1 / 1
誤算
しおりを挟む気づくと教室のような所にいた。
「あれ、俺どうしてこんな所にいるんだろう。」
確か昨日の夜、友達と酒を飲んで酔っ払って・・・
そこから後の記憶がない。
「ここは何処だ?」
小、中学生の教室のような所に一人でいる。
酔っ払って勝手に入って来てしまったんだろう。
「まあ、いいや、家に帰ろう。」
ドアに向かって歩く。ドアをスライドさせる。
「あれ、開かねー。」
思い切り引っ張ってみる。ドアはガタガタいうだけで全然開かない。
「何だ。これ。くそ。開かねー。」
何度やっても開く様子がない。他に出口を探して後ろにもう一個、ドア
があったがそこも同じように開かない。
「あれ?俺が勝手にこの教室に入って来たんなら鍵開いてるはずじゃねー?」
外が見える窓に近づきそこから外を見てみたが、地上4階の高さはあり、もしガラスを割って飛び出したら骨折では済まなそうだ。
「やべえ。どうしよう。」
ポケットに手を入れ携帯を探してみたが何処かで落としたのか見当たらない。
もし此処が教室なら誰かが来てもいいような時間である。だが人っ子一人いない。
「もしかして、ここ廃校か?」
周りをよく見ると、かなり汚れているのがわかった。
「マジかよ。どうやって俺ここからでるん。」
「もし警備員に鍵を閉められていたら又戻ってくるはず。待つしかないのか。」
ドアには窓口がない。外が見える窓に、ぶち破って飛び降りて脱出を図ろうとしたら、下手したら死ぬ高さだ。
私はドアに向かって体当たりをしてみた。ドアはガタガタとはいうが到底倒れたり吹き飛んだりする様子はない。
「誰かの悪戯じゃないよな。俺が酔っ払っている隙に・・・」
冗談にしては酷すぎる。もう脱出方法を探して3時間になる。
「くそ。誰か居ねーのか。おーい。」
窓から外に向けて声を荒げるが、窓の外は林のため人がいるのか居ないのか分らない。他の人の声はしない。
「何でこんな目にあわなくちゃ行けない。俺が何か悪い事をしたか。」
教室の中で一人喋るがシーンとするばかりである。
「くそ。腹が減った。」
だが何もない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三日後。
待てど暮らせど誰も来ない。
もう一度ドアの方へと歩きドアをスライドさせてみる。だがガタガタいうだけでやっぱり開かない。
「やっぱり開かないか・・・・・」
1時間体育座りをしてうつむきながら何かを考えている。
不意に机を持って窓のガラスを割る。そして走ったかと思ったら、そこから外へと飛び出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「着いたぞー。」
「ここが有名な心霊スポットなの?」
「そうみたい。最近も一人飛び降り自殺したんだって。」
「怖―い。何か廃校って感じ。」
「じゃあ、中に入りますか。」
夜の2時に、この場所に5人の若者がいた。
「めっちゃ、雰囲気あるじゃん。」
「ねー。もう帰ろうよ。絶対祟られるって。その死んだ人に。」
「大丈夫だって。次は4階か。ここかららしいぜ。飛び降りたの。」
「マジかよ。こえーヨ。」
「ほら、そこの教室からなんだって。その人がいた場所。」
「開けるぞ。うん。あれ?ドアが開かない。」
「マジか。呪われてるんじゃねー。」
「スライドできねー。」
「ねえ。押してみたら。ドア。」
「押して開くようには見えないけど・・・・・」
「あ、開いた。」
「ね。スライドだめなら押して見ろっていうじゃん。」
「それ、押してもだめなら引いてみろじゃねー。」
「ははっはははは」
「何だこの扉。中から開ける時は引き戸になるんだな。」
「なんちゅう作りしとんねん。」
「ハハハハ。ハハハ。」
完
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
まばたき怪談
坂本 光陽
ホラー
まばたきをしないうちに読み終えられるかも。そんな短すぎるホラー小説をまとめました。ラスト一行の恐怖。ラスト一行の地獄。ラスト一行で明かされる凄惨な事実。一話140字なので、別名「X(旧ツイッター)・ホラー」。ショートショートよりも短い「まばたき怪談」を公開します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる