王子に溺愛された、平凡な少女の話

ハルノ

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短編集02.

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 三章29話後。
 ミヨソディースの城でウルリッヒとの件が解決した数日後のお話。

 ◇◇◇

 リゼットが魔力を使い果たして、倒れた後、2日眠りについた。
 ヴォルターも1日眠った。

 先に起きたのはヴォルターだった。
 その間警護をしていたジェラルドと、お世話をしていたマノンに様子を聞く。

「警護は問題なかったよ。リゼット様は静かに眠っていたし」
「静かすぎて、私は何度も呼吸を確認しました。でも本当に穏やかに眠っていました」

 ふたりの言う通り、部屋に入ってリゼットの顔を見ると、すうすうと眠っている。
 ブランケットの胸の辺りが上下するのを見て、呼吸をしているとわかる。
 額に手を当てて、髪を撫でる。出会った頃ダークブラウンの髪だったが、今は銀糸のような髪色になっている。
 竜の力の継承者になり、その力の影響で変わってしまった。
 瞳もフォレストグリーンから、金と緑のオッドアイに変わっている。
 それ以外は以前と変わりないリゼットだが、周囲の急速な変化についていけなかった。

 リゼットがゆっくりと目を開けた。ぼんやりと天井を見て、ヴォルターに気がつく。

「リゼット、目が覚めましたか?」

 リゼットは意識がはっきりしたのか、驚いた顔になった。
 口を動かすけれど、声にならない。

「マノンを呼びますね。何か飲みましょう」

 ヴォルターが部屋の外、マノンを呼ぶ。マノンはお茶と軽食の支度に行く。
 リゼットはゆっくりと起き上がろうとした。力が入らず、ヴォルターが支える。

「リゼットは2日眠っていたのですよ。お腹が空きませんか?」

 リゼットはふるふると首を横に振った。せめてお茶でもと、マノンを待つ。
 少しして、マノンはお茶と軽食を持ってきた。
 お茶を冷ましてから、リゼットに差し出す。ほんの少しだけ口をつけて、カップを降ろす。手が震えている。
 ヴォルターが手を添え、リゼットの手ごとカップを支えた。

「ご、めんなさい……」

 リゼットが呟くように小さな声で謝る。ヴォルターはそれに首を振って否定する。

「……マノン」
「お嬢様が目を覚まして、本当に良かったです」

 さぁさぁと、マノンがフルーツゼリーをひと匙すくって、口へ運ぶ。果汁がたっぷり使われたゼリーは、口の中で果物の甘さが広がる。
 食欲がなくても、抵抗なく食べられた。

「このゼリーに使われているストロベリーは、ミヨゾディース産のものです。ちょうど旬なので、ジャムにしても、潰してジュースにしても美味しいですよ」
「今朝、領民の方々が、屋敷まで届けてくださったのです。昨日まで恵みの雨が降り、ストロベリーが甘く育ったと喜んでいました。朝一の摘みたてだそうですよ」

 リゼットが果肉を食べられるかわからなかったため、果汁だけでゼリーを作ったのだそうだ。
 リゼットの屋敷の料理人も、ミヨソディース出身のため、旬のものは把握している。

「お嬢様が食べられそうでしたら、果物もいくつかお持ちしますよ」
「……今はゼリーで十分よ。でも、摘みたてのストロベリーは美味しいでしょうね」

 まったく食欲がないようではなく、マノンは内心ホッとした。ミヨソディースに来た頃の、全てを拒絶するような日々に戻るのではないかと危惧していたから。

 ◇◇◇

 翌日、領民からふたたびストロベリーが届いた。
 大きいボウル5個分のストロベリー。

 リゼットの朝食はストロベリー尽くしとなった。
 ヘタをカットして蜂蜜をかけて、ヨーグルトに添えたもの。果肉を残したままジャムにしてトーストに載せたもの。果汁を絞ったジュース。

「ずいぶんたくさんあるのですね」
「ええ、生食はその日のものが良いのだそうです。残ったものは煮詰めてジャムにするそうです」
「ジャムですか、良いですね」
「他に希望があれば、料理人に伝えますよ」

 リゼットは少し考えて、遠慮がちにマノンに伝える。

「もし、迷惑じゃなかったら、わたくしもジャム作りをしたいわ」
「そう言えばミヨゾディースに来てから、お菓子作りする余裕もなかったですものね」
「そうなの。このストロベリーで、お菓子を作れたらと思って……」

 マノンは「朝食後に料理人へ伝えます」と言った。
 そうして、朝食後にヴォルターが警護に戻ったタイミングで、料理人へ話をしに行った。
 リゼットは、マノンが淹れてくれたお茶を飲みながら、部屋の窓際のソファに腰掛けて待つことにした。

 王都の屋敷では、レオンのために良くお菓子作りをしていた。けれど、ミヨゾディースに来てからは、レオンともほとんど会えず、そもそも気持ちの余裕もなかった。

「リゼット、なんだか機嫌が良さそうですね?」

 ヴォルターが、微笑む。
 リゼットはどんなお菓子を作ろうかと、イメージをしていたことを伝えた。
 
「ストロベリーのお菓子ですか?ジャム以外にもあるのですか?」
「ゼリーやムースにしても、酸味があってスッキリした味になります。ちょっと手間がかかりますが、果肉を潰してミルクと砂糖を混ぜてアイスも良いですよ。今朝食べたものは甘味も強くて、砂糖は少なくても良いくらい、美味しかったです」

 普段より饒舌に話すリゼットは珍しく、思いついたお菓子ひとつひとつを話す表情はとても可愛らしかった。

「良いですね、是非、私も食べてみたいです」
「ヴォルターも、食べてくださるのですか?」

 リゼットが驚いたように、目を合わせる。

「せっかく作るのであれば、私も食べたいです。他に食べて欲しい方がいるのですか?」
「あ……、ええと」
「レオナード様、ですね」

 ヴォルターが答える。
 どうしたって、彼以外に検討はつかなかった。
 リゼットが思い出して少し視線を彷徨わせる。

「ええと、以前の話です。王都にいた頃。婚約者だった頃は、いつも作っていたのです。今は……違い、ま、す」

 消え入りそうな声を出すリゼットに、少々意地悪を言ってしまったとヴォルターは申し訳なく思った。

「けれど、今日はヴォルターに食べて欲しいです。……本当ですっ!」

 頬をふくらませて主張するリゼットに、ヴォルターは謝罪した。
 マノンが戻り、料理人からキッチンを使う許可を得たと伝える。
 1時間後からキッチンを好きに使って良いとのことだった。

 ◇◇◇

「では、さっそく料理をしましょう」

 リゼットは普段用のシンプルなドレスに、エプロンを着る。
 手を洗って、清潔な布で拭く。
 ボウルに入ったストロベリーも軽く水に浸けて、ひとつひとつ手でヘタを取る。

「私も手伝ってもよろしいですか?」

 リゼットが驚くが、ヴォルターは手を洗う。

「良いのですか?」
「待っているよりも、一緒に作りたいです」

 ヴォルターが真摯な眼差しで見つめると、リゼットの頬がストリベリーの果肉のように赤くなる。

「え、ええ。もちろんですっ!」

 では、と並んでストロベリーのヘタ取りをする。
 ヘタを取ると、別のボウルに移動させる。そして20個ほどのストロベリーに砂糖をかける。

「今日はゼリーを作ります。ミルクとストロベリーの二層のゼリーにします。見た目も綺麗なんですよ」
「それは楽しみです」

 砂糖が馴染むまでに、ミルクゼリーを作る。
 小鍋にミルクと砂糖を入れて、沸騰直前まで温める。そこにゼリーの素を入れて、ゆっくりとかき混ぜる。
 熱に強いゼリーの素は、海藻から抽出した粉だ。
 ゼリーの素がしっかり溶けた後、人数分の器の3分の1ほどミルクゼリーを流し込む。荒熱が取れたら、冷やす。
 冷蔵用の魔導具があり、扉を開けると日々の食材が並んでる。その一角に、ゼリーを置く。

「どれくらいでゼリーは固まるのですか?」
「ええと、完全に固まるまでは2時間です。二層なので、1時間冷やしてからストロベリーゼリーを重ねます」

 飾り用にストロベリーを人数分寄せておく。他は砂糖と馴染んで、赤いシロップが出ていた。
 小鍋に移し入れて、レモン果汁を加えて加熱する。砂糖が溶けると、細かい泡が出てきた。
 木べらでリゼットが混ぜると、泡がはじけて、手に付く。

「あっ」

 慌てて手を引っ込めたが、手に付いた赤い液は熱くて痛い。

「大丈夫ですか?」
「……んっ!?」

 ヴォルターが急にリゼットの手を取り、その部分をぺろりと舐める。

「ヴォルター……」

 顔を真っ赤にするリゼットに、ヴォルターは微笑んだ。

「火傷しては大変です。跡はありませんね?」

 手を離す。
 リゼットは自分の手を見るが、跡なんてないし、痛みも一瞬だった。

「危ないので、私が混ぜましょう」

 リゼットから木べらを受け取り、ヴォルターがゆっくりかき混ぜる。
 砂糖が完全に溶けたのを確認し、火をとめる。冷めてきたら、水でふやかしたゼリーの素を加えて混ぜる。
 ゼリーの素がよく溶けたら、ミルクゼリーの上に流しかける。ミルクゼリーは表面が軽く固まっていて、赤と白の二層になった。
 また冷蔵する。

「完全に固まったら、飾り付けをします。お昼には食べられると思います」
「楽しみです」

 ◇◇◇

 そして2時間後、お昼前にゼリーを確認するとフルフルと柔らかく揺れる程度の固まっていた。
 リゼットは残っていたストロベリーを薄くスライスして、ストロベリーゼリーの上に並べる。

「まるで花弁のようですね」
「ええ、薔薇の花を見立てています」

 そして、薔薇の葉に見立ててミントを添えた。

 昼前までキッチンを占領していたので、昼ごはんはあらかじめ作っていたサンドウイッチとサーモンのマリネだった。
 それと、リゼットたちが作ったゼリー。

 リゼットは屋敷に勤める人たちの分も、ゼリーを作っていた。
 皆の昼ごはん用にと、料理人に伝えると、大変喜ばれた。

 リゼットたちも、せっかくだからと湖が見える庭にテーブルを出してもらい食事をする。

「ヴォルターのおかげで、上手に作ることができました。ありがとうございます」
「いいえ、リゼットが良く教えてくださったからですよ」

 ふたりでふふっと笑い合って、ゼリーを口に運ぶ。
 ひとくちで、リゼットは満面の笑顔になる。ヴォルターもそれを見て、顔が綻んだ。

「ストロベリーの味が良いからか、今まで作ったものより美味しいですっ!」
「甘さも酸味もちょうど良いですね。ぜひまた……」

 ヴォルターが言いかけたところで、遠くからリゼットの名前を呼ぶ声がする。
 ヴォルターが眉間にシワを寄せて、そちらを見る。

「……ジェラルド」
「おーーーーい!リゼット様ーーーーーー!」

 駆け寄ってくる青年は、目ざとくリゼットたちの手元も確認していた。

「あれ、これからお昼でしたか?」
「ええ、ジェラルドも食べますか?」

 さすがに食べかけはあげられないけれどと、リゼットはマノンを呼ぼうとする。しかしヴォルターが遮る。

「ジェラルドは、最近赤いものを食べられない病気になったので平気ですよ」
「え?病気ですか?」

 リゼットが不思議そうにジェラルドを見ると、ひぇっと息を吸いこんだジェラルドがしゃがみこんだ。

「ヴォルター……やめてくれ」
「どうしたのですか!?」

 リゼットが心配して近づこうとすると、ヴォルターが制止する。
 そうしてジェラルドの耳に囁いて、とどめを刺した。

「私の倒れた後、掃除をしてくれてありがとう」
「や、やめてくれ!!」

 リゼットには思い出して欲しくないことだが、3日ほど前ミヨゾディースの城でウルリッヒの剣にヴォルターが倒れた記憶がジェラルドに蘇る。
 普段、モンスター退治で慣れていても、アレは軽くトラウマになった。しかも、後片付けの指示もジェラルドがしていたため、長時間、あの場所の臭いも記憶している。
 
「や、やっぱり出直します!!」

 特に大事な用件もなかったようで、ジェラルドは元の道を駆けていった。

「ジェラルドは大丈夫なのですか?」

 リゼットの疑問に、穏やかな顔でヴォルターは答える。

「大丈夫ですよ。さあ、ゼリーをじっくり味わいましょう」
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