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古いテレビ
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風呂上がりでポカポカした体を感じながら、濡れた髪を乾かそうとドライヤーを手に取る。
どうせならテレビでも見ながらやろうかと、ドライヤーを持って部屋に戻り、テレビをつけた。
画面に映し出されたのは、いきなりの怖い女の顔のどアップだった。
思わず「うわっ」と声が出た。
どうやらホラー特集か何かをやっているらしい。
薄暗い背景に白塗りの顔が不気味さを増幅させている。正直こういうのは得意ではないが、せっかくつけたのだからそのまま流しておくことにした。
ただ、画面の色がおかしい。妙に青っぽくて不自然だなと思ったが、まあいいかと気にしないことにする。リサイクルショップで格安で買った古いテレビだし、映ればそれで十分。色が変だとか文句を言える立場じゃない。
「さて、乾かそうか」とドライヤーのスイッチを入れた瞬間だ。
バツンッ!
部屋が一気に真っ暗になった。音も何もかも消え、静寂が訪れる。電気が切れたのだ。
「ああ、やっちまったか……」
思わず天井を見上げて嘆息する。クーラーをつけたままドライヤーを使うのはさすがに無理があったか、と原因を即座に察した。電力が足りず、ブレーカーが落ちたのだろう。
部屋に明かりはないが、テレビの光がまだ少しだけ頼りになる。
テレビの光を頼りにブレーカーのある場所へ向かうことにした。
足元を慎重に進み、壁伝いに歩いていく。やがて廊下の突き当たりに設置されているブレーカーにたどり着いた。案の定、スイッチは落ちている。
「やっぱりか」と呟きながらスイッチを押し上げた瞬間、電気が戻り、部屋中が再び明るくなった。
「はぁ…こんなに暑いのに…。しょうがないから扇風機にするかぁ」
そんなことを言いながらリビングに戻った。
どうやらホラー特集は終わったようだ。
【解説】
ブレーカーが落ちたのにテレビがついたままである。
主人公はいわくつきのテレビを買ってしまったのかもしれない。
現実でも、リサイクルショップにいわくつきの品が売っているという話を聞いたことがあるが…
もし見つけても買わないのが得策であろう。
どうせならテレビでも見ながらやろうかと、ドライヤーを持って部屋に戻り、テレビをつけた。
画面に映し出されたのは、いきなりの怖い女の顔のどアップだった。
思わず「うわっ」と声が出た。
どうやらホラー特集か何かをやっているらしい。
薄暗い背景に白塗りの顔が不気味さを増幅させている。正直こういうのは得意ではないが、せっかくつけたのだからそのまま流しておくことにした。
ただ、画面の色がおかしい。妙に青っぽくて不自然だなと思ったが、まあいいかと気にしないことにする。リサイクルショップで格安で買った古いテレビだし、映ればそれで十分。色が変だとか文句を言える立場じゃない。
「さて、乾かそうか」とドライヤーのスイッチを入れた瞬間だ。
バツンッ!
部屋が一気に真っ暗になった。音も何もかも消え、静寂が訪れる。電気が切れたのだ。
「ああ、やっちまったか……」
思わず天井を見上げて嘆息する。クーラーをつけたままドライヤーを使うのはさすがに無理があったか、と原因を即座に察した。電力が足りず、ブレーカーが落ちたのだろう。
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