口笛吹いたらメドゥーサ召喚されるとか聞いてない！！

なんでよりによって僕なんだよっ⁉︎

ーああ、そろそろ三途の川が見えてくることだろうなー

          ぎゅ。

ーんあ？ー

僕は誰かに服をつままれたようだ。もしや天国へいくために天使が僕を連れて行こうとしているのか？いや、ちょっと待てよ。あの世に逝くのに僕自身の感覚が強すぎないか、、？まあ一度瞼を開けてみよう。

微かに僕の虹彩に光が差し込む。
一瞬の視界の歪みが消え、僕の腹部に視線を当てる。

ーそこいたのは天使ー
ではなく、超絶美ロリのメドゥーサであった。

僕はもう驚かない。驚かないぞ。何せ自らの命を一度捨てた身である。しかもメドゥーサなんかもう2、3度見た。だから驚かない。驚くな自分、、。


           ーっバッチィ！！！

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ！！」

これは僕の野生本能なのか。驚くつもりなんてひとつもなかったのに反射的に己の感情より先に声が出てしまった。
どうする、逃げるか？そう思った僕は足を一歩引き、そして二歩目に差し掛かろうとした時。


「おに、、ちゃ。おにぃ、、！」

ーッ！！？

美ロリメドゥーサがいきなり僕に話しかけてきた。
人間の僕が聞くに、”お兄ちゃん”と言いたいように思えた。が、メドゥーサは日本語を喋るはずはない。確証は持てないが。するともう一度メドゥーサの口が動いた。

「おにぃ、、ちゃん？」

いやいやいやいや、おかしい。絶対におかしい。だが確かに”お兄ちゃん”と言った。どういうことだ、、？

ーあ。

僕が日本語でメドゥーサに話しかけてメドゥーサが日本語で返してきたらそれはもう絶対確定じゃないか。

よし、やってみよう。

だが、いざとなると僕の唇が震えて思うように声が出ないしぼりだせ、しぼりだせ。

「な、なんだい？」

言った。言ったぞ。
するとメドゥーサは嬉しそうにはにかみながら、

「お兄ちゃんっ！！」

と言った。