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王都暗躍編
第97話 獣人トラブル
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ハナさんは予約客が来たそうで、店員さんに呼ばれて行ってしまった。
貰ったハンカチはポケットにしまいつつ、他のみんなを探した。
ピートは派手な帽子を被せられて顔を真っ赤にしていた。
あれは店員さんに遊ばれているな。
リポポさんは別の店員さんと何やら談笑している。
「リポポさ~ん、次の場所に行っても大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫です。行きましょう。」
「ほら、ピートも遊んでないで行くよ。」
「は、はい!」
リポポさんはあの短時間で買い物を済ませていたらしい。
お気に入りのブランドなんだそうだ。
「次はどうしましょうか?」
「あ、北エリアで工房をやっているペコラさんって人に会いたいんですけど。」
「北エリアならここから遠くないですよ。このまま向かいますか?」
「そうですね。途中でお昼を食べましょうか。」
「それなら冒険者ギルドの大食堂が近くにありますよ。」
「組合員じゃなくても良いんですか?」
「はい、誰でも利用は大丈夫です。ちょっと暑苦しいですけど。」
最後の一言は気になったが、帝都の冒険者ギルドも興味があったので、まぁ良いだろう。
少し歩いた大通りに一際大きな建物が見えた。
サイモンの町のギルドも立派だと思っていたが、さすがは帝都、比較にならない。
外観は3階建てだが、とにかく広い。
大きな入り口から中へ入ると、左手にはまるで銀行のようにカウンターが並び冒険者や依頼者が列を作っている。
右手側が食堂になっており、たくさんのテーブルが用意されている。
ここはショッピングモールなんかにあるフードコートみたいになっており。
それぞれのお店で注文と精算をするシステムなんだそうだ。
「へぇ~、色々なお店があって面白いですね。」
「王都のギルドがやり始めたんですけど、ここでも好評なんです。」
「そうなんですか、王都の方には行った事がないんで初めて見ました。」
「これだけあると、迷っちゃいますよね。」
「ピートも好きな物を選んでいいからね。」
「ありがとうございます!!」
目と口元を輝かせたピートと取り敢えず1周回ってみる事にした。
数えてみると10ものお店が出店している。
ガッツリ系のお店が多いけど、草食専門や珍味専門なんて店もあった。
面白いのはお酒のエールだけはギルドが運営する専用カウンターでしか販売していなくて、ギルドの大事な収入源らしい。
なんとも見事な商売だ。
俺とピートは一番人気らしいガッツリ系のお店でおすすめを頼んだ。
リポポさんは複数のお店から1品ずつ選んだそうだ。
流石は慣れていらっしゃる。
料理自体は美味しいのだが、あまり味付けにバリエーションがないように感じた。
「やっぱり料理は王都の方が良いですね。」
「そうですね。俺も王都の食文化は進んでいるなって感じました。」
「最近では王都は食の都、帝都は服の都と言われるそうですよ。」
「へぇ~、確かに帝都の人はみんなお洒落ですもんね。」
「おやおや、リポポじゃねぇか。戻ってたのかよ。」
俺の背後からデカい下品な声が飛んできた。
リポポさんの顔が嫌そうな表情へとみるみる変わる。
「戻ってたんなら知らせろよなぁ。」
縦にも横にも巨躯な男がリポポさんの隣に来た。
その男の顔を見た瞬間、俺は驚いて、つい呟いてしまった。
「えっ、オーク?」
ラノベでよく登場する豚頭で人型の魔物、あのオークそのものが目の前にいたのだ。
「て、てめぇ。それは俺っちのタブーだぞ!!」
オークさんは顔を真っ赤にして鼻息荒く怒ってしまった。
リポポさんは必死に笑うのを我慢しているようでプルプルしている。
「すみませんでした。俺が悪かったです。」
「すみませんで済む訳ねぇだろ。人間の小僧が俺っちを侮辱しやがって!」
「本当に申し訳ないです。」
「許さん、許さん!それにお前、リポポの何なんだよ!」
「ガルドさんは、私のパートナーよ。」
「ブガァー!!パートナーって何だ!絶対に許さんぞ。」
「シュヴァインうるさい!お前の汗が飛ぶだろ。汚い。」
あぅ、リポポさん口が悪いです。そして煽らないで。
この人、シュヴァインって名前なんだ。
名前はカッコいいな。
「ク、クッソ~。お前の所為だ。お前は許さん、勝負だ!」
「へっ?」
「こら!シュヴァイン!!」
俺が意味不明な勝負を挑まれた、その時に甲高い女性の声が響いた。
後ろへ振り返ると、とても小柄だけど冒険者らしき女性が仁王立ちしていた。
つかつかとシュヴァインの元へ大股で歩いていく。
あっ、この人にも尻尾がある。
たぶん猿の獣人さんだと思われる。
さっきの反省を活かし、迂闊な事は口にしないように様子見に徹した。
貰ったハンカチはポケットにしまいつつ、他のみんなを探した。
ピートは派手な帽子を被せられて顔を真っ赤にしていた。
あれは店員さんに遊ばれているな。
リポポさんは別の店員さんと何やら談笑している。
「リポポさ~ん、次の場所に行っても大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫です。行きましょう。」
「ほら、ピートも遊んでないで行くよ。」
「は、はい!」
リポポさんはあの短時間で買い物を済ませていたらしい。
お気に入りのブランドなんだそうだ。
「次はどうしましょうか?」
「あ、北エリアで工房をやっているペコラさんって人に会いたいんですけど。」
「北エリアならここから遠くないですよ。このまま向かいますか?」
「そうですね。途中でお昼を食べましょうか。」
「それなら冒険者ギルドの大食堂が近くにありますよ。」
「組合員じゃなくても良いんですか?」
「はい、誰でも利用は大丈夫です。ちょっと暑苦しいですけど。」
最後の一言は気になったが、帝都の冒険者ギルドも興味があったので、まぁ良いだろう。
少し歩いた大通りに一際大きな建物が見えた。
サイモンの町のギルドも立派だと思っていたが、さすがは帝都、比較にならない。
外観は3階建てだが、とにかく広い。
大きな入り口から中へ入ると、左手にはまるで銀行のようにカウンターが並び冒険者や依頼者が列を作っている。
右手側が食堂になっており、たくさんのテーブルが用意されている。
ここはショッピングモールなんかにあるフードコートみたいになっており。
それぞれのお店で注文と精算をするシステムなんだそうだ。
「へぇ~、色々なお店があって面白いですね。」
「王都のギルドがやり始めたんですけど、ここでも好評なんです。」
「そうなんですか、王都の方には行った事がないんで初めて見ました。」
「これだけあると、迷っちゃいますよね。」
「ピートも好きな物を選んでいいからね。」
「ありがとうございます!!」
目と口元を輝かせたピートと取り敢えず1周回ってみる事にした。
数えてみると10ものお店が出店している。
ガッツリ系のお店が多いけど、草食専門や珍味専門なんて店もあった。
面白いのはお酒のエールだけはギルドが運営する専用カウンターでしか販売していなくて、ギルドの大事な収入源らしい。
なんとも見事な商売だ。
俺とピートは一番人気らしいガッツリ系のお店でおすすめを頼んだ。
リポポさんは複数のお店から1品ずつ選んだそうだ。
流石は慣れていらっしゃる。
料理自体は美味しいのだが、あまり味付けにバリエーションがないように感じた。
「やっぱり料理は王都の方が良いですね。」
「そうですね。俺も王都の食文化は進んでいるなって感じました。」
「最近では王都は食の都、帝都は服の都と言われるそうですよ。」
「へぇ~、確かに帝都の人はみんなお洒落ですもんね。」
「おやおや、リポポじゃねぇか。戻ってたのかよ。」
俺の背後からデカい下品な声が飛んできた。
リポポさんの顔が嫌そうな表情へとみるみる変わる。
「戻ってたんなら知らせろよなぁ。」
縦にも横にも巨躯な男がリポポさんの隣に来た。
その男の顔を見た瞬間、俺は驚いて、つい呟いてしまった。
「えっ、オーク?」
ラノベでよく登場する豚頭で人型の魔物、あのオークそのものが目の前にいたのだ。
「て、てめぇ。それは俺っちのタブーだぞ!!」
オークさんは顔を真っ赤にして鼻息荒く怒ってしまった。
リポポさんは必死に笑うのを我慢しているようでプルプルしている。
「すみませんでした。俺が悪かったです。」
「すみませんで済む訳ねぇだろ。人間の小僧が俺っちを侮辱しやがって!」
「本当に申し訳ないです。」
「許さん、許さん!それにお前、リポポの何なんだよ!」
「ガルドさんは、私のパートナーよ。」
「ブガァー!!パートナーって何だ!絶対に許さんぞ。」
「シュヴァインうるさい!お前の汗が飛ぶだろ。汚い。」
あぅ、リポポさん口が悪いです。そして煽らないで。
この人、シュヴァインって名前なんだ。
名前はカッコいいな。
「ク、クッソ~。お前の所為だ。お前は許さん、勝負だ!」
「へっ?」
「こら!シュヴァイン!!」
俺が意味不明な勝負を挑まれた、その時に甲高い女性の声が響いた。
後ろへ振り返ると、とても小柄だけど冒険者らしき女性が仁王立ちしていた。
つかつかとシュヴァインの元へ大股で歩いていく。
あっ、この人にも尻尾がある。
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