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7つ館に罪禍は宿る 〜竹一族の記憶(四)〜
八
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「あり得るな。確か、憤怒の幻獣はユニコーンだ。この館のことを考えても、繋がりが見えてくる」
以前、父さんに勧められて読んだ七つの大罪に関する本の記述を思い出しつつ、俺はそう答えた。すると、鋼が「お待ちください」と前置きして尋ねる。
「虹の館と名付けられたのは偶然ですよ? 亡者が偶然を利用して事件を作り上げたと仰るのですか? それとも、亡者たちが七つの大罪、ひいてはキリスト教に関わりがある者たちだと?」
「可能性は色々あるが、関係性はあると思う。詳しいことはこれから考えるが、足音の件も含めて、調べる必要があるのは確かだ」
僕は兄さんと鋼の発言に頷きつつ、続けた。
「とにかく、この殺人は終わりじゃない。次に誰が殺害されるかわからない以上、警戒が必要だ。死人が出れば、流石に警察だって戻ってくる」
「それは困るな。人為的な殺人じゃない以上、犯人なんて現れない。亡者の仕業なんて言って、信じてくれるわけないし」
鋼が他の妖怪を呼んで宿泊者を護衛するかと尋ねたが、僕は被りを振った。正直、それだけのために持ち場や里を離れさせるのは忍びない。その提案が来ることを見越して、父さんに追加で相談をしたのだから。
僕は肩にかけていた鞄を探り、目的のものを取り出した。
賢三が見せてきたのは、お札だった。父さんが使うもので、跡取りとして認められている俺は使えるが、お札で封じるべき存在である存在と縁を結ぶ賢三は、使えない代物だ。
「10枚借りてきた。“客人”の大友さんを含めると7人は守る必要があるから、残り3枚はタイミング見計らって使って。どれも状況によって効力が変化するお札だから、攻撃にも防御にも封印にも使える。要は兄さん次第ってこと」
「本当に根回しがいいな。ありがとう。取り敢えず、棟ごとに貼り付けておくか」
扉でも部屋の中でも、どこでも効くだろうから、と僕は応じた。
「くれぐれも触ったり、ましてや剥がしたりしないよう言いくるめておいてね。
鋼。響と合流して山中を偵察するよ。何かあったら問答無用で祓っていい。今回は縁を結ぶ気はないから」
「かしこまりました。では一樹様、後ほど」
2人と別れた俺は、大友さんを含む宿泊者に事情を話し、できる限り目につかない場所にお札を貼り付けた。
「効力は保証します。これがある限り、下手な手出しはできません」
反応は安堵と疑念の2つだった。無理もないと思いつつ、下手に触らないように強く言う。
「興味本位で剥がすことは絶対にしないでください。人でないものが入ってくる可能性はもちろんのこと、お札の効力が自身に返ってくる可能性がある」
「返る?」
室生が尋ねた。本当に、全員の気持ちを代弁しているようだ。
「呪い返しという言葉はご存知ですか? それと似たようなものです。いくら己を守ってくれるための力であっても、下手な手出しをすれば碌な目に遭わない。守ってくれる力は力と、静観しておいてください」
「なるほど・・・・。それで、この山には本当に何かがいるんでしょうか」
「はい。何かしらの理由で、大量の亡者の魂が漂っています。先日の殺人も、亡者たちが尾上君の体を乗っ取った可能性が高い。いずれにせよ、軽率な行動は控えてください」
普段から幽霊等が視える人間とばかり関わっているからか、俺はわかっていなかった。これくらいの忠告では、視えない人間は聞いてくれないこと。俺自身が思っているより、除霊師という存在が信じられないないことを。
だからこそ、第2の被害者を出してしまったんだ。
以前、父さんに勧められて読んだ七つの大罪に関する本の記述を思い出しつつ、俺はそう答えた。すると、鋼が「お待ちください」と前置きして尋ねる。
「虹の館と名付けられたのは偶然ですよ? 亡者が偶然を利用して事件を作り上げたと仰るのですか? それとも、亡者たちが七つの大罪、ひいてはキリスト教に関わりがある者たちだと?」
「可能性は色々あるが、関係性はあると思う。詳しいことはこれから考えるが、足音の件も含めて、調べる必要があるのは確かだ」
僕は兄さんと鋼の発言に頷きつつ、続けた。
「とにかく、この殺人は終わりじゃない。次に誰が殺害されるかわからない以上、警戒が必要だ。死人が出れば、流石に警察だって戻ってくる」
「それは困るな。人為的な殺人じゃない以上、犯人なんて現れない。亡者の仕業なんて言って、信じてくれるわけないし」
鋼が他の妖怪を呼んで宿泊者を護衛するかと尋ねたが、僕は被りを振った。正直、それだけのために持ち場や里を離れさせるのは忍びない。その提案が来ることを見越して、父さんに追加で相談をしたのだから。
僕は肩にかけていた鞄を探り、目的のものを取り出した。
賢三が見せてきたのは、お札だった。父さんが使うもので、跡取りとして認められている俺は使えるが、お札で封じるべき存在である存在と縁を結ぶ賢三は、使えない代物だ。
「10枚借りてきた。“客人”の大友さんを含めると7人は守る必要があるから、残り3枚はタイミング見計らって使って。どれも状況によって効力が変化するお札だから、攻撃にも防御にも封印にも使える。要は兄さん次第ってこと」
「本当に根回しがいいな。ありがとう。取り敢えず、棟ごとに貼り付けておくか」
扉でも部屋の中でも、どこでも効くだろうから、と僕は応じた。
「くれぐれも触ったり、ましてや剥がしたりしないよう言いくるめておいてね。
鋼。響と合流して山中を偵察するよ。何かあったら問答無用で祓っていい。今回は縁を結ぶ気はないから」
「かしこまりました。では一樹様、後ほど」
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「効力は保証します。これがある限り、下手な手出しはできません」
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「返る?」
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「はい。何かしらの理由で、大量の亡者の魂が漂っています。先日の殺人も、亡者たちが尾上君の体を乗っ取った可能性が高い。いずれにせよ、軽率な行動は控えてください」
普段から幽霊等が視える人間とばかり関わっているからか、俺はわかっていなかった。これくらいの忠告では、視えない人間は聞いてくれないこと。俺自身が思っているより、除霊師という存在が信じられないないことを。
だからこそ、第2の被害者を出してしまったんだ。
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