頑張った男は追い打ちの装置で忍耐を突き崩される

五月雨時雨

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頑張った男は追い打ちの装置で忍耐を突き崩される

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地下室の中央に存在している、床と一体化した半月状の装置。その上に裸体を仰向けで乗せられ、装置の端にあてがわれた器具の内側に両手両足を取り込まれた男は、何処にも逃げられはしない。左右を揃えた手足を上下に引き延ばされ、衣服を剥ぎ取られた肉体を背中側に向かって仰け反らせる体勢を強要された男は丸出しにさせられた男根を隠すことはおろか、絶えず全身の骨が緩く軋む不自然な姿から抜け出すことさえ許されない。
そんな状況で、男は自身を拘束する装置に仕込まれた非道な機構によって容赦の無い恥辱を休み無く注がれていた。装置の側面にある扉から現われた半球状の器具を左右の乳房に装着された男は、器具の内側で不規則な緩急を付けての回転を繰り返す柔らかな毛のブラシがもたらす刺激に為す術無く屈辱色の悦楽を味わわされるしか無い。自身に接続されたチューブによる吸引を用いて引き延ばした乳首と乳輪を、別の薬品から少量ずつ注入される淫蕩な薬品を含んだ白い毛のブラシで丹念に磨いている醜悪な器具に嬲られている男は、意に反して硬く尖り膨張している乳首を望まぬ快楽に襲われ続けるしか無い。
同じく装置の側面から出現した筒状の器具を乳首への責めで勃起させられてしまっていた男根へと被せられ、筒内の仕掛けによって逃げ場を失った男根全体を甘く苛烈に揉み込まれつつ小刻みな振動まで加えられている男は、乳首をいたぶる物よりも激しい快感にただただ苛まれ続けることしか出来ない。
自由を奪われ、無防備に露出させられた恥部を機械に弄ばれる。それは、誰の目にも明らかな残酷な拷問だ。
しかし、その拷問に長時間心と身体を殴り付けられたはずの男は、自分をこの状態も追いやった者達への怒りと憎しみを糧にして誇りを強く保っていた。地下室へと帰ってきた敵の男達が驚き、呆れ、感心するくらいの忍耐を、捕らわれ責め立てられた男は一人で維持し続けていた。

「おいおい、マジかよ。帰ってきてイってすらなかったのは捜査員さんが初めてだぜ」
「身体中汗でびしょびしょになって、何処にも行けない身体がこんなにガクガク痙攣してるってのに射精してないなんてね……素直にびっくりしたよ」
「そんな初めての反応を見せた捜査員さんに質問だ。幾ら頑張ってもただ苦しいだけなのに、無駄にイかないよう頑張り続けた気分はどうだ?」
「うる、ひゃ、い……いま、ひゅぐ……はじゅひぇ、とめろおぉ……っ!!」

耐えに耐えた自分を嘲笑う悪に属する敵の男達の言葉に苛立ちと屈辱を掻き立てられ、数時間ぶりに発した己の声の情けなさに一層の屈辱を抱かされながら、捜査員という正義の立場として生きる男は舌足らずに淫獄からの解放を要求した。
自分の不利など分かり切っている。けれど、悪に弱みや付け入る隙など与えてはならない。そう考えながら、捜査員は自分を取り囲み黒く歪んだ笑みを浴びせてくる敵達に強気な態度を載せた荒い呼吸混じりの言葉を飛ばした。
無論、どんなに捜査員が反抗を示しても、悪達にとってそれは滑稽な見世物でしか無い。手も足も出せず、快楽の苦悶から離れられず、仰け反らされた裸体で無自覚に腰を上下させることしか出来ない捜査員が陥落を拒む意思を鋭く表わしても、その様子は悪達の加虐心と愉悦を増幅させる効果しか持たない。

「おやおや、こんなに苦しそうにしてるのにどうやらまだまだ逆らう気力があるみたいだね。なら、もっともっと苦しめて逆らう余裕を無くしてあげるよ」
「頑張ってくれて嬉しいよ、捜査員さん。おかげで俺達も、この装置を久しぶりに使えるからね」
「んじゃ、一生懸命頑張った捜査員さんに感謝しつつ、頑張ったことを後悔するくらいに苛めまくってあげようかね」
「にゃ、なに、を……!」

乳首と男根を淫らに痛め付ける器具を取り出した時と同様に、装置の側面の扉を開け円盤状の新たな器具を手に取った悪達に問いかける捜査員の声は、問いを無視して器具を裸体に押し当てた悪達の行動によって遮られてしまった。

「あひっ!? ひゃひひっ!? ふっ、ひぃ、あひゃはははぁぁっ!?」

脇の下や脇腹、内股といった元から弱点である箇所が、密着させられた器具から発せられる振動によってくすぐられ始める。乳首と男根に注がれる快楽責めと、その責めに抗った男自身のせいで過敏に高まった汗塗れの裸体が、こそばゆさを覚えさせることに特化した冷酷な器具にくすぐり倒され、捜査員から笑声を引き出させていく。

「あぁ! りゃめ、ひゃひひっ! やめひぇぇぇ!! イっ、イぎゅ、ひひぃっ! ひぎゅふふふぅぅっ!!」
「あーぁ、俺達がいない間しっかり耐えてたのにイかされちゃったね。可哀想に」
「おいおい、せっかく我慢してたんだからもうちょっと耐えて見せろよ。その調子じゃ、手足を拘束している機械の中にあるこれと同じ機構を作動させたら、今よりみっともなく笑わされながらイきっぱなしになっちまうぜ?」
「ほら、そうなりたくなかったら我慢だよ、捜査員さん。さっきのも含めて十回イっちゃったら手足もくすぐり出しちゃうからね? 正義の誇りを胸にファイトだよ」
「しょ、しょんにゃ……あひゃはははぁっ!? むり、むりぃぃ! イぐの! もぉたえりゃれ、にゃひひぃぃ!! はひっ、ひゃひっ! ゆりゅじで! ごめんな、じゃ、ははぁっ! ふひゃははははぁぁーっ!!」

嬉々として語られた追い打ちに戦慄し、悪に対する敵意を叩き潰された心に湧き上がる屈服色の哀願を笑いを交えて叫びながら、捜査員はなりふり構わずに寄せる助けての意思を一切受け付けずにくすぐりを生む機械を操る悪の男達に絶望させられつつ、早くも二回目の絶頂へと押し上げられていくのだった。
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