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5人の勇者 ファイバーズ 第十六話「テレポートでてんてこ舞い」2
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桃山の爆弾から発生した熱波と背中を押すような衝撃を背後に感じて、紅は反転する。
そして爆発を受けても、とどめを刺しきれていない怪人に向かって、手に持ったサブマシンガンから銃弾を放った。
「殆ど倒れてます。さすが桃山ちゃん」
目の前に広がる爆発後の光景は寂れた廃村の姿ではなく、地面がめくれ上がり、雑草が灰となり、怪人達だったものが転がる悲惨なものだった。
しかし紅の声は沈んだものではなかった。
「紅さんが囮をしてくれたおかげです」と桃山は照れながら返事を返す。
凄惨であるはずの光景の中に合って、彼等の言葉は明るかった。
それは彼等にとって怪人が自分たちとは全く違う知性が無く、理解し合える関係でもない敵だと認識されていたからこそのものだった。
怪人達は異世界から現れ、人を襲う。そこに対話の意思は微塵も存在しない。
理不尽。一言で言ってしまえば、そうとしか言いようの無い存在に対して彼等の中に遠慮は存在しない。
無論、ファイバーズとしての戦いの最初の頃には罪悪感もあった。
嫌悪感ならばある。気分は良いものじゃない。
それによって行動を妨げられなくなったのは、使命感もあるが、慣れによる所も大きい。
動かなくなった怪人達の体は二時間もすれば、大気に霧散するように消え失せる。
そうした要素も戦場の凄惨さを減らしていると言って良い。
子供達は必死で戦っている。
それは自分たちしか戦えないという使命感から来るものではあるが、辛いとも怖いとも思っている。
なぜ自分が戦わないと行けないのかと疑問に思う事だってある。だがそれでも、こうして週に一度戦場に立っていられるのは自分の為、自分の家族の為、そしてファイバーズの仲間達の為だからこそだった。
紅が話しながら発砲したサブマシンガンの銃声は軽いが、とどめを刺すには十分な威力があった。
片腕を失い、起き上がろうとしていた怪人が銃弾に倒れる。
倒れた怪人達を一瞥し、紅は表情を引き締める。
最前列に居る彼の役目は後方に居る全員の目の代わりとなる事だった。
「上位怪人の姿は無いです。怪人の生き残りが五——今四になりました」
紅の報告中に黄野の撃った銃弾を受けて怪人の一体が地面に倒れる。
報告を受けて指示を発するのは最年長者の青島の役目である。
青島は状況の変化を読み取り、指示を出す。
「紅君はそのまま下がって。黄野さん、緑川君はその場で残り怪人を」
「私はどうしたら良いですか?」
準備されていた爆弾を使い切った桃山は戦力としてみるのは不可能だ。彼女は幼いこともあって手が小さく、銃を上手く扱えないからだ。
であれば、安全なところにいた方が良い。
そう判断し、青島は予備の武装を準備している地点への移動を指示する事にした。
「武器置き場まで移動してほしい。俺は前に行くから」
「わかりました。移動します」
桃山の返事を聞きつつ、青島は前線に向かって駆け抜ける。紅と桃山もそれぞれ移動を始めていた。
その間に、黄野と緑川は打ち合わせをして青島から指示されたとおりに行動を開始する。
「緑川君から見て左から片付けてほしいな。私は右からやるから」
「うっす。わかりました」
細かな連携がそれぞれの間で決められて行く。
彼等は即席チームではあったのは四ヶ月前だ。それから一緒に死線をくぐり抜けた。
既にチームは形になっている。
最初は青島が事細かに指示を出さなくては動けなかった子供達はおおよその指示でもその内容を汲み取り、それぞれの頭で解釈し、効率よく動く為にはどうすれば良いかを知り、それぞれで声を掛け合って動けるまでになっていた。
そんな子供達の動きは青島の模倣でもあった。
なにをすれば良いのか、どんな指示を出すべきなのか?
それぞれの役割はなにで、なにが出来ないのか?
そうした事柄が青島の行動を通して子供達の頭には整頓されて収まっている。
それゆえに子供達はそれぞれが出来る事を頑張ろうと考えていた。
そして全員がそう思えているチームは強い。
残った怪人を倒して行く中で不意に、そうまったくの不意にそれは姿を現した。
太った人型。顔は犬のようであり、手にはステッキを持っていた。
どこかひょうきんな色合いでピエロの様でもある。
「上位怪人現れました!」
そう最初に報告したのは最も前に出ている紅だった。
「下がりながら撃ちますね?」
「良いぞ。やってやれ」
青島の許可を得て、紅はサブマシンガンを抱きかかえるようにして撃った。
上位怪人は紅に向かってステッキを振った。
先の膨らんだ中世のメイスを思わせるようなそのステッキは叩き付けられれば脅威となったであろう。
だがその距離は遠く、紅は訝む。
その瞬間、紅の目の前に広がる景色が突然に変化した。反射的に紅はひっくり返るような姿勢で地面を転がった。
彼のいた場所の周辺の地面が小さく爆ぜる。
意味が分からず混乱する紅から距離を置いていた緑川には彼になにが起きたか、はっきりと見えていた。
「だ、大丈夫ですか!? 紅さん!」
呼びかける緑川の声に走っていた青島が反応する。
「状況報告」
青島には慌てている様子はなく、言葉は短い。今見た光景に驚いていた緑川はハッとして状況を報告する。
「上位怪人と紅さんの位置が急に入れ替わりました」
位置が入れ替わった。
とりあえず正面に居る犬の顔をした上位怪人に銃口を向けていた紅は緑川の言葉で自身の身に起こった事を理解する。
「そうか。じゃあ、さっきのは僕が撃った弾だったんだね」
紅にも一瞬だけ何かが光ってこちらに何かが飛んできたのはわかっていた。
先ほどの入れ替わりの瞬間、紅の視線で見ると突然周囲の風景が変わると同時に銃弾で撃たれた気配があったのだ。
体が反射的に動いたので幸いにして弾は当たってない。
「紅君、怪我は?」
「大丈夫です」
その言葉に青島は安堵する。
上位怪人には特殊な能力を持つものが居る。
今まで現れたのは十五体。
一回の戦闘には必ず上位怪人と呼んでいる一体だけの特別な怪人が混ざっている。それは様々な能力を備えていた。
単純にタコのように腕が八本あるものもいれば、ドリルで地面に潜るやつ、岩のように固い奴。変わり種としては落書きを具現化させて戦う奴も居た。
それに対する青島の感想は一言だ。「むちゃくちゃ」である。
最初の頃、青島はこの理不尽さに対して問答無用の高火力で文字通りねじ伏せてきた。
それも上からの武装に関する禁止命令で出来なくなりつつあるのだが。
そんな上位怪人を如何に早く倒せるかが、対異世界人との戦いでは重要な要素だった。
しかし位置を入れ替えるとは厄介だ。射撃武器が通じにくいぞ。
そう内心で舌打ちをして、青島は対処法を考える為に口を開く。
「緑川君、相手が位置を入れ替えるときに予兆はあったかな?」
「手に持った武器を振ってました。それかもしれません」
「よし、俺が突いてみる。黄野さん、緑川君、その他の怪人を任せた。紅君、俺が着くまでその敵を引きつけてくれ」
「拳銃で対応します」
その紅君の返事に青島はニヤリと笑う。
拳銃の弾であれば、ファイバーズのユニフォームは傷つかないのは青島自身が実験済みだった。
紅の使っているP90はやや拳銃の弾よりも威力が高い。
銃弾の当たり角度が悪ければ、ファイバーズのユニフォームの防御能力を超えてしまう可能性がある。
位置が入れ替わるのであれば、誤って当たっても問題の無い拳銃が一番だ。
「良い判断だ」
「はい」
青島の言葉に紅はちょっと嬉しそうに答えて、その場で踊るようなステップを踏んでいる上位怪人を見据えながらP90を地面に置く。
それから胸のホルスターから拳銃を引き抜いて構えた。
紅は初弾を拳銃へ装填し、上位怪人に向かって走る。
右腕で拳銃を構え、左手でその手を覆うようにする練習どおりのスタンダードな構えをして引き金を引く。
その銃弾を上位怪人は太った体に見合わない軽快な動きで、飛び跳ねるようにして避ける。
「見た目より身軽です。銃弾を避けました」
「接近しすぎないように」
紅の報告に青島は注意を促す。その会話の終わりを遮るように黄野の声が聞こえた。
「最後の怪人、終わり! 私も狙った方が良い?」
青島は状況を読み、狙撃を止めるように口にする。
「狙撃は中止。黄野さんは全体の把握。異常があれば知らせて」
「りょーかい。必要になったら言ってね」
「また入れ替わった! 弾が当たりそうだと入れ替わるみたいです」
黄野さんの言葉に被せるように発せられた紅のその言葉に青島はこう考えた。
敵の怪人の能力は位置の入れ替えだ。であれば多方向から十字砲火でも弾を当てるのは難しいだろう。
であれば背後からの不意打ち。認識外からの攻撃あたりが妥当か。
「青島さん、あの、テレポート先に爆弾を仕掛けておくのはどうでしょうか?」
不意に桃山がそう提案した。
対処法を思い描いていた青島は提案に驚く。
なんとも過激で、妙案に思えた。
位置が入れ替わるなら、その入れ替わり先に爆弾を仕掛ける……考えてもみないその提案に青島はしばらく悩む。
頭の中でシミュレーションを行うと、出来ると判断する。
そう言われる前に青島が想定していた作戦は二つまでだった。
一つは背後からの一撃。二つ目は入れ替わった瞬間の狙撃。
最初の一つ目はとどめを刺す為にライフルを使用する点がネックとなる。
入れ替わりが発生しないというのが作戦の前提である異常発生してしまった場合、当然入れ替わった先で撃たれる事になる。
二つ目の問題点は入れ替わる囮役を狙撃手が事前に狙い、入れ替わった瞬間に入れ替わる。
この作戦の場合は逆に入れ替わりが発生しなかった場合がネックとなる。
けれども桃山の提案した第三案は入れ替わった瞬間に爆発させれば良い。
入れ替わらなければ爆発しなければ良い。安全度が極めて高い。
「良い案だ。それでいこう」
そして爆発を受けても、とどめを刺しきれていない怪人に向かって、手に持ったサブマシンガンから銃弾を放った。
「殆ど倒れてます。さすが桃山ちゃん」
目の前に広がる爆発後の光景は寂れた廃村の姿ではなく、地面がめくれ上がり、雑草が灰となり、怪人達だったものが転がる悲惨なものだった。
しかし紅の声は沈んだものではなかった。
「紅さんが囮をしてくれたおかげです」と桃山は照れながら返事を返す。
凄惨であるはずの光景の中に合って、彼等の言葉は明るかった。
それは彼等にとって怪人が自分たちとは全く違う知性が無く、理解し合える関係でもない敵だと認識されていたからこそのものだった。
怪人達は異世界から現れ、人を襲う。そこに対話の意思は微塵も存在しない。
理不尽。一言で言ってしまえば、そうとしか言いようの無い存在に対して彼等の中に遠慮は存在しない。
無論、ファイバーズとしての戦いの最初の頃には罪悪感もあった。
嫌悪感ならばある。気分は良いものじゃない。
それによって行動を妨げられなくなったのは、使命感もあるが、慣れによる所も大きい。
動かなくなった怪人達の体は二時間もすれば、大気に霧散するように消え失せる。
そうした要素も戦場の凄惨さを減らしていると言って良い。
子供達は必死で戦っている。
それは自分たちしか戦えないという使命感から来るものではあるが、辛いとも怖いとも思っている。
なぜ自分が戦わないと行けないのかと疑問に思う事だってある。だがそれでも、こうして週に一度戦場に立っていられるのは自分の為、自分の家族の為、そしてファイバーズの仲間達の為だからこそだった。
紅が話しながら発砲したサブマシンガンの銃声は軽いが、とどめを刺すには十分な威力があった。
片腕を失い、起き上がろうとしていた怪人が銃弾に倒れる。
倒れた怪人達を一瞥し、紅は表情を引き締める。
最前列に居る彼の役目は後方に居る全員の目の代わりとなる事だった。
「上位怪人の姿は無いです。怪人の生き残りが五——今四になりました」
紅の報告中に黄野の撃った銃弾を受けて怪人の一体が地面に倒れる。
報告を受けて指示を発するのは最年長者の青島の役目である。
青島は状況の変化を読み取り、指示を出す。
「紅君はそのまま下がって。黄野さん、緑川君はその場で残り怪人を」
「私はどうしたら良いですか?」
準備されていた爆弾を使い切った桃山は戦力としてみるのは不可能だ。彼女は幼いこともあって手が小さく、銃を上手く扱えないからだ。
であれば、安全なところにいた方が良い。
そう判断し、青島は予備の武装を準備している地点への移動を指示する事にした。
「武器置き場まで移動してほしい。俺は前に行くから」
「わかりました。移動します」
桃山の返事を聞きつつ、青島は前線に向かって駆け抜ける。紅と桃山もそれぞれ移動を始めていた。
その間に、黄野と緑川は打ち合わせをして青島から指示されたとおりに行動を開始する。
「緑川君から見て左から片付けてほしいな。私は右からやるから」
「うっす。わかりました」
細かな連携がそれぞれの間で決められて行く。
彼等は即席チームではあったのは四ヶ月前だ。それから一緒に死線をくぐり抜けた。
既にチームは形になっている。
最初は青島が事細かに指示を出さなくては動けなかった子供達はおおよその指示でもその内容を汲み取り、それぞれの頭で解釈し、効率よく動く為にはどうすれば良いかを知り、それぞれで声を掛け合って動けるまでになっていた。
そんな子供達の動きは青島の模倣でもあった。
なにをすれば良いのか、どんな指示を出すべきなのか?
それぞれの役割はなにで、なにが出来ないのか?
そうした事柄が青島の行動を通して子供達の頭には整頓されて収まっている。
それゆえに子供達はそれぞれが出来る事を頑張ろうと考えていた。
そして全員がそう思えているチームは強い。
残った怪人を倒して行く中で不意に、そうまったくの不意にそれは姿を現した。
太った人型。顔は犬のようであり、手にはステッキを持っていた。
どこかひょうきんな色合いでピエロの様でもある。
「上位怪人現れました!」
そう最初に報告したのは最も前に出ている紅だった。
「下がりながら撃ちますね?」
「良いぞ。やってやれ」
青島の許可を得て、紅はサブマシンガンを抱きかかえるようにして撃った。
上位怪人は紅に向かってステッキを振った。
先の膨らんだ中世のメイスを思わせるようなそのステッキは叩き付けられれば脅威となったであろう。
だがその距離は遠く、紅は訝む。
その瞬間、紅の目の前に広がる景色が突然に変化した。反射的に紅はひっくり返るような姿勢で地面を転がった。
彼のいた場所の周辺の地面が小さく爆ぜる。
意味が分からず混乱する紅から距離を置いていた緑川には彼になにが起きたか、はっきりと見えていた。
「だ、大丈夫ですか!? 紅さん!」
呼びかける緑川の声に走っていた青島が反応する。
「状況報告」
青島には慌てている様子はなく、言葉は短い。今見た光景に驚いていた緑川はハッとして状況を報告する。
「上位怪人と紅さんの位置が急に入れ替わりました」
位置が入れ替わった。
とりあえず正面に居る犬の顔をした上位怪人に銃口を向けていた紅は緑川の言葉で自身の身に起こった事を理解する。
「そうか。じゃあ、さっきのは僕が撃った弾だったんだね」
紅にも一瞬だけ何かが光ってこちらに何かが飛んできたのはわかっていた。
先ほどの入れ替わりの瞬間、紅の視線で見ると突然周囲の風景が変わると同時に銃弾で撃たれた気配があったのだ。
体が反射的に動いたので幸いにして弾は当たってない。
「紅君、怪我は?」
「大丈夫です」
その言葉に青島は安堵する。
上位怪人には特殊な能力を持つものが居る。
今まで現れたのは十五体。
一回の戦闘には必ず上位怪人と呼んでいる一体だけの特別な怪人が混ざっている。それは様々な能力を備えていた。
単純にタコのように腕が八本あるものもいれば、ドリルで地面に潜るやつ、岩のように固い奴。変わり種としては落書きを具現化させて戦う奴も居た。
それに対する青島の感想は一言だ。「むちゃくちゃ」である。
最初の頃、青島はこの理不尽さに対して問答無用の高火力で文字通りねじ伏せてきた。
それも上からの武装に関する禁止命令で出来なくなりつつあるのだが。
そんな上位怪人を如何に早く倒せるかが、対異世界人との戦いでは重要な要素だった。
しかし位置を入れ替えるとは厄介だ。射撃武器が通じにくいぞ。
そう内心で舌打ちをして、青島は対処法を考える為に口を開く。
「緑川君、相手が位置を入れ替えるときに予兆はあったかな?」
「手に持った武器を振ってました。それかもしれません」
「よし、俺が突いてみる。黄野さん、緑川君、その他の怪人を任せた。紅君、俺が着くまでその敵を引きつけてくれ」
「拳銃で対応します」
その紅君の返事に青島はニヤリと笑う。
拳銃の弾であれば、ファイバーズのユニフォームは傷つかないのは青島自身が実験済みだった。
紅の使っているP90はやや拳銃の弾よりも威力が高い。
銃弾の当たり角度が悪ければ、ファイバーズのユニフォームの防御能力を超えてしまう可能性がある。
位置が入れ替わるのであれば、誤って当たっても問題の無い拳銃が一番だ。
「良い判断だ」
「はい」
青島の言葉に紅はちょっと嬉しそうに答えて、その場で踊るようなステップを踏んでいる上位怪人を見据えながらP90を地面に置く。
それから胸のホルスターから拳銃を引き抜いて構えた。
紅は初弾を拳銃へ装填し、上位怪人に向かって走る。
右腕で拳銃を構え、左手でその手を覆うようにする練習どおりのスタンダードな構えをして引き金を引く。
その銃弾を上位怪人は太った体に見合わない軽快な動きで、飛び跳ねるようにして避ける。
「見た目より身軽です。銃弾を避けました」
「接近しすぎないように」
紅の報告に青島は注意を促す。その会話の終わりを遮るように黄野の声が聞こえた。
「最後の怪人、終わり! 私も狙った方が良い?」
青島は状況を読み、狙撃を止めるように口にする。
「狙撃は中止。黄野さんは全体の把握。異常があれば知らせて」
「りょーかい。必要になったら言ってね」
「また入れ替わった! 弾が当たりそうだと入れ替わるみたいです」
黄野さんの言葉に被せるように発せられた紅のその言葉に青島はこう考えた。
敵の怪人の能力は位置の入れ替えだ。であれば多方向から十字砲火でも弾を当てるのは難しいだろう。
であれば背後からの不意打ち。認識外からの攻撃あたりが妥当か。
「青島さん、あの、テレポート先に爆弾を仕掛けておくのはどうでしょうか?」
不意に桃山がそう提案した。
対処法を思い描いていた青島は提案に驚く。
なんとも過激で、妙案に思えた。
位置が入れ替わるなら、その入れ替わり先に爆弾を仕掛ける……考えてもみないその提案に青島はしばらく悩む。
頭の中でシミュレーションを行うと、出来ると判断する。
そう言われる前に青島が想定していた作戦は二つまでだった。
一つは背後からの一撃。二つ目は入れ替わった瞬間の狙撃。
最初の一つ目はとどめを刺す為にライフルを使用する点がネックとなる。
入れ替わりが発生しないというのが作戦の前提である異常発生してしまった場合、当然入れ替わった先で撃たれる事になる。
二つ目の問題点は入れ替わる囮役を狙撃手が事前に狙い、入れ替わった瞬間に入れ替わる。
この作戦の場合は逆に入れ替わりが発生しなかった場合がネックとなる。
けれども桃山の提案した第三案は入れ替わった瞬間に爆発させれば良い。
入れ替わらなければ爆発しなければ良い。安全度が極めて高い。
「良い案だ。それでいこう」
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