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第3章
14 真実
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「影付きは、前の世界での未練や後悔、柵を捨てて、新しく人生をやり直すことができる。そう聞かされてきました。そうですよね?」
シャドウからもヴァリウス王からも同じ内容を説かれた。聞こえだけは良いものだと認識はあったが、受け入れる気はなかったので、 そういうものとしてだけ記憶していた。
「そうだ」
シャドウは頷いた。改めて雪が影付きのあり方を語る姿に違和感を覚えた。この先、自分が知らない事実を雪は知っているように見え、不安に思った。
「ただ、儀式のあり様などは知らない。俺達は王に引き渡すまでが任務としていた。何をどうやって記憶を操作するのかはわからない」
シャドウの言葉に雪は頷く。本当に何も知らないようなので雪をホッとさせた。今までの態度や優しさが神殿に引き渡す為のお芝居なのだとしたら、もっと絶望的だった。現実は何も変わらないのだけど、少しだけ気持ちが軽くなった。
「…神殿に連れて来られた影付きは、元の世界での記憶や知識を奪われるそうです」
「奪う?」
「この国はまだ発展途上だから、あらゆる世界の情報が必要みたいです。私が今まで学んで来た知識や教養、政治、カルチャー、社会、宗教や文化などの情報の記憶を身体ごと献上しろと言われました」
私、不思議なくらい落ち着いている。チドリさんに告げられた時は恐ろしすぎて、酷く憔悴したというのに。
伝える相手がシャドウさんだからかな。信頼している人に告げるのは怖くない。でも、シャドウさんにとっては怖い話なのかもしれない。今まで連れてきた影付きの引導を知らず知らずに渡して来たことになるのだから。
私は今、最低なことをしているのかもしれない。
雪は硬く唇を噛み締めた。真実が如何に残酷なのかがよくわかる。
口内に鉄の味が広がった。
「…それを、チドリが言ったのか?」
シャドウはとても信じられないといった顔つきになった。無理もない。こんな突拍子のないことを聞かされて動揺しない人などいないだろう。
「はい。礎になるそうです。私」
動揺しないのは私だけかもしれない。もう何を言われても書き換えることはできないのだから。これ以上の真実はどこにもないのだ。
「…ヴァリウスは知っていたのか?前王の時代からか?今までの影付きはすべてか?」
シャドウは慌てふためいた。思いがけない真実に気が動転したのだ。
雪はおそらくそうだと思いますと、小さく呟いた。前王の時代に影付きは5人現れた。繁栄したという世界は礎になった影付きの記憶と恩恵のおかげだ。
「まさか、そんな…ことが…」
シャドウは震える口元を押さえた。足元がふらふらとしていた。
「俺は、知らないとはいえお前を死なせる為に神殿に来たというのか」
ドクン!
胸の音が強く鳴った。
「死」と直接的に言われたのはこれが初めてだった。
チドリには礎になるとか歴史に残るとか様になることをずらずらと並べられていただけで「死」という言葉はなかった。だから無意識だったのか。シャドウの口から発せられた言葉に雪は改めて寒気がした。
「あ、死ぬんだ。私…」
背中が凍りついていく。指先が、体中が恐怖に包まれて震えだした。
雪は、力も入らなくなった腕で己れを抱きしめた。心臓の音が耳を劈く。胸を突き破ってきそうな早鐘だ。息をするのもどうしたらいいのかわからなくなる。
「雪!」
シャドウは雪の背中を支えた。足元も覚束ず、がくんと膝が折れて地面についた。呼吸が乱れる。吐く息だけが多く、吸い込む酸素が体に足りなくなっていた。過呼吸のような症状だ。
「雪、落ち着け。呼吸をしろ。ゆっくりだ」
シャドウは雪を木の根元に連れていった。自分が幹に寄りかかるように座り、雪は自分にもたれかかるように座らせた。
後ろにいても心臓の音は強く聞こえた。
「落ち着け」
何度も繰り返しているのは自分にも言い聞かせる為だ。不安や恐怖は移るものだ。俺がいつまでも取り乱してはいけない。チドリの真意はわからないが、雪の言っていることが真実だとしたら、俺はチドリを許すことはできない。
体を傷をつけたばかりではなく、記憶や知識を奪い、挙句に死なせる。国の繁栄の為に影付きを使うなんて考えもしなかった。国の中央に座する神殿が、こんなことをして成長をしていたのかと思うと吐き気がした。影付きを王に引き渡していた自分にも同じ気持ちを持った。
だが今は、自分への葛藤よりも雪を守ることの方が先決だ。
シャドウは雪の肩にそっと手をかけ、膝の上に寝かせるよう体をずらした。
「…シャドウさん…」
「楽な体勢でいろ。…背中をさするぞ」
体に触れることを拒否する身振りもされたが、声をかけることで実行に移した。
「俺もお前を傷付けると思っているのか?」
「…そんなこと、思ってません」
シャドウの膝の上で雪はボソボソと呟いた。呼吸は少しばかり治りつつあった。
「なら俺を拒むな。お前の嫌がることは絶対にしない。それに今お前が着ている外套は俺のだ。その上からなら触っていいだろう?…お前には極力触れない」
シャドウは雪の返事を待たずに背中に手を置いた。肩甲骨のあたりから腰の上あたりまでをゆっくりとさすった。二、三度繰り返した後はトン、トンと一拍おきながら優しく背中をタップした。
雪はシャドウの膝の上で呼吸を整えた。
深く吸い込んだ空気が体中に染み込んでいった。
膝と手の感触が心地よく、目を閉じた。涙の膜が瞳から頬を伝って落ちていくのがわかった。シャドウの優しさは本物だ。疑う余地はない。この人の優しさに触れたい。最後まで一緒にいたい。
雪はゆっくりと体を起こした。涙の跡がくっきりと残っていた。
「…雪」
シャドウはその筋に触れようと手を伸ばした。頬に触れるか触れないかの時に、雪はシャドウの胸元に顔を埋めた。背中に回した腕にしっかりと力を込めた。
「ゆ」
「…動かないで。シャドウさんはそのままで」
雪はシャドウの鼓動を耳に残した。ドクンドクンと整然とした胸の音は心地良かった。私の中の荒波を均してくれたみたいだった。
「…矛盾してますね。触られるのは嫌だと言ってるのに」
自分から触れるのは嫌ではなかった。
シャドウの胸の中は恐怖も不安もすべて掻き消された。砂漠の中のオアシスのようでクリーンだった。飛び込んだ時に囁いた言葉さえ溶け込んでしまったようだ。
「…抱きしめ返せないのは辛いところだな」
髪の毛の一筋さえ触れない。
「シャドウさんでもそんなこと言うんですね」
雪は顔を上げてシャドウを見た。座ったままの状態でいたので、二人の距離はかなり近い。
「俺をなんだと思っているんだ?ただの大木か何かと勘違いしてないか」
「そんなこと思ってないですよ!」
「…俺だってお前を抱きしめたい」
シャドウは木の幹に手をかけ、雪に顔を近づけた。
「待っ!」
雪は咄嗟に掌を顔の前に出した。掌はシャドウの唇に触れた。
掌で遮られたキスのシチュエーションはデジャヴュか?
シャドウは乾いた笑みを浮かべた。
「…そのままでいいから動くなよ」
「え…」
掌を挟んだままシャドウは雪に唇を寄せた。手の甲には雪の唇。掌にはシャドウの唇。
「…また、らしくないことをした。悪い」
シャドウは頬を赤らめてそっぽを向いた。雪も同じ色に染まっていたのは言うまでもない。
「おいそこのバカップル」
野次を飛ばすのはナイトメアだ。
「ちんたらしてる暇はないぞ。娘」
「…な、何が?」
雪は赤く染めた頬を撫で下ろす。
「呑気に構えてたらじきに花が咲くぞ」
この一言で一気に現実に引き戻された。
「影付きは、前の世界での未練や後悔、柵を捨てて、新しく人生をやり直すことができる。そう聞かされてきました。そうですよね?」
シャドウからもヴァリウス王からも同じ内容を説かれた。聞こえだけは良いものだと認識はあったが、受け入れる気はなかったので、 そういうものとしてだけ記憶していた。
「そうだ」
シャドウは頷いた。改めて雪が影付きのあり方を語る姿に違和感を覚えた。この先、自分が知らない事実を雪は知っているように見え、不安に思った。
「ただ、儀式のあり様などは知らない。俺達は王に引き渡すまでが任務としていた。何をどうやって記憶を操作するのかはわからない」
シャドウの言葉に雪は頷く。本当に何も知らないようなので雪をホッとさせた。今までの態度や優しさが神殿に引き渡す為のお芝居なのだとしたら、もっと絶望的だった。現実は何も変わらないのだけど、少しだけ気持ちが軽くなった。
「…神殿に連れて来られた影付きは、元の世界での記憶や知識を奪われるそうです」
「奪う?」
「この国はまだ発展途上だから、あらゆる世界の情報が必要みたいです。私が今まで学んで来た知識や教養、政治、カルチャー、社会、宗教や文化などの情報の記憶を身体ごと献上しろと言われました」
私、不思議なくらい落ち着いている。チドリさんに告げられた時は恐ろしすぎて、酷く憔悴したというのに。
伝える相手がシャドウさんだからかな。信頼している人に告げるのは怖くない。でも、シャドウさんにとっては怖い話なのかもしれない。今まで連れてきた影付きの引導を知らず知らずに渡して来たことになるのだから。
私は今、最低なことをしているのかもしれない。
雪は硬く唇を噛み締めた。真実が如何に残酷なのかがよくわかる。
口内に鉄の味が広がった。
「…それを、チドリが言ったのか?」
シャドウはとても信じられないといった顔つきになった。無理もない。こんな突拍子のないことを聞かされて動揺しない人などいないだろう。
「はい。礎になるそうです。私」
動揺しないのは私だけかもしれない。もう何を言われても書き換えることはできないのだから。これ以上の真実はどこにもないのだ。
「…ヴァリウスは知っていたのか?前王の時代からか?今までの影付きはすべてか?」
シャドウは慌てふためいた。思いがけない真実に気が動転したのだ。
雪はおそらくそうだと思いますと、小さく呟いた。前王の時代に影付きは5人現れた。繁栄したという世界は礎になった影付きの記憶と恩恵のおかげだ。
「まさか、そんな…ことが…」
シャドウは震える口元を押さえた。足元がふらふらとしていた。
「俺は、知らないとはいえお前を死なせる為に神殿に来たというのか」
ドクン!
胸の音が強く鳴った。
「死」と直接的に言われたのはこれが初めてだった。
チドリには礎になるとか歴史に残るとか様になることをずらずらと並べられていただけで「死」という言葉はなかった。だから無意識だったのか。シャドウの口から発せられた言葉に雪は改めて寒気がした。
「あ、死ぬんだ。私…」
背中が凍りついていく。指先が、体中が恐怖に包まれて震えだした。
雪は、力も入らなくなった腕で己れを抱きしめた。心臓の音が耳を劈く。胸を突き破ってきそうな早鐘だ。息をするのもどうしたらいいのかわからなくなる。
「雪!」
シャドウは雪の背中を支えた。足元も覚束ず、がくんと膝が折れて地面についた。呼吸が乱れる。吐く息だけが多く、吸い込む酸素が体に足りなくなっていた。過呼吸のような症状だ。
「雪、落ち着け。呼吸をしろ。ゆっくりだ」
シャドウは雪を木の根元に連れていった。自分が幹に寄りかかるように座り、雪は自分にもたれかかるように座らせた。
後ろにいても心臓の音は強く聞こえた。
「落ち着け」
何度も繰り返しているのは自分にも言い聞かせる為だ。不安や恐怖は移るものだ。俺がいつまでも取り乱してはいけない。チドリの真意はわからないが、雪の言っていることが真実だとしたら、俺はチドリを許すことはできない。
体を傷をつけたばかりではなく、記憶や知識を奪い、挙句に死なせる。国の繁栄の為に影付きを使うなんて考えもしなかった。国の中央に座する神殿が、こんなことをして成長をしていたのかと思うと吐き気がした。影付きを王に引き渡していた自分にも同じ気持ちを持った。
だが今は、自分への葛藤よりも雪を守ることの方が先決だ。
シャドウは雪の肩にそっと手をかけ、膝の上に寝かせるよう体をずらした。
「…シャドウさん…」
「楽な体勢でいろ。…背中をさするぞ」
体に触れることを拒否する身振りもされたが、声をかけることで実行に移した。
「俺もお前を傷付けると思っているのか?」
「…そんなこと、思ってません」
シャドウの膝の上で雪はボソボソと呟いた。呼吸は少しばかり治りつつあった。
「なら俺を拒むな。お前の嫌がることは絶対にしない。それに今お前が着ている外套は俺のだ。その上からなら触っていいだろう?…お前には極力触れない」
シャドウは雪の返事を待たずに背中に手を置いた。肩甲骨のあたりから腰の上あたりまでをゆっくりとさすった。二、三度繰り返した後はトン、トンと一拍おきながら優しく背中をタップした。
雪はシャドウの膝の上で呼吸を整えた。
深く吸い込んだ空気が体中に染み込んでいった。
膝と手の感触が心地よく、目を閉じた。涙の膜が瞳から頬を伝って落ちていくのがわかった。シャドウの優しさは本物だ。疑う余地はない。この人の優しさに触れたい。最後まで一緒にいたい。
雪はゆっくりと体を起こした。涙の跡がくっきりと残っていた。
「…雪」
シャドウはその筋に触れようと手を伸ばした。頬に触れるか触れないかの時に、雪はシャドウの胸元に顔を埋めた。背中に回した腕にしっかりと力を込めた。
「ゆ」
「…動かないで。シャドウさんはそのままで」
雪はシャドウの鼓動を耳に残した。ドクンドクンと整然とした胸の音は心地良かった。私の中の荒波を均してくれたみたいだった。
「…矛盾してますね。触られるのは嫌だと言ってるのに」
自分から触れるのは嫌ではなかった。
シャドウの胸の中は恐怖も不安もすべて掻き消された。砂漠の中のオアシスのようでクリーンだった。飛び込んだ時に囁いた言葉さえ溶け込んでしまったようだ。
「…抱きしめ返せないのは辛いところだな」
髪の毛の一筋さえ触れない。
「シャドウさんでもそんなこと言うんですね」
雪は顔を上げてシャドウを見た。座ったままの状態でいたので、二人の距離はかなり近い。
「俺をなんだと思っているんだ?ただの大木か何かと勘違いしてないか」
「そんなこと思ってないですよ!」
「…俺だってお前を抱きしめたい」
シャドウは木の幹に手をかけ、雪に顔を近づけた。
「待っ!」
雪は咄嗟に掌を顔の前に出した。掌はシャドウの唇に触れた。
掌で遮られたキスのシチュエーションはデジャヴュか?
シャドウは乾いた笑みを浮かべた。
「…そのままでいいから動くなよ」
「え…」
掌を挟んだままシャドウは雪に唇を寄せた。手の甲には雪の唇。掌にはシャドウの唇。
「…また、らしくないことをした。悪い」
シャドウは頬を赤らめてそっぽを向いた。雪も同じ色に染まっていたのは言うまでもない。
「おいそこのバカップル」
野次を飛ばすのはナイトメアだ。
「ちんたらしてる暇はないぞ。娘」
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