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2人きりの旅
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「聖女様……おっ、お気をつけて……うっ、ぶっ無事にがえっでぐるのを……おまぢじでまずぅぅっ」
シシラはもう後半何を言っているのか分からない程の涙声で送り出す。自分のハンカチでは涙がぬぐえないほどの泣きっぷりに、隣に並ぶコードが自分のを差し出した程だ。
「心配ありません。聖女様は、この10年で私が知る全ての知識と技術を身につけていらっしゃいます。それに、過酷な山ごもりにも積極的に参加されるほどの頼もしさがあります。過去の聖女様と比べても、これほどの方はいらっしゃいません」
「コード……様……そうですわよね。聖女様ほどの聖女様はいらっしゃらないですよね」
「はい、自信をもって大丈夫だと言えます」
「ハンカチ……お借りしますわ……」
修行中は聖水や教会ごもりで潰れている私を見てあんなにコードのこと批判していたっていうのに。
人間ってやっぱり分からないわね。魔族なら好き嫌いがハッキリしているし、嫌いな相手に好感を持つなんてありえないわ。
「出発の日に陛下と王妃様が見送りできず残念でございます」
コードは元々シシラの態度はあまり気にしていなかったのか、おそらく初めて非公式の場で目を合わせたシシラの態度に特に驚きもしていないようだ。
「仕方ないわ。聖女と勇者が同じ国から出るなんて異例なんでしょう?」
本来、勇者や聖女が出た国は加護の力で祝福される。その見返りに、王家は世代で受け継がれる特殊な力を使って道中の護りを願うのだ。だが、既に王は先の闘いで全ての力を使い切ってしまっており、後継者もいない状態だ。
「王家の力を使うべき娘の私がなぜかその力を受け継がれなかったものね」
勇者一行に何も出来ないで加護されることに、おそらく王として会わせる顔がないのだろう。
「それは違います!! 王族であるリア様が聖女であることが異例なのは確かですが……すべての王族に継承の力が出るわけではありませんし……」
シシラはそれ以上の言葉が出ないようだ。継承の力が受け継がれない前例はある。だが、どれも王としての器がない愚かな子孫ばかりだからだろう。
まぁ、魂が魔族これだもの、当然よね。
「リアは……聖女様として既に多くの民に慕われている。それに、直系にだけ受け継がれるものでもないだろう。陛下には年の離れた兄弟もいらっしゃるし、もしその子ども達の誰かが継承の力を継ぐのであれば、他の子どもには出ないのは当然だ」
「よく知っているのね?」
「一応、俺も公爵だからな。王家の事情は書いている」
なぜか少し顔を赤らめるオリバーだが、フォローしているつもりなのだろう。別に継承の力がないことに落ち込んでいるわけではないんだけどね。
「私もそう思います。リア様は聖女様として神から祝福されたのですから、継承の力など必要ありません」
「そうですわ!! 陛下もご立派ですが、聖女様もご立派でございます!!!!」
「そんな大きな声で言わなくても……」
「陛下達は、教会で娘の道中の無事を願っているのだろう……もし、俺ならそうする」
「そう……かしら」
もう魔力のない人間が祈ったって何の力も起こらないはずなのに。
「それにしても、私たち2人だけのお見送りなのは……」
本来であれば大勢の隊を組んでの大規模な送り出しになる魔王討伐の旅だが、今回は私の意向で2人での旅立ちになったのだ。
本当は1人の方が良かったんだけど……
横目で見るとオリバーとすぐに目が合う。
「っ!!」
「陛下には昨夜伝えたが……俺が命をかけて守りますから」
肩をつかみ、引き寄せられる。
「まぁ……お見送りできない陛下の気持ちが分かった気がしますわ」
「教会で祈っているのだろう?」
「そうですが……あとで説明しますわ」
シシラが少しため息をついているが、私にも今のは分からない。
「教会で私たちの無事を祈っているのでしょう?」
「聖女様まで……これは……オリバー様も大変な旅になりますわね」
シシラはもう後半何を言っているのか分からない程の涙声で送り出す。自分のハンカチでは涙がぬぐえないほどの泣きっぷりに、隣に並ぶコードが自分のを差し出した程だ。
「心配ありません。聖女様は、この10年で私が知る全ての知識と技術を身につけていらっしゃいます。それに、過酷な山ごもりにも積極的に参加されるほどの頼もしさがあります。過去の聖女様と比べても、これほどの方はいらっしゃいません」
「コード……様……そうですわよね。聖女様ほどの聖女様はいらっしゃらないですよね」
「はい、自信をもって大丈夫だと言えます」
「ハンカチ……お借りしますわ……」
修行中は聖水や教会ごもりで潰れている私を見てあんなにコードのこと批判していたっていうのに。
人間ってやっぱり分からないわね。魔族なら好き嫌いがハッキリしているし、嫌いな相手に好感を持つなんてありえないわ。
「出発の日に陛下と王妃様が見送りできず残念でございます」
コードは元々シシラの態度はあまり気にしていなかったのか、おそらく初めて非公式の場で目を合わせたシシラの態度に特に驚きもしていないようだ。
「仕方ないわ。聖女と勇者が同じ国から出るなんて異例なんでしょう?」
本来、勇者や聖女が出た国は加護の力で祝福される。その見返りに、王家は世代で受け継がれる特殊な力を使って道中の護りを願うのだ。だが、既に王は先の闘いで全ての力を使い切ってしまっており、後継者もいない状態だ。
「王家の力を使うべき娘の私がなぜかその力を受け継がれなかったものね」
勇者一行に何も出来ないで加護されることに、おそらく王として会わせる顔がないのだろう。
「それは違います!! 王族であるリア様が聖女であることが異例なのは確かですが……すべての王族に継承の力が出るわけではありませんし……」
シシラはそれ以上の言葉が出ないようだ。継承の力が受け継がれない前例はある。だが、どれも王としての器がない愚かな子孫ばかりだからだろう。
まぁ、魂が魔族これだもの、当然よね。
「リアは……聖女様として既に多くの民に慕われている。それに、直系にだけ受け継がれるものでもないだろう。陛下には年の離れた兄弟もいらっしゃるし、もしその子ども達の誰かが継承の力を継ぐのであれば、他の子どもには出ないのは当然だ」
「よく知っているのね?」
「一応、俺も公爵だからな。王家の事情は書いている」
なぜか少し顔を赤らめるオリバーだが、フォローしているつもりなのだろう。別に継承の力がないことに落ち込んでいるわけではないんだけどね。
「私もそう思います。リア様は聖女様として神から祝福されたのですから、継承の力など必要ありません」
「そうですわ!! 陛下もご立派ですが、聖女様もご立派でございます!!!!」
「そんな大きな声で言わなくても……」
「陛下達は、教会で娘の道中の無事を願っているのだろう……もし、俺ならそうする」
「そう……かしら」
もう魔力のない人間が祈ったって何の力も起こらないはずなのに。
「それにしても、私たち2人だけのお見送りなのは……」
本来であれば大勢の隊を組んでの大規模な送り出しになる魔王討伐の旅だが、今回は私の意向で2人での旅立ちになったのだ。
本当は1人の方が良かったんだけど……
横目で見るとオリバーとすぐに目が合う。
「っ!!」
「陛下には昨夜伝えたが……俺が命をかけて守りますから」
肩をつかみ、引き寄せられる。
「まぁ……お見送りできない陛下の気持ちが分かった気がしますわ」
「教会で祈っているのだろう?」
「そうですが……あとで説明しますわ」
シシラが少しため息をついているが、私にも今のは分からない。
「教会で私たちの無事を祈っているのでしょう?」
「聖女様まで……これは……オリバー様も大変な旅になりますわね」
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