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第三章

24.

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 マノンがいなくなり、2人きりになる。
 真夜中の静まり返った部屋、ベッドサイドの灯りだけが、2人の顔を照らしている。
 リゼットの手をとり、ヴォルターは呼吸に合わせて撫でる。
 ベッドから上半身だけ起き上がり、ぼんやりとそれを眺めるリゼット。

「まだ朝まで時間があります。少し休みませんか?」

 ゆったりとした声で、ヴォルターが提案する。このまま朝まで過ごすつもりはなかった。
 昨日、想いを伝えたばかり。そして自分は警護をする役割を持っている。
 リゼットの体調が一番に心配だった。
 しかしリゼットは首を横に振った。

「寝られそうもありません……」

 リゼットの不安は強くなっていた。少し呼吸が浅く、早くなっている。
 リゼット自身は夢の内容をはっきりとは覚えていなかったけれど、目を閉じてじっとしていることはできなかった。

「とりあえず横になってください。起き上がっているよりも、体は休めます」

 横になったリゼットの首まで、ブランケットを掛ける。リゼットはしっかりとブランケットに包まれる。
 春の終わりとはいえ、夜の湖畔は気温が低い。
 ブランケットで温まれば、寝つきやすいかと思った。しかし、リゼットは目を閉じない。その両目はヴォルターの一挙一動を見つめていた。

「何かしてほしいことがあるのですか?」
「え……」
「いえ。あまり見られているので、何かあるのかと思ったのですが?」
「淋しいだけです」

 淋しいとは、先ほど目覚めた後から訴えていることだった。
 ヴォルターは少し考えて、ベッドサイドの椅子をリゼットの側まで引き寄せて、腰掛けた。
 リゼットの右手をとり、両手で包み込む。

「これは、どうですか?」
「……温かいです」
「他にして欲しいことはありますか?」
「いいえ、これで十分です。それに、ヴォルターの目はとても綺麗なのね。私、好きよ」

 リゼットは少しだけ口角をあげた。
「好き」の言葉にドキッとする。
 ヴォルターの手の熱が、心地良かったらしく、リゼットは握り返してきた。
 リゼットの右手の中指には指輪がある。それを指先で撫でる。指に軽く電気が走ったような痺れがあった。

 リゼットの身を守る指輪。けれど、基準はレオナードに有る。ライバルのヴォルターには、軽い攻撃になるのだろうか。
 ヴォルターは小さな痛みを無視して、撫でる手を止めなかった。

( ――この痛みもすぐに慣れる)

 リゼットの様子を見ると、まだ目を開けているが、眠たそうにうとうとし始めていた。
 ヴォルターの手の体温が移ったかのように、リゼットの手も温かくなっていた。
 しばらくすると、呼吸も穏やかになり、寝ついたようだった。

( ――さて、どうしようか)

 手を離して部屋を出るか、それともこのまま側で見守るか、ヴォルターは思案する。リゼットの手は力が抜けて、ブランケットの中に戻すのは、きっと簡単に違いない。
 しかし、少し離れようとすると、リゼットが「行かないで」と呟いた。

「……起きているのですか?」

 ヴォルターが、リゼットの耳元で囁く。しかし返事はなかった。
 どうやら寝言らしい。
 仕方なく、また手を取って過ごすことにした。
 手が触れると、リゼットは小さく笑って、こちらの方に体を向けた。もう安心して寝ているのだろうと思った。

 ただ警護している時より、この夜はとても長く、緊張した。

 ◇◇◇

 翌朝、マノンが部屋に入ると、深夜に見たままの2人がいた。
 部屋の前にヴォルターがいない時点で、ある程度は予想していたけれど。

「何もしていません」

 ヴォルターは主張した。
 マノンは、ヴォルターが何かすると思えなかったのだが、言葉にされると安心した。

「リゼットお嬢様は、あの後うなされたりしていませんか?」
「いえ。すぐに眠って、一度もうなされていません」
「……そうですか。では、やはりヴォルター様が側にいたほうがいいのかもしれませんね」
「え?」

 ヴォルターは、冷静に話すマノンを二度見した。

「マノン、良いのですか?」
「リゼットお嬢様は、真夜中にうなされているのですよ。健康を考えたら、ヴォルター様がいたほうが安心できます。決して手出しなさらないのでしょう?」
「無論です」

 ヴォルターが頷いた。
 マノンはリゼットよりも少し年上で、側仕えでもあり姉のような存在でもある。彼女に決定権はないけれど、リゼットに誰よりも寄り添っていた。
 この2ヶ月ほど、リゼットの立場が揺らいでいることに、マノンが一番に心配していることだろうと思った。

「マノンにも誓います。リゼットのことは任せていただきたいのです。もし不快なことがあれば、教えてください」
「私はただの側仕えです。出来ることは限られていますが、それで良ければお伝えします」

 マノンはヴォルターの誠意に応えようと思った。

「……マノン?」

 リゼットが身を起こした。話し声で、目が覚めたらしい。
 ヴォルターがいて、驚いてブランケットをかぶる。

「ヴォルター様、ど、どうして……?」
「どうしてじゃありませんよ!リゼットお嬢様が、ヴォルター様を引き止めていたんですよ」
「え、そんな、まさか……」

 リゼットは今日も覚えていないらしい。名前にも様付けになっている。
 ヴォルターはリゼットの手を取り、昨夜と同じように手を撫でた。

「ずっと、こうしていたのですが、覚えていらっしゃらないのですね」
「本当に……?……あ、ありがとう、ございます……?」

 声がうわずるリゼットに、ヴォルターは微笑みかける。耳まで真っ赤になって、可愛らしい。
 その手に口づけようかと思ったが、マノンに「着替えが先です」と部屋を追いやられた。

 ヴォルターは部屋の外で、小さくため息をついた。
 昨夜はリゼットと会話をしたので、少しくらい覚えていて欲しかった。けれど、全く覚えていない。
 もし『闇の配下』の仕業なら、リゼットの指輪や、ベッドサイドに置いている髪飾りが何らかの反応をするだろう。
 しかし、何もなかった。

 あるいは、リゼットの精神状態が夜に不安をもたらすのだろうか。
 日中の様子は変わらない。
 ただ、最初に出会った頃より、疲れやすくなっていた。

 魔法の鳥を呼び出し、ウルリッヒ宛に飛ばす。
 数分で戻ってくる。
「いつでも良い」との返答に、ヴォルターは安堵した。
 王とどういうやりとりをして、ヴォルターを婚約者に掲げたのか、ウルリッヒの腹の中は不透明だ。しかし、頼れるのは彼しかいなかった。
 思考を巡らせていると、リゼットが声をかけてきた。目の前で、不思議そうに顔を見ている。
 ヴォルターが気がつくと、申し訳なさそうな声で話した。

「ヴォルター。混乱をしてしまい、すみません。昨夜のことはマノンから聞きました。わたくしがうなされていたところを、助けてくれたのですね?」
「ええ、そうです。リゼット様は何か覚えていますか?」

 ヴォルターが問うと、リゼットはヴォルターの手をとり、ぎゅっと握った。
 リゼットの力で握っても、痛くもないし、心地良い。

「ヴォルターがずっとこうしてくれていたことは、少しだけ覚えています」
「少しですか?」
「ええと、そう!……温かくて心地良かったです」
「では、今夜も同じようにしましょう。リゼットがうなされないように、私がそばでお守りします」
「……お願いします」

 リゼットから了承を得て、胸が高鳴った。
 それと、「好き」と言ったことを覚えていなくて、少し落胆した。
 しかし、今は警護をする身。
 個人的な感情は捨てて、冷静になる。

「リゼット、食事が済んだら、ウルリッヒ様の城に行きます。竜の力について、少し知りたいことがあります」
「ええ、わかりました」

 歩きながら、今日の予定を伝える。後ろからマノンも付き添う。

「それから、終わったら城下を歩きませんか?」
「城下ですか?」
「ええ、いわゆるデートです」 
「デート?」
「デートをご存知ないのですか?」

 驚くリゼット、また顔が赤くなっている。ヴォルターはリゼットが知らないと思わなかったけれど、聞いてみた。

「ええ、外に出かけることはあまりなかったのです。ほとんどわたくしの屋敷で過ごしていました」

 レオンが屋敷に来て、お茶とお菓子でもてなして、いろいろな話をして過ごすことはあったけれど。
 外に出かけるのは、他の貴族のお茶会以外ほとんどなかった。
 レオンがリゼットを囲っていた、といえば言葉が悪いが、ヴォルターはもったいないと思った。

「ミヨゾティースの城下町は、きっと王都と違う楽しみがあるかと思います。気分転換にいかがですか?」
「そうですね、デート……」
「デートです。まあ、あまり身構えなくて大丈夫です。せっかくミヨゾティースにいるので、屋敷とウルリッヒ様の城だけの日々よりは、良いかと思いますよ」
「わかりました……」

 リゼットは少し困ったようだったが、顔は微かに笑っていたので、楽しみなのだと思った。
 リゼットが応接室で食事をとる。その間は、ヴォルターの仮眠の時間になるので一度別れる。
 扉の前で立ち止まり、少し困った顔になるリゼットに、ヴォルターは「淋しいですか?」と聞いてみる。
 すると首を横に振る。けれど、ヴォルターはリゼットを引き寄せて、抱きしめた。

「ヴォルター……」
「ほんの少しだけの時間ですよ?」
「そうね、どうかしているわ」
「リゼット、大丈夫ですよ。食事をしたらすぐ私を呼んでください」
「でも、ヴォルターも寝ないと……」
「リゼットの可愛い願いでしたら、私はとても嬉しいです」
「ごめんなさい」

 そう言ってリゼットは離れた。
 振り向かないで部屋に入るリゼット。
 ヴォルターはマノンに「食事が終わったら呼んでほしい」と言付ける。
 実際、リゼットが食事を終えて、すぐに戻ってきた。そして、皿にほとんど残った食事を見る。

「食欲がないのですか?」
「……ええ。今日はなんだか食べたくないの」

 ミヨゾティースに来た頃も、お茶以外摂っていなかったと聞く。
 それよりは幾分か食べているけれど。

「デートが嫌ですか?」
「そんなことはないわ。……楽しみにしているわ」
「では、少しでも食べないとデート前に倒れますよ?」
「う……」

 ヴォルターがフォークと皿を持って、リゼットに近づける。

「食べさせましょうか?」
「……え?」
「あーん、です。子どもにやるみたいに」
「いえ、自分で食べます!」

 リゼットがフォークを受け取り、食事を再開する。
 一口が小さくて、なかなか進まなかった。3分の1の量を食べて、手が止まった。

「ヴォルター様、リゼットお嬢様に無理させないでくださいね」

 マノンがにっこりしていたが、目は笑っていない。これ以上は食べられないでしょうと、食事を下げた。

「ごめんなさい、マノン」
「申し訳ありません」

 2人で謝ると、マノンはふふっと笑った。
 2人にお茶を用意して、ヴォルターにもリゼットとお茶を楽しんでほしいと促す。
 リゼットの向かいの椅子に、ヴォルターは腰掛ける。
 花の香りがする紅茶は、領民が持ってきた贈り物のひとつだった。
 リゼットには砂糖をふたつ、ヴォルターは砂糖無しで飲む。

「そういえば、ヴォルターと呼んでくださっていますね」
「ええ、でもまだ慣れません」
「いいですよ、これからもたくさん呼んで、慣れてくださると嬉しいです」
「はい……。ヴォルターは優しいのですね」

 ヴォルターは「ええもちろんです」と笑った。
 ヴォルターが何か言いかけると、部屋に魔法の鳥が飛び込んできた。
 鳥はヴォルターの腕に止まり、鳴いた。

「リゼット様は何時になったら城に来るのじゃろうか?」

 待ちきれないウルリッヒからの催促の声だった。

 ヴォルターは、リゼットに「どうしますか?」と聞く。
 リゼットはマノンを呼んで、急いで支度をしたいと伝える。マノンは「大急ぎでも1時間はかかります!」と言った。

 ヴォルターは移動時間も含めて余裕を持った城への到着時間を、魔法の鳥に吹き込んで飛ばした。

 部屋に戻ろうとするリゼットには、「ゆっくりしても良い」と声をかける。

「ウルリッヒ様が急かしても、貴女はのんびり構えていいのですよ。あの方は、いつも急かしてきます。けれど、貴女は貴女のペースで動けるよう、私が守ります」
「……ありがとう」

 優しく笑うリゼット。
 その顔は、レオンにだけ向けていた顔と良く似ていた。

 ◇◇◇

 馬車がウルリッヒの城に到着すると、ウルリッヒが出迎えていた。
 昨夜、シュメリング一族の前で演説した時と同じようなテンションだった。

「リゼット様、お待ちしていましたのじゃ」
「ウルリッヒ様、昨夜は途中で帰ってしまい申し訳ありません」
「いやいや、一族が多くて、気疲れしたことでしょう。ヴォルターからも無理をさせないようにと進言されたのじゃ。儂こそすまなかった」
「いいえ、そんな……」

 リゼットが謝罪のお辞儀をすると、ウルリッヒはまったく気にしていない様子だった。
 リゼットの隣に立つ、ヴォルターにも視線をやる。

「……今日はお茶を飲みながら、少し話しをしようと思っているのじゃが。また菓子を用意しておる。リゼット様の口に合うといいのじゃが」
「お菓子ですか?……楽しみです」
「そうか!では庭園に用意しておるので、案内しよう」

 ウルリッヒがウキウキして、歩く。
 リゼットが並ぶと、孫が遊びにきたことを喜ぶ祖父にも見えなくなかった。
 ヴォルターが婚約者候補となったことで、リゼットへの対応に変化をみせた。
 以前から、竜の力の継承者としての優遇はあった。しかし、婚約が絡んでからは、ヴォルターも巻き込んで「すでに婚約が決定している」ような様子を見せる。

 レオンは今は他国に出向いていて、婚約も解消したと言っていた。
 王の了承済みだと言う。
 しかし、これまでのレオンの行動への罰としても、そこまで追いやる必要はあっただろうか?
 ヴォルターは、ウルリッヒを中立の立場だと思っていたが、夜会からの発言で警戒を強めようと思った。
 しかし、竜の力の継承については、ウルリッヒ以上に知る者がいないのも確かだ。

(うまく利用するしかないのだろうか?)

 リゼットが振り返って、ヴォルターが立ち止まっていることに気付く。

「ヴォルター、どうしたのですか?」
「あ、いいえ。なんだかウルリッヒ様と並んでいると、仲が良いと思いまして」

 正直に、先ほど思ったことを口に出す。ウルリッヒは破顔して喜んだ。

「そうじゃろう。リゼット様とは遠いとも血縁じゃ。家族と言われても嬉しいぞ」
「そういえば、母の一族もシュメリング一族と血縁でしたね」
「ああそうじゃ。そのうち、リゼット様の祖父とも会う機会を設けよう」
「祖父が、生きているのですか?」

 リゼットには父と母しか知らなかった。
 父方の祖父母はリゼットあ生まれる前に他界している。母が実家を飛び出しているので、母方の祖父がいることは、全く知らなかった。

「もちろんじゃ。体を壊して、今は寝込んでいるが、会うことはできる」
「……!会いたいです」
「わかった。儂に任せてくれ」

 ウルリッヒは祖父との都合がついたら、連絡をくれる約束をした。ヴォルターは、リゼットの母の一族がいることは知っていたが、居場所までは知らなかった。
 これもウルリッヒにしかできないことのひとつだった。

 城の庭園に通される。
 庭園の中ほどに、屋根付きの東屋がある。そのそばには池があり、水鳥が優雅に泳いでいた。
 よく見ると、池の中に魚が泳いでいる。
 東屋の周りには、木々が木漏れ日を作り、季節の花が咲き誇っていた。
 サンドローズ邸もバラ園も素敵だったけれど、ウルリッヒの城はさらに広く豪華だった。

 それぞれ腰掛けると、使用人がお茶とお菓子をワゴンに乗せて運んできた。

 花びらが浮かぶ紅茶と、季節の果物が入ったゼリーがテーブルに置かれる。
 先にウルリッヒが紅茶とゼリーを食べ、次にヴォルターが。そうしてリゼットがやっと食べられる。

「この紅茶の花は、儂が改良して食べられるようにしたのじゃ」
「花が食べられるのですね。浮かべているだけでも素敵なので、食べるのがもったいないです」
「リゼット様に召し上がってもらえたら、花を育てた儂の苦労も報われるのじゃ」
「そうですか……では」

 リゼットが花びらを口に含む。
 花の甘い香りが、口の中に広がる。
 思わずにっこりすると、ウルリッヒが満足そうに笑った。

「ゼリーも召し上がってくだされ。こちらも儂の領地の特産なのじゃ」
「ええ、いただきます」

 ゼリーの中には、薄黄色の柑橘が、一房ずつ皮を剥いて入れられている。
 ゼリー自体にも、果実の色がついていて、果汁を使用していた。

「すこし酸味があって、暑い季節でも喉ごしが良さそうですね。ウルリッヒ様からいただくお菓子は、わたくしとても好きです」
「そうか、そうか。リゼット様が喜んでくださるなら、作り方も果物も屋敷に届けさせよう」
「ええ?良いのですか?」
「もちろんじゃ。他にも菓子があるので、いつでも用意させましょうぞ」

 リゼットが大喜びするので、ウルリッヒも良い気分になる。
 ヴォルターは、ウルリッヒの言葉に嘘は含まれていないが、裏がないとは思えなかった。しかし、紅茶も菓子の味も嘘がなかった。
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