溺愛の花

一朶色葉

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夕べの集い

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 「前々から思っていたんだが君の体は本当にどうなっているんだ」
  運ばれて来た料理をつまみつつグラスの中身を飲み干したとき、先ほどから不躾に視線を向けて来ていた目の前の魔術師から呆れ声が飛んできた。
  きょとんと見返せば、どことなくげっそりした顔でウォズリトが頬杖をついている。
 「なに?」
 「……いや、末恐ろしいものだと思ってな。僕の記憶が確かなら、それ、白蒸留酒だろう。何故そう水でも飲むかのように呷っていられるんだ」
  見ているこちらのほうが酔いそうだ、とすでに気持ち悪そうな顔をしている彼とは反対に、当のヴィスタはけろっと顔色を一切変えていない。
  少し声を張らなければ相手に届かないほどに周りはがやがやとうるさい。それもそうだ。現在ヴィスタとウォズリトが向かい合って座っている場所は、大衆酒場の一席。陽が沈んでからそれなりに時間が経った、言ってみれば仕事終わりの連中が「一杯ひっかけて帰りますか」となるような時間帯である。
  ひっきりなしに訪れる客に店員が走り回り、最初はそれなりに空きの見えた席も今や満席状態だ。
  そもそも、何故大衆酒場でこうして飲むことになったのかといえば、ヴィスタ側にそれなりに深い理由があったからである。

  ──〝今日はルレが薬室の親睦会とかで帰るの遅くなるらしくてさ、暇なんだよね〟

  仕事終わりに研究室をふらりと訪れたヴィスタが珍しくも飲みに誘って来た。「そういう風の吹き回しだ?」と警戒するウォズリトに「実は深いわけがあって」と切り出した彼の言い分たるや──ウォズリトからしてみれば心底どうでもいい内容である。
  さらに聞けば、彼の最愛の妻は薬室の親睦会の後女子会なるものに誘われていて、城の外に出るという。そこまで聞いてなんとなく得心がいった。つまり、夜半に女だけで歩かせないためにルレインの女子会が終わり次第迎えに行くつもりなのである。
  その証拠に、ヴィスタの片耳には通信用の魔術具が装着されている。耳飾りを模したそれの片割れは言うまでもなくルレインのもとにあり、彼女たちの女子会が終わり次第連絡が入るのだろう。
  最初は渋っていたウォズリトも結局は問答無用でヴィスタの暇つぶしに付き合うことになり、こうして何が楽しいのか男ふたりで膝を突き合わせて飲む羽目になっている。
 「たぶん俺が酒に強いのは魔力のせいでもあると思うんだけど。あ、店員さん糖蜜酒追加で」
 「まだ飲むのか……。ってなに? 魔力?」
  職業柄魔力という単語に過敏に反応するウォズリトに苦笑しつつ、ひとつ頷いた。
 「酒を薄めるには水だろ?」
 「? だが他の水属性に君ほどの酒豪がいると聞いたことはないんだが」
 「そこはほら、俺、魔力量多いし」
 「雑な考察だな。……だが一理あるかもしれん」
 「実際、ルレとの間に道を繋いだとき、水を媒介にして彼女に俺の魔力を流し込んだわけなんだけど、そういえば翌日二日酔いになってなかったなー、と。前に薬室と師団俺たちで合同歓迎会したときは翌日二日酔いで辛そうだったのに」
 「なるほど」
  あのときルレインが酔った原因は何を隠そうヴィスタが興味本位で注文した度数の高い酒だったわけなのだが、その割に翌日ヴィスタの部屋で目を覚ました彼女は別段不調があるというわけでもなかった。
 (朝起きたとき固まってたなぁ、そういえば)
  翌朝引き攣った顔をしていた妻の顔を思い出しながら、ぶつぶつと何事かを思案しているウォズリトに声をかける。
 「ウォズリト。考察は明日仕事のときに好きなだけやりなよ。そんなことより俺、気になることがあるんだけど」
 「? なんだ」
 「ファイ殿と何かあった、ウォズリト=ハルバン魔術師長?」
  にっこり笑ってやれば眼鏡の奥で湖水の眸が明らかに動揺した。
 「わかりやすすぎるんだけど」
 「……何故何かあったと思う」
 「勘」
  端的に言い切ったヴィスタにウォズリトは苦虫を噛み潰したような顔になる。
 「……別に特別何があったというわけじゃない。ここ最近避けられているとは思うが」
 「へー。避けられる、ねぇ。  思い当たる節は?」
 「…………君が殿下とひと月ほど出張に行っている間に、ファイ殿が魔力詰まりを起こしたんだ」
 「ああ、土属性特有の。でもあれ、術符があれば別にどうということないんじゃなかった?」
 「ちょうど切らしてたんだ。だから僕は届けがてら見舞いに行ったんだが……その、だな……」
  歯切れ悪く言葉を濁す。
  言っても良いものかと逡巡している間に、何となく悟ったヴィスタは意地悪く口角を上げた。
 「告白でもされた?」
 「告白……、ではないな。恋をしていたと言われた」
 「告白だろ、それ」
  間髪入れずに返したヴィスタの顔にはありありと「馬鹿かコイツ」と書かれている。
  だがどうやらウォズリトのほうにも言い分があるようで、少しむっとして睨まれる。
 「告白ならば何故『恋をしていた』という過去形なんだ。若気の至りとまで言われたんだぞ、僕は」
 「本当に過去の話なら言う必要ないだろ、普通に考えて」
 「あのとき彼女は魔力詰まりのせいで不調だったんだ。眠そうでもあった。病床にあって前後不覚、言うつもりのなかったことがつい口をついて出ただけかもしれんだろう。それか」
 「あのさぁ」
  いつの間にか運ばれてきていた糖蜜酒を嚥下しながら、ヴィスタはウォズリトの言葉を遮った。その目は残念な子を見るような憐れみを浮かべている。
 「正気じゃない中で口をついて出たってことは、つまり普段から思ってたってことだろ。不調で弱ってたんなら余計に本音が出るもんだと思うけど?」
  呆気にとられたようにウォズリトが瞬きを繰り返す。
 「…………そういうものか?」
 「じゃないの? 過去のことって割り切ってるならつい口にするとかないと思うけど」
  頬杖をついて呆れ気味に。ヴィスタはそう言い切った。
  ついテーブルに乗り出していた体を元に戻して茫然自失になるウォズリトに対して、思い切り肺に溜め込んだ空気を一気に吐き出す。
 (拗らせてるな、本当に)
  ファイのウォズリトに対しての恋情を、ヴィスタは初めて会ったときから知っている。それこそしつこく絡んでくるウォズリトを躱している間中、ずっと羨望とも妬みともとれる視線を向けられていれば気づくなというほうが無理だ。
 (まあ、ファイ殿はファイ殿で俺が現れたから土属性自分はこいつの興味の対象外になったとでも思ってるんだろうけど)
  こればかりはウォズリトの厄介な性質が原因である。
 (っていうかそもそも本当に興味なくしてたら見舞いとか行かないだろ。ウォズリトこいつの性格的に)
  さて、どう声をかけるか。
  背もたれに体を預けて言葉を失っている魔術師長を眺めたとき、横から店員の朗らかな声がかかった。
 「すいませーんお客様、おひとり相席お願いしまーす」
 「あ」
 「げっ」
  顔を上げてみれば飄々とした態度の店員の後ろに見覚えのある顔がある。了承する前に仕事に戻っていた店員を見送って、ヴィスタは心底嫌そうに顔を歪めている男に声をかけた。
 「とりあえず座りなよ、コア=ミグリオン。俺の隣りかウォズリトの隣りになるけど」
 「帰る」
 「あ。声出るようになったんだ、よかったな」
 「誰のせいだと……!」
 「座れって。まさかとは思うけどひと月以上前の訓練での勝ち負けをこんな私事に持ち込むほど器の小さい男じゃないよな?」
  踵を返しかけたコアの怒りを宿した双眸ににっこりと笑って応戦しながらついでに煽ってみる。すると狙い通りウォズリトの隣りに荒々しく腰かけるものだから、ヴィスタの口角は自然と上がった。
 (相変わらず扱いやすいな)
  胸中で失礼なことを思いながらも外には出さない。だがウォズリトにはばれているらしく、据わった目を向けられた。
  とりあえず麦酒、と店員に注文して、コアは不審そうにヴィスタとウォズリトを交互に見やる。
 「お前ら野郎ふたりここで何やってんだ、寂しいやつだな」
 「その野郎ふたりに加わっておきながら何を言っているんだ君は。そもそも元々ひとりで傍から見て寂しかったのは君だろうコア=ミグリオン」
  ──返り討ちである。しかも額面通りに言葉を捉えるウォズリトの言葉には嫌味が一切含まれない。
  不思議そうに眉を顰めながら言われ、コアが言葉に詰まった。思わず吹き出せば、即座に睨まれる。
 「ウォズリトの恋愛相談聞いてただけだよ」
 「恋愛相談? ああ、土属性の薬室長のことかよ」
 「待て。恋愛相談などではないし、何故知っている」
 「あ? さすがに見てればわかるだろ」
  注文して即座に運ばれて来た麦酒で喉を潤しながら軽く言ってのけたコアにウォズリトは目を瞠った。
 「コア=ミグリオンにすらわかるのか」
 「馬鹿にしてんのか」
 「コア=ミグリオン含め騎士団は脳筋集団だから」
 「あ゛? つーかお前ら年上に対しての敬意ってもんはねーのかよしばくぞ」
 「あれ? コア=ミグリオンってウォズリトより上だっけ?」
 「知らん」
 「みっつ俺のほうが年上なんだよこの研究馬鹿」
  となるとヴィスタより七つ上ということになる。
  いちいち喧嘩腰に喋ってくるコアは、たしか城入りもヴィスタやウォズリトより早かったはずだ。まあ、互いに団長という同等の地位にいる限り、ヴィスタにはコアに敬語を使うつもりは一切ないが。
 「恋愛相談するためにこんなとこいるとか本当に暇人かよ」
 「本来の目的は恋愛相談じゃなくてルレの女子会待ちなんだけどね」
 「……」
  ふいに黙り込んだコアに、パイ料理をつつきながらヴィスタは片眉を上げる。ウォズリトも不審そうに身を引いた。
 「コア=ミグリオン?」
 「…………かった」
 「は?」
 「……かったって、言ってんだよ」
 「腹から声出しなよ、聞こえるわけないだろ」
  ぼそぼそと口の中で喋られても、周りが騒いでいるせいで聞き取りづらい。
  つい険を含ませてそう言うと、唐突に立ち上がったコアが声を張り上げた。

 「悪かったっ! って言ってんだよ!」
 「は」

  虚を突かれて言葉に詰まる。一体何に対しての謝罪だ。
  何だコイツ、という目でコアを見上げていたウォズリトの目がヴィスタに何事かを問うてくる。だがしかし。ヴィスタにも何が何やらわからない。
  腕を組んで考え込むヴィスタに、座り直したコアは不遜に言った。
 「言っとくがお前に対して謝ったわけじゃないからな」
 「じゃあ誰に対しての謝罪だよ」
 「今年入った薬室の新人薬剤師に対してのだ。お前を煽るためにあの女罵倒するのは筋違いだった。お前の嫁ってのが気に喰わねぇが別にあの女に対して恨みがあるわけでもねぇし」
 「……ああ、訓練のときの」
  ようやく得心がいってぽんと手を打てば、ふんっと言いたげにコアが顔を逸らす。
  彼は、ひと月以上前の騎士団対魔導士師団の合同訓練のことを言っているのだ。
  ──〝顔が綺麗なだけの魔力無し。……とんだ徒花じゃねぇか〟
  ヴィスタとしてはルレインに対しての罵倒は思い出しても腹立たしいだけで、とうに忘却の彼方に追いやり考えないようにしていたのだが。それになにより、あのときあの場でそれ相応の制裁も加えた。先ほど相席を頼まれたとき声の話をしたのは、何を隠そう彼の声を一時的に奪ったのがヴィスタだったからだ。
 「そういうところ、素直だよね」
 「うるせぇ。……それに薬室のチビがうるさいんだよ。あのチビ、すれ違うたびにネチネチネチネチ絡んできやがる」
 「薬室のチビ?」
  反芻すればすかさずウォズリトが口を挟んでくる。
 「おそらくルレイン殿の同期のナーシェ殿のことだろうな」
 「ああ、なるほど」
 (そういえば訓練のときあの場にいたっけ)
  あのときのヴィスタは大事な存在を嘲られてそれなりに激怒していたし、何より怒りを早く収めるためにもルレインの顔が見たくて仕方がなかった。今思い返してみれば、コアの雑言に真っ先に声を上げてくれていたのは小動物のような容姿をした、妻の同期だ。
 「ったく、女ってのは怒らせるもんじゃねぇな。厄介すぎる」
  ジョッキを呷りながらぼやくコアに、ヴィスタとウォズリトは顔を見合わせる。
  そして、同時に口を開いた。

 「そう? 可愛いと思うけど」
 「そうか? 美しいと思うが」

  互いが互いに誰の怒り顔を想像したのかは言わなくてもわかる。
  三人の間に落ちる暫しの沈黙。
 「…………お前らに一般的な感覚を求めた俺が悪かった」
  やがて、うんざりした顔でいかにも鬱陶しいと言わんばかりのコアの発言でこの話題がなかったことにされた。珍しく素直に非を認めた彼に、馬に蹴られる趣味はなかったのである。


  それからしばらくしてヴィスタの通信用魔術具にルレインから連絡が入り、迎えに行くことになるのだが、思いがけずウォズリトと対面したファイがその場から逃走するのはまた別の話になる。


fin.
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