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1章
剣と魔法とイケメンと
しおりを挟む「落ち人様、お迎えが遅くなり申し訳ありません」
突然後ろから声がしたので、びっくりして振り返ると、キラキラオーラを発した金髪のお兄さんが微笑んで白馬に乗っていた。
「うわ、眩しすぎる、、、!王子さまオーラがっ、、、」
神々しいキラキラオーラに、思わず目を庇ってしまう。そして動揺しすぎて思っていたことがそのまま口に出てしまった。
すると金髪のイケメンお兄さんは困ったような顔をして
「落ち人様、私は王子ではなく騎士団の者です。ご期待に添えず申し訳ありません」
その困り顔も、声のトーンも、性格ですらもイケメンすぎる。
あぁ、きっと失恋した私の脳が今麻痺していて、すべてがイケメン要素に変換されているのだろう。なんて都合のいい脳だ。
「落ち人様?」
「うわっ!ごめんなさい。えっと、落ち人様っていうのは私のことですか、、、?」
金髪イケメンお兄さん、長いので騎士様と呼ぶことにしよう。
騎士様は私の反応がなかったせいか、馬から降りていて心配そうに私の顔を覗き込むように見ていた。
うん、イケメンは毛穴がないって本当なんだな。
「そうですよ。お足元も濡れているようですし、詳しいことは城内でご説明いたしますね。失礼」
騎士様は私が湖に足を突っ込んでいることに気付いてくれて、ニッコリ微笑むと慣れた手つきでお姫様抱っこしてくれた。
失恋した後すぐに、イケメンにお姫様抱っこされるなんて!
そのまま白馬に乗せられて、後ろから抱き込まれるように手綱を握ると湖の先に見える城へ向かって走り出した。
辺りは徐々に暗くなり始めている。
「落ち人様、そういえばなぜ湖に足を浸けていらしたのですか?」
「好きで入っていたわけでは無いんです。気がついたらあの湖の上に立っていまして。色々状況を整理したくて、とりあえず座ってました」
「そうでしたか。もっと早く駆けつけたかったのですが、、、。探索隊の魔法関知が上手くいかずこのような時間になってしまいました」
騎士様の顔は見えないけれど、申し訳なさそうなイケメンボイスが耳元で聞こえる。
「いえ、野宿になると思っていたのでお迎えに来ていただけただけでも嬉しいです」
「ふふ。今回の落ち人様はとてもお優しいのですね。日も落ちて来ましたので少し速度を上げてもよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
色々と突っ込むところはあるし、聞きたいことなんて山ほどある。
でも騎士様は腰に剣を持っているし、さっき魔法がどうとか言ってたから、恐らくここは私が今まで住んでいた所と全く違うのだろう。
そういえば翔の持っていた本がすべてファンタジーを舞台にした話だった。
当時は翔との接点が欲しくて、翔の本を全部借りて読んでいた時期があった。
読んだ感想を二人で言い合って、ここがいい、ここがカッコいいなんて話して。
あの頃はどんなに翔がゲームをしていても話しかけてくれたし、お互い顔を近づけて、たわいのない話で盛り上がっていたのに。
10年の間に変わってしまったのは私なんだろうか。
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