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間抜けな男達は一生懸命に刺激をねだる

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壁一面を覆う形で設置された巨大な鏡に映し出されている自分達の顔は、これ以上無く間抜けに歪みきっている。
見開かれた目からは涙がとめどなく溢れ、黒いギャグボールを噛まされた口は飲み込めない唾液をだらしなく垂れ流し、金属製のフックによって真上へと引っ張られている鼻は不細工に広げられた穴をヒクヒクとみっともなく震わせている。
そんな無様極まりない己と仲間の顔面を鏡越しに見せ付けられながら、男は唾液を一層激しくギャグボールの穴から噴き出させつつ、正常な言葉にならぬ声で自分達を弄ぶ背後の男に意思をぶつける。それは、反抗や怒りの意思ではない。裸体を惨めな格好に固定する縛めからの解放をねだる懇願の意思でもない。無防備にさらけ出された尻穴を嬲る残酷な責め苦に抗えぬ身体を追い詰められ屈服を拒む心を削り落とされた男達がぶつけている意思は、慈悲を請う哀願の意思。何十回にも分けて注入された薬品により気が狂う程の痒みを引き起こされた尻穴を慰める刺激を欲する、どうか快楽を恵んで下さいという意思だ。

「おえあい、ひあふぅっ! おひり、ほひっへ……ひっはいへぇ!」
「かういお、おぅ、えあぁぁっ! ひゅる、ひえ……あうえへぇぇっ!!」

二の腕と胴体を繋ぎ、左右の肘から手首までの部分を背中で一まとめにする縄を施された腕を苦しげに跳ねさせながら、男達が恥を捨てた要求をもごもごと叫ぶ。足首同士とすね同士を縄に括られ、太ももを上半身へと縛り付けられた男達が、不自由な体勢に固定された縄塗れの裸体を痛々しく痙攣させつつ、鏡に醜悪な笑みを映している無慈悲な男に対してなりふり構わずに許しを求めている。
そんな最高に愉快な男達の様子を鏡に映し出された苦悶の表情で味わい、痒み薬を注がれる度に分かりやすい絶望と戦慄の反応を示す尻穴で堪能しながら、残酷な男は胸に一層の至福を膨らませていく。
その姿勢から許可無く離れたら、尻穴に絶えず痒み薬が投与される状況を作り身悶えさえも禁じる拘束を施した上で一晩放置の罰を加える。責めの前に通告した仕置きを恐れ、足裏を床に密着させた姿勢を、一つに繋がれた胴体と太ももを床と平行になる角度で保つ姿勢を維持している男達を独占し弄んでいる事実がもたらす幸福を噛み締めながら、非情な男は仲良く従順に二つの裸体を並べている男達への加虐欲を加速させていく。
もっともっと、この男達をいたぶりたい。狂った男の胸に湧き上がる欲を塞き止める物は何一つとして無い。
金を積んで手に入れた自分専用の肉奴隷達から、より見応えのある痴態を引き出したい。支配者に君臨した男が増幅させていく異常な願望を抑制する理由など、ありはしない。
故に、男は笑みの黒さを更に深めつつ、左右の手に握っていた注射器型の器具を近くのテーブルに置き、痒み薬の注入を終了させた。鏡を通して見えるその光景に、男達は無自覚に表情を安堵に緩ませる。自分達の尻穴に痒み薬を延々と注いでいた器具が、男の手を離れた。わずかな希望を抱かせる事実に小さな安らぎを覚えながら、男達は尻穴をパクパクと開閉させて弄って下さいの思いを視覚で一生懸命に訴える。
だが、そんな滑稽な訴えを眺めている男は、尻穴の痒みで正気を削ぎ落とされた肉奴隷達を飼い主の立場で嘲笑いつつ、二人が欲しがっている物とは程遠い刺激を嬉々として流し込み始めた。自分から見て左側にいる男の左尻肉を左手で鷲掴みにし、右側の男の右尻肉を右手で鷲掴みにした男は、無理矢理に密着させた二つの汗ばんだ尻肉を荒々しく揉み込み、余計に痒みを意識させられるだけのもどかしい刺激を二つの尻穴へと与え始めたのだ。

「んぉっ!? あぉぉぉっ!? ひゃら、ひゃらぁぁ! もっひょ、おひり、ひょくへふぅぅ!!」
「ほひっへくあはいぃ! ひょれひゃらぁぁぁっ!! んぉ、かういぃ! かういぉぉぉっ!!」

下手に頭部を振り乱したら、鼻のフックとギャグボールを固定する黒革ベルトを結んでいる別の黒革ベルトが伸び縮みし、鼻を痛め付けつつ顔を一層不細工に変形させてしまう。
そんな屈辱の事実が些細なことと感じられる程のもどかしさで責め立てられながら、不明瞭な言葉で鳴き喚く男達は二つの手に挟み込まれた二つの尻肉をビクビクと跳ねさせつつ、尻穴達の収縮とこんな責めで勃起するよう躾けられてしまった男根達の脈動を自分達の飼育者となった男に娯楽として捧げていくのだった。
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