の第二章 年寄りの経験と知識は過去の遺物

生き恥を晒す、出来損ない人間

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「は!!!!」

僕は、生きていた

《自殺失敗だ》

「なんで、なんで、生きているんだ?」

僕はしばらく思考停止になっていた

そして、

「嫌だ、嫌だ!生きたくない!
死にたい!死にたい!死にたい!」

もう一度階段の手すりに登る、

「そうだ、今度はジャンプしよう!
少しでも高いところから落ちよう!」

もう一度、もう一度落ちれば……




僕は、僕の身体は震えていた、

僕は、身体を引っ込めた……………

なんで飛べないんだろ?

そうか!

知ってしまったんだ

《死んでしまう恐怖を》

僕の頭の中がぐちゃぐちゃになる音が

聞こえた……………






「あ"ぁーーーーーーーーーーーーー!!」



「ハハハハハハハハハハハハハハ!!!」



なんて、なんて愚かな生き物なんだろうか

取り柄がない!家庭環境がクソだ!
頭が悪すぎて勉強できない!
言葉を話せない!友達がいない!
顔もブサイクだ!体もデブだ!

なんだこれ!、なんだよこれぇぇぇ!!



《真田宗善が壊れた》

母が家に帰ってくる

(どうせ、また殴られるぜ!
適当な難癖つけてきて!)

母が僕を殴る

(ほら、やっぱりな!
俺の考えていることは全て当たる!)

学校へ行く

(どうせ、また先生が俺を怒鳴るぜ!)

朝礼で、体育館の舞台に立たされて
怒鳴られる

(ほらな!だから言ったんだ!俺が言うことはぜーーーーたい!外れない!)

テスト用紙が配られる

(どうせ、このテストも全科目学年以下、
いや、全学年以下だ!

いや、《全世界以下だ》)

壊れろ!壊れろ!壊れろ!

「何もかも、壊れちまえぇぇぇ!!」



……………………………………

何やってんだ?俺は?

なんで?いや、
もうなんでって思うのは辞めにしよう

もう、なんでもいいや…………

いつの間にか、
学校へ行かないのが当たり前の日常になっていた

ある日母が俺を、連れ出す

そうか、俺もう、捨てられるのか……

なんて思っていて目的地に着く

そこは、病院だった、精神科の

俺は誰だか知らない大人の女と遊ぶことになった。つまらない、ガラクタを触りながら


数時間後、母が俺のところに戻ってきた

精神科の先生と何やら話していたみたいだ

(まぁ俺はしらねぇ)

大人の女が俺に質問してきた、

「楽しかった?」

その問いに対し俺は、

「楽しくなかった」

そう答えた、
その人は少し寂しい顔をしていた

車の中で、俺は母にどんな内容を話していたのかを聞いた

「むねよしは病気みたいだってよ!」

「え?!」

いや、薄々気づいていた

周りの成長と俺の成長は明らかにスピードが違う、きっと周りは正常なんだ

《俺だけが異常なんだ》

「そうなんだ…」

俺は知っていたかのように答える

自分は産まれた時から《出来損ない》だと分かると、少しだけ安心していた

これが……出来損ない人間の人生だ!

《真田宗善は知的障害者なんだ》
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