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我慢比べ
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「赤猿共……まだ諦めてなかったのかよ」
「キキッ」
鳴き声と共に、赤い目が動き始める。
「根絶やしにしてやる……!」
俺は咄嗟に尻尾を出すと、襲い来る赤猿の首に尻尾を叩きつける。
「キイッ!」
一匹の赤猿が悲鳴を上げ、吹き飛んだ。
暗闇で狙われたのも、きついな。
左から襲い掛かって来るのを感じ、赤猿の攻撃を尻尾で受け止める。
その時、背後から放たれた石が俺の右脇に当たる。
「グウウ!」
骨が折れる音がした。
俺は咄嗟に右脇を押さえて、座り込む。
痛い、痛い、痛い。
けど、痛くても動かないと。
今も目の前の赤猿がこちらに拳を振るっている。
「畜生!」
俺は赤猿の首めがけて尻尾で突きを放つ。
その一撃は赤猿の首をへし折った。
すぐさま、横っ飛びをして他の赤猿から逃れる。
はっきりと数えられないけど、十匹程は居そうだ。
石が飛んできた方向の奥に、遠くからこちらを見ている目が見える。
あいつが長だ。
俺は他の猿を無視して赤猿の長目掛けて走る。
長の目が僅かに動く。
また石を投げるつもりか⁉
俺は近くの木の枝に尻尾を巻き付け、一気に枝に飛び乗る。
それと同時に、さっき居た場所に何かが当たる音がした。
やはり奴は遠くからちくちくと攻めるタイプらしい。
そうはさせるかよ!
木の枝から一気に跳んで距離を詰める。
見えた。奴が長だ。
俺は尻尾で横薙ぎを放つ。
その一撃を赤猿の長は両腕で止める。
鈍い音が奴の両腕から響くが、止められた。
だけど……。
「人は腕もあるんだよ!」
俺は槍で奴の首を狙い、突きを放つ。
だが、これも腕で掴まれる。
こいつ、握力が……強い!
赤猿の長はこちらを見て、勝ち誇ったように笑う。
「キキイッ!」
この瞬間も後ろから赤猿達が走ってきている。
「だけど、尻尾がフリーだぜ」
俺は尻尾を奴の後ろから伸ばすと、首に巻き締め付ける。
「ギイッ……」
長の首がメシメシと音を立てる。
焦った長が必死で俺の腹を叩いてくる。
痛てえ……。
「我慢比べだな、くそざる」
長は尖った石を思い切りさっき骨を折られた右脇に叩き込み、俺は血を吐く。
痛い。けど、ここで絞め殺さないと殺される!
後ろからやって来た他の赤猿の蹴りが俺の背中に叩き込まれる。
骨が軋む音がした。
呼吸が止まる。
だけど……尻尾だけは緩めない。
数秒の我慢比べの後、奴の首の骨が折れる音がした。
「キイイイイイイイ!」
動かない長を見たことで他の赤猿が悲鳴をあげ混乱し始めた。
俺は他の赤猿達を睨みつける。
しばらく顔を見合わせていた赤猿達は、そのまま散り散りになって逃げ去った。
「勝った……舐めるなよ」
乾いた笑いが出た。
「はは……惨めだ。家も焼かれ……帰る場所も失った」
なんとか今回は耐えきったけど、やっぱり無理があるな。
けど、涙を出すのは歯を食いしばって耐えた。
泣かない。悔しくなんてない。いくら燃やされても何度でも家を作ってやる。
だが、体がふらつく。
右脇は血で真っ赤に染まっていた。血を流しすぎた。
ああ……。
俺はそのまま倒れこんだ。
「キキッ」
鳴き声と共に、赤い目が動き始める。
「根絶やしにしてやる……!」
俺は咄嗟に尻尾を出すと、襲い来る赤猿の首に尻尾を叩きつける。
「キイッ!」
一匹の赤猿が悲鳴を上げ、吹き飛んだ。
暗闇で狙われたのも、きついな。
左から襲い掛かって来るのを感じ、赤猿の攻撃を尻尾で受け止める。
その時、背後から放たれた石が俺の右脇に当たる。
「グウウ!」
骨が折れる音がした。
俺は咄嗟に右脇を押さえて、座り込む。
痛い、痛い、痛い。
けど、痛くても動かないと。
今も目の前の赤猿がこちらに拳を振るっている。
「畜生!」
俺は赤猿の首めがけて尻尾で突きを放つ。
その一撃は赤猿の首をへし折った。
すぐさま、横っ飛びをして他の赤猿から逃れる。
はっきりと数えられないけど、十匹程は居そうだ。
石が飛んできた方向の奥に、遠くからこちらを見ている目が見える。
あいつが長だ。
俺は他の猿を無視して赤猿の長目掛けて走る。
長の目が僅かに動く。
また石を投げるつもりか⁉
俺は近くの木の枝に尻尾を巻き付け、一気に枝に飛び乗る。
それと同時に、さっき居た場所に何かが当たる音がした。
やはり奴は遠くからちくちくと攻めるタイプらしい。
そうはさせるかよ!
木の枝から一気に跳んで距離を詰める。
見えた。奴が長だ。
俺は尻尾で横薙ぎを放つ。
その一撃を赤猿の長は両腕で止める。
鈍い音が奴の両腕から響くが、止められた。
だけど……。
「人は腕もあるんだよ!」
俺は槍で奴の首を狙い、突きを放つ。
だが、これも腕で掴まれる。
こいつ、握力が……強い!
赤猿の長はこちらを見て、勝ち誇ったように笑う。
「キキイッ!」
この瞬間も後ろから赤猿達が走ってきている。
「だけど、尻尾がフリーだぜ」
俺は尻尾を奴の後ろから伸ばすと、首に巻き締め付ける。
「ギイッ……」
長の首がメシメシと音を立てる。
焦った長が必死で俺の腹を叩いてくる。
痛てえ……。
「我慢比べだな、くそざる」
長は尖った石を思い切りさっき骨を折られた右脇に叩き込み、俺は血を吐く。
痛い。けど、ここで絞め殺さないと殺される!
後ろからやって来た他の赤猿の蹴りが俺の背中に叩き込まれる。
骨が軋む音がした。
呼吸が止まる。
だけど……尻尾だけは緩めない。
数秒の我慢比べの後、奴の首の骨が折れる音がした。
「キイイイイイイイ!」
動かない長を見たことで他の赤猿が悲鳴をあげ混乱し始めた。
俺は他の赤猿達を睨みつける。
しばらく顔を見合わせていた赤猿達は、そのまま散り散りになって逃げ去った。
「勝った……舐めるなよ」
乾いた笑いが出た。
「はは……惨めだ。家も焼かれ……帰る場所も失った」
なんとか今回は耐えきったけど、やっぱり無理があるな。
けど、涙を出すのは歯を食いしばって耐えた。
泣かない。悔しくなんてない。いくら燃やされても何度でも家を作ってやる。
だが、体がふらつく。
右脇は血で真っ赤に染まっていた。血を流しすぎた。
ああ……。
俺はそのまま倒れこんだ。
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