オメガ判定は一億もらって隔離学園へ

梅鉢

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 ふと眼を覚ますと、制服のままソファに寝転がっていた。時間はまだ二十時。寮の食堂は二十一時までだからまだ間に合う。良かった。
 一人部屋は気楽でいいが、寂しさが募る。食堂へ一人でいくのも、そもそも一人で行動するのも怖さがある。
 ネットではおいしいと評判な食堂は諦めて、購買に行くことにした。ここの学園、寮での事柄すべてカードキーのみで解決できるらしいのでそれ一つを手にし、部屋を出た。

 一階エントランス内を抜けると小さいコンビニのような購買があり、三人の生徒が話をしながら出入り口を塞いでいた。背丈も骨格も俺のクラスと全然違う。遠目から見ても明らかにアルファ達であった。
 なるほど。学食でもそうだが、こうやって出会わせるようだ。
 原則、項を噛むのは禁止されているが、双方の同意があり学校に申し出れば番うことも可能だ。家族ではなくて学校に、というのはちょっと引っ掛かるところではあるが。
 ここにいるアルファ達は、年度始めに一口一千万円の寄付金を最低三口以上出せる者達だ。アルファ達も数少ないオメガと番いたくて入学している。オメガと番えるのも現代では一種のステータスだった。この学園だって、国中の俺と同じ生まれ年の九割のオメガを集めたって二十人に満たない。それに対しアルファは倍以上いる。競争率は激しそうだ。

 金を払ってくれるアルファのために、競わせるために出会いだけは頻繁に起こさせているのか。オメガにとっては嫌でも意識させられているようだった。

「一人で来たの?」
「一年だ」
「こっちきなよ。何食べるの? 買ってあげる」

 いつの間にか、少し離れたところで立ち止まってしまった俺に気が付いた三人は、思い切り怪しい笑顔で話しかけてきた。手招きつきで。どうしたらいいか分からなくてペコリと頭だけ下げた。
 中庭でもそうだが、こんな視線なんて、今まで感じたこともなかったんだ。つま先から頭のてっぺんまで、なぶる様に見られることなんて。
 オメガとアルファしかいない学校。圧倒的に少ないオメガ。担任は「食い物にされる気配」と言った。これがそうかは分からない。でもきっとそうなんだろう。これから三年間、ずっとこんな気配を感じながら過ごさなきゃならないなんて。

 足が先に出ずに立ち竦んでいると、スッと右側に風が吹き、手首を柔らかく捕まれた。
 気配の無かった後ろ側から誰か来ていたようで、驚いて体を引くが俺の手首をつかむ力が強くなった。不思議といやな感じはしなかった。
 俺よりも少しだけ背の高い生徒。癖の無いさらっとした黒髪。黒目がちで大きな瞳はまだ幼さを残していたが、口元がきりりと結ばれていて意思の強さを感じた。きっとこういうのを美少年とでもいうのだろう。
 ネームプレートには番号じゃなくて名前が書かれてあった。“1-1 北原 朝永ともなが”と。名前ありってことはやっぱりアルファ。

「一緒に行こう」

 触られても嫌な感じは受けず、視線もそうだった。
 この人からは何も感じない。あのアルファ特有の圧力どころかイヤらしいものも、好奇のもの、一切。
 困っている俺への人としての単純な好意か。

 なぜか「すみません」と謝り、足を進めた。「同い年じゃない?」と言われ、「多分そうです」とまた敬語で返してしまい、今度こそ呆れられてしまった。
 そんな俺達を面白く無さそうにしていたのはもちろん購買入り口に立っていた三人のアルファ達。しかしその三人が近づいてきて何かを言おうとしたとき、北原のネームプレートを見て「げ」と一言発し、舌打ちをしながらあっさりと去っていった。
 なんだ、この北原と言う生徒はすごい生徒なのだろうか。アルファ社会も縦の序列があるのか。そんな世界にいたことがないからよく分からない。

 購買の中へ入ると腕を離してくれた。買い物を終え、帰ろうとすると入り口で北原が玄関側をボーっと見ていた。何も手にしていないから、購買に用事は無かったのだろう。
 もしかしてこの人、購買へ来るついでに助けてくれたのではなく、本当に好意だけで助けてくれたのか。

「あの、」
「終わった?」

 こちらに振り向いて北原を正面で受け、ちょっと顔面の良さに戸惑ってしまった。知らないうちに自分でも意識してしまっているのか。だいたい今までこんな顔面偏差値の高い人間だらけの生活をしたことがなかった。自分も顔面がいいのではと錯覚さえ起こしそうになる。

「終わったけど、あの、」
「俺はいいよ。途中まで送るよ」
「あ、ありがとう」

 待っていてくれたし、送ってくれるとは。これに下心があるのだろうと思うが、そんな感じは本当に感じなくて不思議だった。
 会話はなく、ゆっくりとした歩調でもなんの気まずさも無くて。警戒を持たなければいけない対象の、北原朝永ともながという人間の持つこの空気感は一体なんだろう。

 アルファ寮とオメガ寮へ行く分かれ道まで来て、立ち止まった。

「絡まれそうになっていて困っていたから助かった。ありがとう」

 キミみたいなアルファもいるんだなと、安心することもできたし。自然と笑みを零せば、北原は真面目な表情でジッと見つめてきた。
 そして北原は右の人差し指で俺のネームプレートの『14』と印字されたところをトン、と指で押した。

「14番。キミの名前は?」

 名前。本名だよな。
 名前は最大の個人情報であるから、オメガは番号で管理されていると言った。助けてもらったし、北原がどんなにいい人かもしれないがさすがに初対面で名前をさらすことは出来ない。そもそも本名をさらしてもいいのだっけ。どうなんだろう。
 うーん、と言いよどんでいると「じゃあまた今度でいいよ」と言って指を離した。とりあえず諦めてくれたことにホッと息を吐いた。

「その代わりにさ」

 そこで初めて北原がふわっと柔らかく、硬く結ばれていた唇を緩ませ、周りの空気すら華やかにさせるような笑顔を作った。そう、故意に作った、というのが正しいくらいの笑顔。それなのに不自然さがなくて、華やいだそれに見惚れてしまう。

「友達になろうよ。俺のまわりは知っての通りアルファしかいない。でもアルファ達って朝の中庭でキミたちに首輪を投げたり、さっきみたいに新入生のオメガに絡んできたり、頭のおかしい奴らばかりなんだ。普通の友達が欲しくて」
「……友達」
「そう。“普通”のね」

 確かにここで感じたアルファ達はみんな圧力を掛けようとしたり、性的な何かを連想させようとしたり、遊び半分だとしても嫌な気分ばかり感じた。
 でも北原は違った。……ように思う。
 それにさっき年上のアルファ達は三対一であるにも関わらず北原を見て去って行った。もしかしたらアルファよけにもなってくれるかもしれない。俺にとって都合がいいこともある。

「ネーム見れば分かるけど、俺は北原朝永。朝永でいいよ」
「朝永」
「うん」
「アルファとオメガでも友達になれるのかな?」
「なれるんじゃない?」

 笑顔で首を傾げた北原……朝永に、俺はゆっくりと頷いた。

 アルファに選ばれるんじゃない。俺が選ぶ。
 その一歩にもなるだろうか。
 まずは朝永に虫除けになってもらう。友達なんてきっと成立しない。どうしたってこっちは発情し、孕む臓器をもっているのだから。オメガの発情に対して理性をなくして欲情してしまうアルファなのだから。
 朝永はきっと変わっているアルファ。俺への下心が無くてもオメガへの下心はあるに違いない。
 だから俺も下心を持って友達になることにした。





 一年の一学期だけ、一日に一時間は必ず第二の性に関しての授業がある。歴史だったり人体構造だったり様々と。
 一回目の授業は担任がきた。どうやら専門は数学だが、第二の性も担当らしい。俺達にしてみれば身近な教師であるが、この教師には親しみやすさが一切無い。
 教科書を開き、淡々と授業をこなす。自分がオメガなのだから自身に起きたことなど織り交ぜて話してくれてもいいのにと思わずにいられない。教科書どおりの注意点など、別に勉強しなくても見ればわかるのだし。
 この担任はそれなりに経験をつんでいるように見えたから、面白い話でも聞ければよかったが結局何一つ語られずに一時間を終えた。
 つまらない授業だった。だが、最後に配られた新品のコンドームの箱にクラス内はザワザワとしていた。

 発情期以外の性行為でも妊娠の確率は0パーセントではなく、万が一に備えて持っておきなさいということらしい。これは担任の自腹とのことだが、一応担任は俺達のことを気使っていることが分かってちょっと嬉しくなった。

「でも無理やり襲われたときなんて、相手はいちいち避妊なんてしてくれるんだろうか」
「そもそもアルファが俺達の言うことを聞いてくれる気がしないよな」
「入学と同時に支給されたのが緊急時用の抑制剤とアフターピルだし。コンドームなんて意味をなさないんだろうな」

 コンドームの箱をヒラヒラと仰ぎながら、クラスメイトが話をしているのを聞いていた。
 確かに、こんなものをつけている余裕が、相手にあるのならいいのだけれど。
 目の前の13番の肩をトントンと叩いた。

「なぁ、13番、発情って起きたことある?」
「ないよ。あったら中学のときにすでにここへ強制連行されているだろうし」
「あ、そうだった。発情ってどんなだろう」
「知らないけど、聞く限りないほうがいいな。十六歳すぎたら体内のホルモンが増え始めるって話だけど、当分発情期はこないでほしい」
「同感だわ」

 透明のフィルムで覆われた、真新しいパッケージを眺めてため息が漏れた。
 昔はあこがれもあった。うまくつけられるかな、なんて。だが自分がつけるのではなく、つけてもらう側になるとは。
 はあ。
 ため息は止まることなく漏れ出てきた。


 初めての授業のある一日が終わり、少しずつ慣れてきたのか、気のゆるみからかようやく疲れが体を蝕み始めてきた。
 その日は休みと言うこともあってずっと眠っていた。熱は無いものの体がだるい。朝も昼も抜いて眠っていたため夜になったら少し脱水のような症状も出ていた。急いで電解質を含む水分を摂った。
 気分を落ち着かせると腹が減っていると知ったため、13番を誘って食堂へ行こうと服を着替えた。
 同じクラスである13番も一人部屋を選択し、隣の部屋だということが幸いだった。いつも一緒に購買へ行っていたが、今日は休みのため何の約束もしていなかった。が、きっと誘えば一緒に行ってくれるだろう。
 コールを押してみると風呂から上がったばかりなのか、髪の毛をタオルで拭きながら13番が出迎えてくれた。

「どうしたんだ?」
「風呂に入ったということは、夕飯は終わったってこと?」
「終わったよ。もう八時だし」

 時間を確認していなかった。もうそんな時間になっていたとは。
 食堂はアルファ・オメガ・教師も一緒らしいから、一人でも数人でも行くにはハードルが高すぎる。13番が購買に行くとき誘ってくれても良かったのに、と少し恨めしい気持ちが出てきた。

 仕方ない、また購買でパンでも買って食べることにしよう。購買は絡まれることがあっても人の少なさからまだマシだろう。

「そっか、じゃあいいや。ごめん。ありがと」
「カップラーメンならあるけど」
「うん、ありがと。でも購買行ってくる」
「一人で行動したくないんだろ?」
「あー、まあ」
「入りなよ」

 ドアを大きく開け、中へと促された。かわいい顔に似合わず、ちょっと強引な13番に気圧されて小さく「おじゃまします」と声を掛けて入った。
 まだ引越しのダンボールがあちこちに詰まれたままになっていて、部屋としてはまだ機能していないようだった。

「その辺座ってて」

 部屋のど真ん中にぽつんと置かれた2人がけのソファに座った。
 13番は小さいくてかわいいが、俺よりもずっと頼りになりそうだった。外見は人を惑わせるな。か弱いと思っていたのに。

「一人で購買に行ったの?」
「いや、今日は食堂」
「え! 誰と?」
「一人で」

 驚いた。まさか一人で一年から三年と入り乱れたアルファ達がいるところにいくなんて。
 あの圧力や視線が気持ち悪くないのだろうか。

「さすがに鴨だったんだろうね。何人ものアルファに声を掛けられたわ。アルファのネームプレートはしっかりとフルネームを書いていたから分かりやすかった」

 そうだ、朝永もそうだった。アルファ達の名前はしっかりと印字されているものだった。
 すでにケトルにお湯が入っていたようで、お湯を入れ終わったカップラーメンが目の前の床に置かれた。ソファがあるだけでテーブルもないしな。13番も床にどんっと男らしく腰をおろし、胡坐をかいた。

「食堂で何を話しかけられたんだ?」
「単純に、かわいいね。やりたい。発情期になったら俺とどう? みたいな下世話な話。ナンパと一緒か。本当に頭がいいのか不思議になる連中だった。まぁ、それも一部だけど」
「わー……。それどうやって返したんだ?」
「どうって、ただ無視ししただけだけど」
「無視! すごいなー」
「黙っていたらいいだけだよ」

 アルファを、というのが一番にあるのだろうが、それでも話しかけてきた人を無視するというのはなかなか出来ない芸当だと思う。俺には厳しそうだ。でも声を掛けられる内容が無視したくなるものではあるし、13番はすごいなと思う。
 尊敬の眼差しで床に座る13番を見ていると、困ったように笑われて首を傾げられた。それすらかわいい。

「14番は簡単にアルファにやられちゃいそう。大丈夫? 中庭のときも気分が悪そうだったし」
「きみは? だって、すごい圧だっただろ、アルファが大勢いたし、悪意を持っていたし」
「さいわいなことにほとんど感じない。いや、うーん。感じなくはないけど、別に平気と言うか。それがどうした! と反抗したくなると言うか」
「はー、すごいね」

 俺とは違ってアルファの圧力に反発したくなるなんて、なんて強いのだろう。強いのか、鈍感なのか。どっちにしろ、羨ましくなる。あのいやな粘膜の中を歩く気配が平気となると。

「新堂が言うように、俺が選びたいからね、アルファを」

 ああ、13番も俺と同じ事を思っていた。担任、新堂の言ったことだけを救いにしているようだった。
 見た目に反して荒っぽい性格の13番がとても眩しく見えた。俺もこうなりたい、なんて。でもアルファから感じるものが違うだけにきっと厳しいのだろうけど。

「ねえ、今度俺も一緒に食堂行きたい」

 13番は肩眉を上げてニヤリと口角を歪ませた。

「いいよ。明日にでも行こうか」
「ありがと」
「13番、14番。味気ないと思わない?」
「え?」
「俺は囚人にでもなった気分だったよ。俺自身、否定された気分にね」

 胡坐に肘を置き、頬杖を突いて13番は続けた。やっぱりこの人は資料集で見たオメガの外見をしているが、中身がオメガらしくないと思った。外見はともかく、俺のほうがよっぽどオメガらしい中身なのでは、とも。

小波継直さざなみつぐなお。本当は、二人のときくらい名前で呼んで欲しいけど、無理なら13番でもいいよ」

 俺よりも小さくてかわいいオメガ。俺が守ってやらなきゃ位に思えたこの人は、俺よりもずっと強い精神を持っている。同じオメガならいいだろうか。少なくとも、朝永よりも“普通”の友達になれる。はず。

「じゃあニ人のときは継直って呼ばせて。みんないるときは13番、って間違えないから」
「んで、14番は?」
「俺は羽衣夜詩人。夜の詩人って書いてヨシト」
「夜詩人ね。なんだかロマンチックそうな名前だなー」

 継直に可愛く笑われ、恥ずかしながらもゆっくりと頷いた。
 なんだか少しは“普通”の高校生活を送っている気がした。

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