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龍の息吹
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翌日。
あれからは獣化に関する修行が増えた。
「全身獣化ができるのなら、他の部分獣化もできるはずだ。勿論大事な戦いでは全身獣化で戦うことになるだろう。だが、部分獣化を覚えることは戦略に幅を持たせる」
師匠の言葉に従って、今俺は手だけを獣化している。
龍の爪。
自分の小さな体には不釣り合いな、大きな龍の手になっている。
この姿になると、人とは思えない程凄まじい力を感じる。
顔だけ獣化すると、人間の体に龍の顔という不格好な姿になる。
初めてした時は師匠に爆笑されてしまった。
自分がしろ、って言った癖に。
真面目に話しているが、今でも俺が顔だけ獣化すると顔を逸らす。
絶対に笑ってしまうからだよ……。
不格好とはいえ、龍の牙は大きな武器だった。
なにより顎の力が凄まじい。
龍の息吹も強い。
そして翼。
これが一番日常では便利かもしれない。
翼での移動は、速度が格段に上がる。
俺は翼を生やして、飛ぶ練習を行う。
速く、そして自由に動けるように。
確実に強くはなっている。
だけど、それでもあの風龍に勝てる想像ができなかった。
あの龍鱗を、俺の攻撃は貫くことができるのだろうか?
自分で考えていても分からないので、師匠に尋ねることにした。
「攻撃力を上げたい? 風龍の龍鱗を貫けるほどに?」
俺の言葉を聞き、師匠は考えるそぶりを見せる。
「う~ん、難しい。実際あらゆる素材の中でも最も強固と言われるのが龍鱗だからな。だが、無理ではない。歴史上ではドラゴンに勝ったドラゴンスレイヤーが居るからな。その点、お前は有利だ。なんと言ってもお前はその龍人族の血を引いているのだからな。ただ鍛えるだけで、殆ど人間より威力があがるだろう」
「ですが、今すぐ上げたいんです」
「欲張りな奴だな。現実問題、すぐに上げることは不可能だ。まずは霊気量を上げろ。まずはなによりも霊気量。霊術を鍛え、そして霊胞を喰らうのが一番の近道だ」
「はーい」
強さに近道はない、か。
けどこの間、ベルクマンモスと戦った時、尻尾だけを巨大化させた。
あれによって威力は格段に上がった。
全身を巨大化させる必要はない。
必要時に、部分的に巨大化すればその攻撃はきっと風龍にも届くはずだ。
焦るな。
少しずつ、着実に、成長していくんだ。
「心に灯火を、剣に魂を」
俺は師匠の言葉を今一度思い出しながら、剣を振るう。
霊気操作もより精度を上げるよう、一から鍛え直す。
持つ霊気を百パーセント活かせるかどうかは霊気操作にかかっている。
霊気を無駄にせず、百パーセント力に変える。
霊気を変化させることによって、同じ霊気量でも威力を上げることもできる。
俺はまだ師匠に比べると、霊気操作が甘い。
俺はそれから毎日森に潜り、霊獣を狩った。
あれからは獣化に関する修行が増えた。
「全身獣化ができるのなら、他の部分獣化もできるはずだ。勿論大事な戦いでは全身獣化で戦うことになるだろう。だが、部分獣化を覚えることは戦略に幅を持たせる」
師匠の言葉に従って、今俺は手だけを獣化している。
龍の爪。
自分の小さな体には不釣り合いな、大きな龍の手になっている。
この姿になると、人とは思えない程凄まじい力を感じる。
顔だけ獣化すると、人間の体に龍の顔という不格好な姿になる。
初めてした時は師匠に爆笑されてしまった。
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不格好とはいえ、龍の牙は大きな武器だった。
なにより顎の力が凄まじい。
龍の息吹も強い。
そして翼。
これが一番日常では便利かもしれない。
翼での移動は、速度が格段に上がる。
俺は翼を生やして、飛ぶ練習を行う。
速く、そして自由に動けるように。
確実に強くはなっている。
だけど、それでもあの風龍に勝てる想像ができなかった。
あの龍鱗を、俺の攻撃は貫くことができるのだろうか?
自分で考えていても分からないので、師匠に尋ねることにした。
「攻撃力を上げたい? 風龍の龍鱗を貫けるほどに?」
俺の言葉を聞き、師匠は考えるそぶりを見せる。
「う~ん、難しい。実際あらゆる素材の中でも最も強固と言われるのが龍鱗だからな。だが、無理ではない。歴史上ではドラゴンに勝ったドラゴンスレイヤーが居るからな。その点、お前は有利だ。なんと言ってもお前はその龍人族の血を引いているのだからな。ただ鍛えるだけで、殆ど人間より威力があがるだろう」
「ですが、今すぐ上げたいんです」
「欲張りな奴だな。現実問題、すぐに上げることは不可能だ。まずは霊気量を上げろ。まずはなによりも霊気量。霊術を鍛え、そして霊胞を喰らうのが一番の近道だ」
「はーい」
強さに近道はない、か。
けどこの間、ベルクマンモスと戦った時、尻尾だけを巨大化させた。
あれによって威力は格段に上がった。
全身を巨大化させる必要はない。
必要時に、部分的に巨大化すればその攻撃はきっと風龍にも届くはずだ。
焦るな。
少しずつ、着実に、成長していくんだ。
「心に灯火を、剣に魂を」
俺は師匠の言葉を今一度思い出しながら、剣を振るう。
霊気操作もより精度を上げるよう、一から鍛え直す。
持つ霊気を百パーセント活かせるかどうかは霊気操作にかかっている。
霊気を無駄にせず、百パーセント力に変える。
霊気を変化させることによって、同じ霊気量でも威力を上げることもできる。
俺はまだ師匠に比べると、霊気操作が甘い。
俺はそれから毎日森に潜り、霊獣を狩った。
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