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2章
王子さまと勉強会
しおりを挟むヴェルサス様との距離は、魔力相互交換が唯一出来る相手と認識された事と私が王子様キャラを作っているのに感ずいてしまった為急速に近くなった。
でも今日はまだ終わりではない。
これからメインである勉強会が始まる。
キラキラオーラは相変わらず放出されているが、先程よりはだいぶ見慣れてきた為顔を逸らすこともなくなった。
それとミーチェさんも戻ってきたので、本格的に勉強会が始まった。
この国のこと。
お金の単位と価値について。
周辺国のこと。
落ち人がもたらした功績のこと。
これは貴族の子供が最初に習う初歩的な内容らしい。
あ、落ち人効果で文章と言語が自動変換されているので問題ない。
ただ、文字の書き取りはアラビア語みたいだったのでかなり苦戦しそうだった。
ヴェルサス様の教え方はとても分かりやすく、疑問に思ったことも先回りしてすぐに答えてくれる。それに元々歴史や社会は得意だったので、すんなり頭に入ってきた。
「ここら辺で休憩にしようか」
ヴェルサス様がそういうと、ミーチェさんが分かっていたかのようにお茶を淹れてくれた。
あれ?いつもの緑茶ベースのお茶じゃなくて、普通の紅茶だ。
「一応ここまでが貴族の子供が1年かけて学ぶ内容だが、分かりにくい所はなかったか?」
「はい、大丈夫です。、、、これが1年かかる内容だったんですか?」
「貴族は学問以外にもマナーやダンス、男子は剣術なども学んだりするから幼いうちから時間をかけて学ぶ。マイは落ち人だから覚えが早いんだろうな」
確かに、昔のヨーロッパの貴族達を思い出すと優雅な動作やマナー等高貴さや淑女を求められていた気がする。
実際に目の前にいるヴェルサス様のお茶の飲み方は、素晴らしいくらい綺麗だ。やはり王子様だから昔から勉強していたんだろう。
私もマナーの勉強したいな。
「落ち人にはマナーや淑女らしさなど誰も求めない。だからマイはそのままでいればいい」
ヴェルサス様はエスパーか!
「ヴェルサス様は何でもお見通しなんですね」
「いや、今のは普通にマイの顔に出てたから読み取っただけだ」
「そんなに分かりやすかったですか?私顔に出ないタイプだと思ったのに」
「いや、かなり分かりやすいと思うぞ?確かに何も知らなければ淡々としているようだが、知れば知るほどおもしろい。特に今日みたいな侍女の仕事をしたりするのもな」
ヴェルサス様は私が掃除をしたいと言い出したのがそんなに面白かったのか、堪えきれず笑いだした。
なぜこんな少ししか接してない人が私の事を分かってくれるんだろう。
王子様だから?
いや、違う。
私の事を知ろうとしてくれるからだ。
じゃあ翔は?
10年も一緒にいたのに。
「マイ?」
私が俯いてしまったせいで、ヴェルサス様は心配そうに覗きこんだ。
私は、なんとか笑顔を作ろうとしたが上手くいかなくて泣きそうな顔になってしまった。
「無理に笑わなくていい。こちらに来る前に色々あったと言っていたのは覚えている。気が向いたら話してくれないか?」
「はい、、、。いつか必ず」
謁見の時に話したほんの些細なことを覚えていてくれた。
それだけでも嬉しいのに。
その言葉が嬉しくて、多分人生で一番と思われる笑顔が自然と出た。
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