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第2章
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「多分、卒業前に俺との接点を作ろうと思ったのだろう。これを逃せば次の機会は卒業パーティだからな」
私とロランさんの会話を聞いていたクライブ殿下が徐に口を開いた。
「リディアを見つけた茶会で俺と話したことを今だにチャンスだと捉えているらしい。どうにかもう一度きちんと会話をする時間を持つことが出来れば王太子妃も夢ではないと思っているのだろう」
心底嫌そうに吐き捨てられた言葉を聞けばその可能性がゼロなことには誰だって気付く。でも、彼女だけを一方的に責める訳にもいかないのだ。だって、
「殿下もよくないのですよ。後半年もすれば学園を卒業するという現在に至ってなお、まだ婚約していないのですから」
近習としてよりも友人としての忠告だからか、ロランさんの言葉には遠慮がなかった。淡々と紡がれた言葉は的確に原因を指摘していて、私とエルフリーデ先輩は思わず小さく笑ってしまった。
「ロランさんの仰る通りですわ。殿下の弟君が昨年婚約されたことを考えれば、女生徒が儚い望みを抱くのを責められはしないでしょう。それが嫌なら殿下もさっさと告白でもなんでもして婚約してしまえば良いのに」
向かいに座るクライブ殿下は笑った先輩を軽く睨んだけれど、真正面から指摘されると流石に武が悪いのを認識したのか苦い顔をして紅茶を口に運んだ。
そのやりとりを微笑ましく思いながら、私も同じく紅茶を口に含む。
周辺国との関係も良好で内政も安定している我が国では、王族といえど自由恋愛が可能だ。勿論、政治的配慮や身分的なことはあるけれど、貴族令嬢ならば誰でも見染めらる可能性があるのだ。実際、昨年婚約した第二王子も相手は幼馴染の侯爵令嬢だったし、今の国王陛下夫妻も学園で出会ったのが馴れ初めらしい。
だからクライブ殿下だって生徒会活動の中で親交を深めた留学生と愛を育むことは全然不可能ではないのだ。
カップ越しに、向かい合って座っている2人をこっそりと観察する。
なぜだかしてやったり顔で微笑む先輩と面白くなさそうな顔をしている殿下。一歩この部屋を出れば、2人共にこんなに無防備な表情は出さない。
氷の二つ名を持つ殿下はその名に相応しく感情を表に出さないし、先輩だってこんな無邪気に笑ったりしない。いつだって令嬢として卒なく微笑んで隙を見せたりしない。それは2人が共にそれが許されない環境で成長したからで、だからこと分かり合えることも多いのだろう。周囲には常に不用意な感情を見せないように生活してきた緊張感がこの部屋で2人で対する時には和らげられるのだから、親しくならないわけがないのだ。
私とロランさんの会話を聞いていたクライブ殿下が徐に口を開いた。
「リディアを見つけた茶会で俺と話したことを今だにチャンスだと捉えているらしい。どうにかもう一度きちんと会話をする時間を持つことが出来れば王太子妃も夢ではないと思っているのだろう」
心底嫌そうに吐き捨てられた言葉を聞けばその可能性がゼロなことには誰だって気付く。でも、彼女だけを一方的に責める訳にもいかないのだ。だって、
「殿下もよくないのですよ。後半年もすれば学園を卒業するという現在に至ってなお、まだ婚約していないのですから」
近習としてよりも友人としての忠告だからか、ロランさんの言葉には遠慮がなかった。淡々と紡がれた言葉は的確に原因を指摘していて、私とエルフリーデ先輩は思わず小さく笑ってしまった。
「ロランさんの仰る通りですわ。殿下の弟君が昨年婚約されたことを考えれば、女生徒が儚い望みを抱くのを責められはしないでしょう。それが嫌なら殿下もさっさと告白でもなんでもして婚約してしまえば良いのに」
向かいに座るクライブ殿下は笑った先輩を軽く睨んだけれど、真正面から指摘されると流石に武が悪いのを認識したのか苦い顔をして紅茶を口に運んだ。
そのやりとりを微笑ましく思いながら、私も同じく紅茶を口に含む。
周辺国との関係も良好で内政も安定している我が国では、王族といえど自由恋愛が可能だ。勿論、政治的配慮や身分的なことはあるけれど、貴族令嬢ならば誰でも見染めらる可能性があるのだ。実際、昨年婚約した第二王子も相手は幼馴染の侯爵令嬢だったし、今の国王陛下夫妻も学園で出会ったのが馴れ初めらしい。
だからクライブ殿下だって生徒会活動の中で親交を深めた留学生と愛を育むことは全然不可能ではないのだ。
カップ越しに、向かい合って座っている2人をこっそりと観察する。
なぜだかしてやったり顔で微笑む先輩と面白くなさそうな顔をしている殿下。一歩この部屋を出れば、2人共にこんなに無防備な表情は出さない。
氷の二つ名を持つ殿下はその名に相応しく感情を表に出さないし、先輩だってこんな無邪気に笑ったりしない。いつだって令嬢として卒なく微笑んで隙を見せたりしない。それは2人が共にそれが許されない環境で成長したからで、だからこと分かり合えることも多いのだろう。周囲には常に不用意な感情を見せないように生活してきた緊張感がこの部屋で2人で対する時には和らげられるのだから、親しくならないわけがないのだ。
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