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とあるネオニートの場合
しおりを挟む「あぁ~よく寝た。」
今日もめっちゃ寝たなぁ。昨日も遅くまでネトゲやってたからなぁ。
「って、ここどこ!?俺の部屋は?パソコンは?」
「やぁ、おはよう!だいぶ寝坊助だけど人間はそんなに寝なくても大丈夫だと思うよ?」
「えっ、誰?」
「僕は創造主だよ。世界を創りし者、とっても偉いんだよ?」
何?俺は寝惚けてるのか?それとも夢?
「夢ではないよ。君の人生は終わったんだよ。不健康な生活だったみたいだね。」
「嘘だ、俺はここにいるし。」
「うん。今の君は魂の状態だよ。閻魔くんの所から預かって来たんだ。」
「へっ?閻魔って閻魔大王?マジで俺は死んだの?」
「うん。寝ている間に脳の血管が詰まったらしいよ。苦しまずに死ねたんだしラッキーだったかもね。」
俺は状況を理解できず固まってしまう。
「君はかなり業が深いね。ずいぶんと好き勝手に生きてきたみたいだね。」
「へ?別に親の遺産で好きに生きるのは俺の自由なんじゃ?」
「まぁ、そうだね。ちなみに業が深い魂は転生するのに不利だよ。たぶん君の来世以降は虫か家畜かな。」
「輪廻転生ってやつ?てか、来世以降ってどういう事!?」
「来世で魂が一定基準まで浄化されていないと人間には転生出来ない決まりだからねぇ。」
「マジかよ・・・俺は何回生まれ変われば人間になれるんだよ。」
「君の行い次第だけど8回くらいじゃない?」
「そんなに・・・あなたは偉い創造主なんですよね?」
「うん、そうだよ。創造さまね!」
「創造主様のお力でなんとかならないですかね?」
創造主様はニヤリと笑う。
「まぁ、出来なくもないよ?」
「マジで!?お願いします。何でもしますから人間に転生させて下さい。」
「う~ん、そこまで言うなら。やってみても良いけど、条件があるよ?」
「はい!何でもします!!」
「あーそう。条件はね、僕の依頼する仕事を1つ達成する事だよ。」
「なんだ、そんなのお安い御用です。どんな仕事ですか?」
創造主様はニヤニヤと笑っている。
「君にはダンジョンマスターをやってもらいます!」
「へっ?ダンジョンってゲームとかラノベとかに出てくるやつ??」
「そだよ。異世界のダンジョンマスターとして頑張ってもらうから。」
創造主様は空中に現れたコンソールパネルの様な物を操作しながら淡々と返事をする。
「えっ、異世界って?」
「君達が大好きな剣と魔法の世界だよ。良かったねぇ。」
「元の日本には転生出来ないんですか?」
「うん。無理だよ。」
「そこをなんとかできませんか?」
「無理、無理!もう転生先も決めちゃったし!」
「そんな勝手なぁ!」
「何でもするって言ったし、日本に転生とは言ってなかったでしょ?ダメだよ、欲張っちゃあ。」
「でも説明も無かったし。」
「大丈夫。ダンジョンマスターの達成報酬に転生券も入れておいたし、音声ガイドも付くから。よし、これで設定はできたっと!」
創造主様がパチっと最後のキーを指で弾く。
「えっ、まさかもう行くんですか?」
「うん、僕も忙しいからね。いくよ~!」
「ちょ、ちょっとまだ心の準備が!」
「それじゃあ、頑張ってきてねー!!」
男の体が光の粒になって消えていく。
「ちょ・・と・・・て・・・」
「あはは、何言ってるかわかんないやー。」
創造主様は和かに笑いながら手を振っている。
「さてと、彼は見てて楽しめる活躍をしてくれるかなぁ?まぁ、最初はつまんないだろうしテレビでも見てよっと!」
創造主様は退屈がお嫌いなのです。
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