好きだったよ。~どんなに辛くてもあなたの傍にいれるのなら~

さっちゃん

文字の大きさ
12 / 12

信じたくない事実~4週間目~

しおりを挟む
早いもので、席替えしてから4週間目が、経とうとしていた。
もう次の席替えの半分を切っていた。
私は
「早いな。もう席替えなんかしたくない。ずーっとこのままでいたい。」って思ってた。
そんなことを思っているのもつかの間。
私に冷水を頭から思いっきりかぶせるような、辛い現実が降り掛かってきた。

それは4週間目の水曜日帰り学活前の数分。

私は久しぶりに裕子とカイトが話しているのを目の前で見た。
すると裕子が何かを爆笑しながら言うとカイトが、男子の前でも滅多にしないような爆笑の仕方で笑った。
私はそれにヤキモチを妬いたと思ったら次の瞬間。
2人が笑い終えて裕子が前を向いた時、カイトが今まで見たことのない表情。
切なそうな表情で3秒間位裕子のことを見つめていた。
私はそれを見て
「えっ?......」と、私の中での時計が壊れて止まってしまったように感じた。
それはとっても長く、たった約3秒に永遠性を感じてしまうほどだった。

私は家に帰って1人誰もいない静かな部屋で、今日のカイトの切なさそうな表情を思い出した。
少なくとも、私が知ってる限りではカイトは照れた表情ぐらいしか女の子の前でデレっとなるのはないと思っていた。
好きな人もカイトがいないって言うから、本当に今は部活と勉強頑張っりたい時なんだなって思っていた。
だけど、違う。
好きな人いないんじゃなくて、言えないんだ。
同じ部活でしかも仲のいい友達の両思いの相手を好きだなんて言えないんだ。
私は、カイトのことを思うとなんとも言えない気持ちになった。
自分はもちろんとってもショックを受けてるけど、カイトのことを思うとなんにも思えなかった。
なんか可哀想というかなんというか。
「私じゃダメ?私カイトのこと好きなの。」って言えたらどんなに楽か。
でもカイトが言えないのに自分だけそんなこと言うなんて卑怯だし、もう気持ちを伝えない友達として応援しなきゃだから私の頭の中は今にもパンクしそうだった。

4週間目金曜日のこと。
この日は球技大会で男女別対抗戦だが共に外でドッジボールだった。
その時私はなんにもないところでボールにびびって尻餅をついたり、ボールを投げようとしたら滑ってコケたりして何回か転んでいた。
幸い、流血などはなかったが…。
教室へ戻ると、カイトの右膝から流血してるではないか?
私は「膝、大丈夫?」と聞いた。
するとカイトは
「え?」っていう反応をした。
私は
「だから膝怪我してんじゃん。」と言った。
するとようやく、
「うん。大丈夫」と返した。
「ドッジコケるよね~アハハ」って感じに私が話を繋げたら
「うんー」と返したあと目も合わせず、逆に私を避けてるような態度でどこかに行ってしまった。
私はその態度のことが気になって、
「やっぱり言わなきゃ良かったかな...。」ととっても後悔の念に襲われた。

家に帰ってもそれが気になってしまい、私はよる眠りにつくことが出来なかった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...