オメガ判定は一億もらって隔離学園へ

梅鉢

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閑話★合同実践時の朝永

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19~20話くらいのの朝永視点

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 ある程度は予想できたが、しかし予想以上にオメガの生徒が俺の周りに集まってしまった。ぐるりと囲まれてしまって立ち上がるのも憚れる。
 俺を選んでくれたのはありがたいが全員相手に出来るわけでもないので、それぞれに曖昧に笑っておいた。

 そして誤算が一つ。
 これだけのオメガに囲まれていても俺のお気に入りが来ていない。
 彼が俺のところに来る、なんてものは甘い考えだったのか。腹の底に苛立つものを隠して目の前のオメガ達に愛想を振り撒いた。
 振り撒きながら彼の雰囲気を探るがすでに自席におらず、直ぐに姿を探すと彼は椋地の前に立っていた。苛立ちが赤く染まって喉元を焼き付けるようだった。

 そして教師によって強制的にペアを作らされた。
 合同実践はアルファとオメガが堂々と仲良く出来る授業。これに掛けているアルファも多い。この授業がなくても彼に近づくことは出来るが、隣で授業を受けたかったのは確かだ。
 俺の隣のオメガの生徒はとても綺麗だった。性格もハッキリしていそうだし、気も強そうだった。だが俺の言動で頬を染められたら悪い気はしない。
 だがそれだけだ。やっぱり違う。このオメガではない。

 教師かもらった名刺の裏に電話番号を書く。彼から連絡をくれるよう仕向けたい。
 こんなに必死な自分に笑えてくる。

 椋地が席を離れるのを見計らい、俺も立ち上がって俺の事なんて何も考えていないだろう彼のもとに向かった。

 優しく声をかけなければと思いつつ、以外と楽しそうな14番の顔を見てしまったら嫌みが止まらなくなってしまった。これから一年間、このふんわりした彼の雰囲気を1番そばで感じとることができないなんて、そう考えると苛立ちは深まるばかりだった。

 なんて情けないのだとこの後、自己嫌悪に陥ってしまった。名刺は渡したが電話は掛かってこず、更に自己嫌悪と自分勝手な苛立ちで椋地には迷惑をかけてしまった。
 アンガーマネジメントが出来ていないなと反省した。

おしまい

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このあと23話の2回目の合同実践へと続きます。
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