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学院内はほとんど描かれていないから、それが何なのか分からない。
レオンハルトの後ろ姿を眺めていたら、カノンに「知り合い?」と聞かれた。
言ってほしくないなら、俺は何も言えないから『助けてくれた正義の味方』とだけ言った。
呆然とするカノンの腕を引いて、早く学院を出たくて堪らなくなる。
やっぱり夜の学院って怖いな、今回は幽霊的な意味ではなかったけど。
帰るには、まず職員室で鍵を返さないといけない。
「カノン、鍵を返しに行きたいんだけど」
「それならさっき先生に帰るから預かっておいてと頼まれたんだ」
カノンはそう言って鍵を握る俺の手を掴んだ。
さすがカノンだ、先生の全信頼を得ているから任されたんだな。
そのまま二人で並んで一緒に寮に向かって帰った。
レオンハルトは入学式の緊張でお腹を壊したから、夕飯はいらないと言われて俺のところに来たみたいだ。
実際は俺のところにいたから、レオンハルトは部屋にいなかった。
でも、なんで夜の学院にレオンハルトはいたんだろう……俺と同じ忘れ物か?
それにしては、フード姿で仮面なんて用意周到だよな。
考え事をしていたら、カノンが俺を突然お姫様抱っこしてきてびっくりした。
「ど、どうかした!?」
「足を怪我しているなら、ちゃんと言ってほしい」
「ご、ごめん…」
外灯がある場所に来たら、ネクタイを巻いている足を見られた。
痛みが引いてきたから自分で大丈夫かと思っていたけど、止血して誤魔化してるだけなんだよな。
ほとんど片足の感覚がなくなってるのは、ほっといたらヤバイか。
カノンと一緒に、先に寮の医務室に向かう事にした。
こんな夜遅いと島の船は来ないから、外の病院は明日にしか行けない。
設備はそこまでないが、応急措置ならやってくれる筈だ。
医務室は寮監室の隣にあって、怪我をした俺を見てすぐに寮長が医務室の部屋を開けてくれた。
ネクタイを外すと、暗くてよく見えなかったが酷い傷だった。
寮長は医者と兼用もしているから、傷口を見てくれた。
「傷口を消毒して様子を見るけど、痛かったらすぐに病院に行くんだよ」
「はい」
綺麗な包帯を巻かれて、汚れたネクタイを手にした。
紺色のネクタイだからあまり血が目立たないのが救いだ。
カノンに肩を借りて、部屋に向かって歩いていたらちょうど部屋からレオンハルトが出てきた。
何でもないような顔をして、今から食事に行くところのようだ。
レッドはいないみたいだから、俺達が同行させてもらう事になった。
*レッド視点*
ムカつくガキに出くわして、今日はすこぶる気分が悪い。
魔術使いのくせして普通科にいる男。
希少価値の魔術使いなら、それだけで特別科に入る事が出来る。
なのに普通科にいるという事は学院に内緒にしているという事だ。
普通科のなにがいいのか全く理解出来ないし、俺ならごめんだ。
特別にもなれない不特定多数の集団の一般人に何の価値もない
あの魔術使いの奴もそうだ、ただの不特定多数の一人だ。
自分の魔術の価値が分からないのなら、それは無価値と同じだ。
価値がないから、あんな事が出来るんだ…それなら納得。
普通科が特別になろうとして、特別科の生徒に近付くのが許せない。
違う存在なのに、同じだと思おうとしている…恥ずかしい存在。
護衛というものを通して、同じに見られるのは嫌だ。
ただの憧れで特別科に近付かないのなら、あの人の仲間に入れてやろうと思うが、魔術があるなら意味がない。
変な邪魔が入ったが、今度こそ殺してやる…俺のこの力で…
最初は普通科の生徒が特別科の仲間面をしているのが気に入らなかった。
いつも外で理由もなく歩いているのが日課だった。
たまに面白い事が起こるから、外は止められない。
去年も、一年生達が騒ぎを起こしていて教師も大勢集まってきたな。
深くは首を突っ込む事はしない、あくまで騒ぎは傍観者でいい。
なにがあったのか分からないが、それは別にどうでもいい。
今回も外を歩いていたら、一人だけであの男が学院に入ろうとしているのを見かけた。
王子様を守るなんて大口叩くなら、それなりに強いんだろうね。
普通科の生徒の力なんてたかがしれているから、叩きのめして分からせようと思った。
そして、魔術使いだと知り…さらに殺意が湧いた。
あんなに努力して、まだ魔術を手にする事が出来ないのにあの男は簡単に手にする。
この剣の技だって、魔術を真似した紛い物に過ぎない。
見せつけられればられるほど、自分があの男より劣ってると思ってしまう。
そんな筈はない、俺はあの男に負ける筈がない…あの男は魔術がいらないんだ、俺なら上手く使いこなせる。
歩いていると、何処からか音がガシャンガシャン聞こえる。
煩わしい音だな、眉を寄せてよく見てみると普通科の生徒が走っているのが見えた。
新入生?いや、新入生なら入学初日に外を出歩く奴は見た事がない。
しかも、あの荷物…ガラクタ部の部員のようだな。
「やばっ、門限ギリギリじゃん!」
「ねぇ」
「うわぁっ!!」
後ろから声を掛けたら、飛び跳ねそうなほど驚いていた。
鼻で笑っていると、手にしていたガラクタを落としていた。
別に聞いてもいないのに「盗んでないよ!ちゃんと先輩にもらったから!」と言っていた。
そんなものどうだっていい、ただガラクタ部ならいろいろ変なものを作ってると噂で聞いた事がある。
魔術を人工で作ろうとしてるとか、無駄な努力が面白い。
さすが、ガラクタ部は普通科の部員しかいないだけはあるな。
急いでいるのか、地面に落ちたガラクタを拾って行こうとしていた。
俺もガラクタを掴むと、動けなくなって不満そうに俺を見ていた。
「あの、なにか?」
「君、魔術に興味ない?」
「……魔術?」
「魔術があれば、君達がやってる研究が大きな成果が訪れるよ」
目的のためなら、何でもやるガラクタ部なら魅力的な話だ。
ほら、この男も目を輝かして興味が出てきたみたいだ。
特別科が普通科をうろついていたら、制服で目立つ。
上着を脱いでも当然目立つ、普通科の奴らに見られるのは耐えられない。
元々普通科なら目立つ事もなく、操り人形として使える。
まだ少し警戒してるのか「どうやって?」と聞いてきた。
変に疑り深い奴は嫌いだな、素直にさせてやろうか。
制服の内ポケットから、取り出した指輪を指に嵌める。
その指を唇に触れると、俺の後ろに邪悪な気配を感じた。
普通科の生徒は、俺の後ろを見て驚きと恐怖で顔を歪めていた。
「な、なっ!!」
「怖がる事はない、彼は魔術を人に捧げてくれる神様なんだ」
「神様って、だって醜い魔物じゃ…」
「口を慎めよ人間、お前に力を与えてくれる存在なんだから」
確かに後ろにいる方は、世間一般にはデーモンと呼ばれる悪魔だ。
でも、人間に力を与えて下さる存在で救世主とも言える。
普通科の生徒の顎を掴んで、上を向かせて救世主と目を合わせる。
さっきまで顔が強張っていたが、だんだん受け入れたのか全身から力を抜けていた。
手を離すと、地面に座り込んだ男の前でしゃがんた。
ちゃんと出来たのか目を確認して、笑みを浮かべた。
囁くように「今日からよろしく、我が同志」と歓迎した。
いい人形として、活躍を期待しているよ…えっと、名前聞いてなかった。
「君の名前と学年は?」
「二年生、ラウル・スプリングです」
「そう、よろしくラウルくん」
運がいい事に、あの魔術使いと同じ学年か…役に立ってくれよ。
ラウルはハッと我に返って、逃げるように寮に向かって走っていった。
後ろにいる救世主は役目が終わったのか、消えた。
俺はあのふざけた男に必ず思い知らせて、苦痛に歪ませてやると憎悪に瞳が赤く染まった。
レオンハルトの後ろ姿を眺めていたら、カノンに「知り合い?」と聞かれた。
言ってほしくないなら、俺は何も言えないから『助けてくれた正義の味方』とだけ言った。
呆然とするカノンの腕を引いて、早く学院を出たくて堪らなくなる。
やっぱり夜の学院って怖いな、今回は幽霊的な意味ではなかったけど。
帰るには、まず職員室で鍵を返さないといけない。
「カノン、鍵を返しに行きたいんだけど」
「それならさっき先生に帰るから預かっておいてと頼まれたんだ」
カノンはそう言って鍵を握る俺の手を掴んだ。
さすがカノンだ、先生の全信頼を得ているから任されたんだな。
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でも、なんで夜の学院にレオンハルトはいたんだろう……俺と同じ忘れ物か?
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考え事をしていたら、カノンが俺を突然お姫様抱っこしてきてびっくりした。
「ど、どうかした!?」
「足を怪我しているなら、ちゃんと言ってほしい」
「ご、ごめん…」
外灯がある場所に来たら、ネクタイを巻いている足を見られた。
痛みが引いてきたから自分で大丈夫かと思っていたけど、止血して誤魔化してるだけなんだよな。
ほとんど片足の感覚がなくなってるのは、ほっといたらヤバイか。
カノンと一緒に、先に寮の医務室に向かう事にした。
こんな夜遅いと島の船は来ないから、外の病院は明日にしか行けない。
設備はそこまでないが、応急措置ならやってくれる筈だ。
医務室は寮監室の隣にあって、怪我をした俺を見てすぐに寮長が医務室の部屋を開けてくれた。
ネクタイを外すと、暗くてよく見えなかったが酷い傷だった。
寮長は医者と兼用もしているから、傷口を見てくれた。
「傷口を消毒して様子を見るけど、痛かったらすぐに病院に行くんだよ」
「はい」
綺麗な包帯を巻かれて、汚れたネクタイを手にした。
紺色のネクタイだからあまり血が目立たないのが救いだ。
カノンに肩を借りて、部屋に向かって歩いていたらちょうど部屋からレオンハルトが出てきた。
何でもないような顔をして、今から食事に行くところのようだ。
レッドはいないみたいだから、俺達が同行させてもらう事になった。
*レッド視点*
ムカつくガキに出くわして、今日はすこぶる気分が悪い。
魔術使いのくせして普通科にいる男。
希少価値の魔術使いなら、それだけで特別科に入る事が出来る。
なのに普通科にいるという事は学院に内緒にしているという事だ。
普通科のなにがいいのか全く理解出来ないし、俺ならごめんだ。
特別にもなれない不特定多数の集団の一般人に何の価値もない
あの魔術使いの奴もそうだ、ただの不特定多数の一人だ。
自分の魔術の価値が分からないのなら、それは無価値と同じだ。
価値がないから、あんな事が出来るんだ…それなら納得。
普通科が特別になろうとして、特別科の生徒に近付くのが許せない。
違う存在なのに、同じだと思おうとしている…恥ずかしい存在。
護衛というものを通して、同じに見られるのは嫌だ。
ただの憧れで特別科に近付かないのなら、あの人の仲間に入れてやろうと思うが、魔術があるなら意味がない。
変な邪魔が入ったが、今度こそ殺してやる…俺のこの力で…
最初は普通科の生徒が特別科の仲間面をしているのが気に入らなかった。
いつも外で理由もなく歩いているのが日課だった。
たまに面白い事が起こるから、外は止められない。
去年も、一年生達が騒ぎを起こしていて教師も大勢集まってきたな。
深くは首を突っ込む事はしない、あくまで騒ぎは傍観者でいい。
なにがあったのか分からないが、それは別にどうでもいい。
今回も外を歩いていたら、一人だけであの男が学院に入ろうとしているのを見かけた。
王子様を守るなんて大口叩くなら、それなりに強いんだろうね。
普通科の生徒の力なんてたかがしれているから、叩きのめして分からせようと思った。
そして、魔術使いだと知り…さらに殺意が湧いた。
あんなに努力して、まだ魔術を手にする事が出来ないのにあの男は簡単に手にする。
この剣の技だって、魔術を真似した紛い物に過ぎない。
見せつけられればられるほど、自分があの男より劣ってると思ってしまう。
そんな筈はない、俺はあの男に負ける筈がない…あの男は魔術がいらないんだ、俺なら上手く使いこなせる。
歩いていると、何処からか音がガシャンガシャン聞こえる。
煩わしい音だな、眉を寄せてよく見てみると普通科の生徒が走っているのが見えた。
新入生?いや、新入生なら入学初日に外を出歩く奴は見た事がない。
しかも、あの荷物…ガラクタ部の部員のようだな。
「やばっ、門限ギリギリじゃん!」
「ねぇ」
「うわぁっ!!」
後ろから声を掛けたら、飛び跳ねそうなほど驚いていた。
鼻で笑っていると、手にしていたガラクタを落としていた。
別に聞いてもいないのに「盗んでないよ!ちゃんと先輩にもらったから!」と言っていた。
そんなものどうだっていい、ただガラクタ部ならいろいろ変なものを作ってると噂で聞いた事がある。
魔術を人工で作ろうとしてるとか、無駄な努力が面白い。
さすが、ガラクタ部は普通科の部員しかいないだけはあるな。
急いでいるのか、地面に落ちたガラクタを拾って行こうとしていた。
俺もガラクタを掴むと、動けなくなって不満そうに俺を見ていた。
「あの、なにか?」
「君、魔術に興味ない?」
「……魔術?」
「魔術があれば、君達がやってる研究が大きな成果が訪れるよ」
目的のためなら、何でもやるガラクタ部なら魅力的な話だ。
ほら、この男も目を輝かして興味が出てきたみたいだ。
特別科が普通科をうろついていたら、制服で目立つ。
上着を脱いでも当然目立つ、普通科の奴らに見られるのは耐えられない。
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まだ少し警戒してるのか「どうやって?」と聞いてきた。
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普通科の生徒は、俺の後ろを見て驚きと恐怖で顔を歪めていた。
「な、なっ!!」
「怖がる事はない、彼は魔術を人に捧げてくれる神様なんだ」
「神様って、だって醜い魔物じゃ…」
「口を慎めよ人間、お前に力を与えてくれる存在なんだから」
確かに後ろにいる方は、世間一般にはデーモンと呼ばれる悪魔だ。
でも、人間に力を与えて下さる存在で救世主とも言える。
普通科の生徒の顎を掴んで、上を向かせて救世主と目を合わせる。
さっきまで顔が強張っていたが、だんだん受け入れたのか全身から力を抜けていた。
手を離すと、地面に座り込んだ男の前でしゃがんた。
ちゃんと出来たのか目を確認して、笑みを浮かべた。
囁くように「今日からよろしく、我が同志」と歓迎した。
いい人形として、活躍を期待しているよ…えっと、名前聞いてなかった。
「君の名前と学年は?」
「二年生、ラウル・スプリングです」
「そう、よろしくラウルくん」
運がいい事に、あの魔術使いと同じ学年か…役に立ってくれよ。
ラウルはハッと我に返って、逃げるように寮に向かって走っていった。
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