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目覚め
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『起きなさい、エルフィ』
微睡みの中で自分を呼ぶ優しい声。
導かれるように眠りから覚めると、目の前には青々とした草原が広がっていた。
「ここは……どこ?」
ヒナゲシ、タンポポ、スミレ……花々が咲き乱れる春の野辺にエルフィは困惑した。
見覚えのない場所だ。どうして自分はここにいるのだろう?
遠くに目を凝らし、どこかに知っている場所はないかと探してみるが、草原を越えた先の森、さらにその先に見える山々も残念ながらエルフィの知らない景色だった。
いや、そもそも自分は何故、野外で眠っていたのか。
旅の途中か、はたまた道に迷って野宿でもしたのか?
考え込んでいるとサヤサヤと柔らかな音が聴こえてきた。
葉擦れの音だと気付いたエルフィは何気なく上を向き、思いがけず感嘆の声をあげた。
見上げた先にあったのは、空を埋め尽くすかのように無数の鮮やかな翡翠や翠玉、藍玉色の木の葉が風に揺れている、美しく幻想的な光景だった。
陽光を浴びて本物の宝石のように輝いて見えるのは、一枚一枚の葉が薄く光を透過しているからだろうか。
枝や幹もミルクのような乳白色と不思議な色合いをしており、まるで夢でも見ているかのようだ。
「綺麗……」
見上げた樹冠の高さや枝葉の広がる様から考えると、この樹はかなりの大樹らしい。
試しに背後にある幹の太さを後ろ手で測ってみたが、両手をできる限り伸ばしても抱えきれないほど太い、としか分からなかった。
(根元はどうなっているんだろう)
大きな樹冠や幹を支えるためには立派な根が必要なはず。
エルフィは好奇心から下を向いてみた。
予想通りだ。
幹と同じ乳白色の根は大きなもので丸太ほどの太さがあり、地表に張り出しつつも、しっかり大地へ根付いて大樹を支えていた。
その逞しい姿を視るに、この先どんなに激しく吹き荒れる風雨に曝されようとも、余裕で耐え切る強さがありそうだ。
ただ一つ、問題があるとすれば。
エルフィの腰から下が、張り出した大樹の根元に飲み込まれるようにして消えていることぐらいだった。
微睡みの中で自分を呼ぶ優しい声。
導かれるように眠りから覚めると、目の前には青々とした草原が広がっていた。
「ここは……どこ?」
ヒナゲシ、タンポポ、スミレ……花々が咲き乱れる春の野辺にエルフィは困惑した。
見覚えのない場所だ。どうして自分はここにいるのだろう?
遠くに目を凝らし、どこかに知っている場所はないかと探してみるが、草原を越えた先の森、さらにその先に見える山々も残念ながらエルフィの知らない景色だった。
いや、そもそも自分は何故、野外で眠っていたのか。
旅の途中か、はたまた道に迷って野宿でもしたのか?
考え込んでいるとサヤサヤと柔らかな音が聴こえてきた。
葉擦れの音だと気付いたエルフィは何気なく上を向き、思いがけず感嘆の声をあげた。
見上げた先にあったのは、空を埋め尽くすかのように無数の鮮やかな翡翠や翠玉、藍玉色の木の葉が風に揺れている、美しく幻想的な光景だった。
陽光を浴びて本物の宝石のように輝いて見えるのは、一枚一枚の葉が薄く光を透過しているからだろうか。
枝や幹もミルクのような乳白色と不思議な色合いをしており、まるで夢でも見ているかのようだ。
「綺麗……」
見上げた樹冠の高さや枝葉の広がる様から考えると、この樹はかなりの大樹らしい。
試しに背後にある幹の太さを後ろ手で測ってみたが、両手をできる限り伸ばしても抱えきれないほど太い、としか分からなかった。
(根元はどうなっているんだろう)
大きな樹冠や幹を支えるためには立派な根が必要なはず。
エルフィは好奇心から下を向いてみた。
予想通りだ。
幹と同じ乳白色の根は大きなもので丸太ほどの太さがあり、地表に張り出しつつも、しっかり大地へ根付いて大樹を支えていた。
その逞しい姿を視るに、この先どんなに激しく吹き荒れる風雨に曝されようとも、余裕で耐え切る強さがありそうだ。
ただ一つ、問題があるとすれば。
エルフィの腰から下が、張り出した大樹の根元に飲み込まれるようにして消えていることぐらいだった。
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