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2章
嵐は被害をもたらす
しおりを挟む何ヵ国か挨拶が終わった時、ラーナ嬢を伴った若い青年と、白髪混じりの年配の男性が王様との挨拶を終えてこちらに来た。
ラーナ嬢がいるということは、隣国の方々だろう。
「落ち人様、ご挨拶が遅くなり申し訳ない。私はシャーナ国第2王子リヒャル・シャナート。先日はラーナ嬢が迷惑をかけて申し訳なかった。ダンテ公爵も謝罪したいそうだ」
若い青年、リヒャル様はさらさらの長い銀髪を払いながら謝罪してきた。それに続いて白髪混じりの男性、ダンテ公爵は頭を下げた。
リヒャル様の少し後ろに、ラーナ嬢がバツが悪そうに立っている。
うん、今日もドレスにフリルがたくさんついてますね。
「リヒャル、公爵殿、今回は大事にするつもりはないが、それなりの対応は求めさせてもらおう」
ヴェルサス様は普段よりも低いトーンでお話されている。執務時はこんな感じなのかな。
そういえば先程から肝心のラーナ嬢は全く謝罪もなく、ヴェルサス様とヴァレン様を凝視している。
「ラーナ!何をしている謝罪しなさい!」
ダンテ公爵はラーナ嬢を促すが、何を思ったのか突然顔を真っ赤にして声を荒げた。
「わたくしは認めませんわ!だいたい、この女は本当に落ち人なんですの?ヴェルサス様に好かれたくて黒髪にしているだけではなくて?それに二人して守りの石をお付けになるなんて!!わたくしの時は何もなかったのに!」
ラーナ嬢は突然私の髪の毛を掴むと、何やら魔法を唱え始めた。
「ラーナ!!」
ダンテ公爵は慌ててラーナ嬢を止めようとする。
が、何も起きない。
「どうして?どうして髪色が変わらないの?」
ラーナ嬢はわなわなと体を震えさせて、床に力なく座り込んだ。
周りの来賓の方もラーナ嬢の一連の行動を注視していたが、私の髪色が変わらなかったことでざわつきが大きくなる。
私は訳がわからず、ただラーナ嬢を眺めているとヴェルサス様が冷気を発しながら口を開いた。
「ラーナ、お前が何を思ったのか知らんがマイは黒髪持ちの落ち人だ。髪に回帰魔法が掛かっていることすら見抜けないか」
「そんな、、、だって、、、ヴァレンティノ様まで、、、」
「黒髪の落ち人様の警護を通常通り行うと思っていたのですか?ラーナ嬢はかしこい方だと思ったのですが」
ヴァレン様までラーナ嬢を冷たくあしらう。
「だって、だってあの方が、、、」
ラーナ嬢の顔が真っ青になりがたがたと震え始めた瞬間、突然ラーナ嬢から眩しい光が発せられつい目を瞑ってしまう。
「っ、、、」
「きゃあぁぁぁ」
会場から悲鳴が飛び交い、私は誰かに手をひかれ歩かされる。
間近で閃光を見てしまった為、恐らく目はしばらく役目を果たさないだろうから音だけを頼りにしなければ。
「マイっ」
「マイ様!」
少し後ろの方で、ヴェルサス様とヴァレン様の声が聞こえる。
いま私の手を掴んでいるのは誰?
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