敵に囲まれた状況で男は滑稽なスクワットを強いられる

五月雨時雨

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敵に囲まれた状況で男は滑稽なスクワットを強いられる

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視界を塞ぐ目隠しと、喉近くまでを埋め尽くす棒が黒革のベルトで一体となっている器具。その見ることとしゃべることを禁じる器具を頭部に固定する役割も果たしている黒革の首輪の後部に位置する金具と左右の手首に嵌められた枷を短い鎖で結合された男は、あらゆる自由を奪われた裸体に追い打ちで施された男根への屈辱的な拘束を振り払いたくても振り払えぬまま、自身を捕らえた敵の本拠地の一室で惨めな立ちっぱなしの状態を強いられ続けていた。

「んぐっ、む、んむっ、ぐぅぅっ……!」

口内を支配する棒に歯を立てくぐもった唸りを放ちながら、目隠しの下で苦しげに眉根を寄せ頭部の後ろまで持ち上げさせられた手首を縛める枷と鎖を甲高く鳴らしながら、男は裸体をくねらせこの危機からの脱出を無我夢中で求めている。
手を動かせば生まれる首と手首への圧迫もいとわず、男は衣服を奪い取られた裸体をなりふり構わずによじらせ状況の好転を引き寄せようと足掻く。
けれど、やはり状況は変わらない。幾ら手に力を込め頭部を振り乱しても、視界と言葉を封じ手の動きを大きく制限する拘束達は離れない。恥を承知で腰を前後左右に踊らせても、男根と睾丸を根本から括り出す金属の輪はビクともしない。手を使うことを不可能にされ、床から伸びた金属製の棒の先にある輪に男根を囚われた男は、座ることも許されぬ無様な姿で非道な地獄の開始を待つことしか出来ない。
男はもう、何処にも逃げられぬ自分をゆっくりと取り囲んでいく敵の男達の靴音を塞がれた視界の向こうに聞きながら、悔しさと、恐怖と、絶望を際限無く増幅させられていくしか無いのだ。

「ぐ、うぅ! んもっ、うぅぅ……っ!」

今、何十人に自分は取り囲まれているのだろう。何十人の敵に、自分の情けない姿を嘲笑われているのだろう。
そんなことを考えながら、男は諦め悪く拘束との格闘を繰り返す。どんなに頑張っても自力では拘束から抜け出せず、仮に抜け出せてもすぐにまた自分を取り囲む敵達の手で再び装着されるだけだと分かりきっているというのに、男は自身が置かれた立場と現実から目を背けるかのように裸体を休み無く悶えさせ、無言で鑑賞を続ける敵達の目と耳を悦ばせていく。
その時間が、どれだけ続いたのだろう。男の心が嫌という程に打ちひしがれ、立ったままの体勢に固められた男の裸体が汗に塗れ疲労由来の震えを見せるようになった頃、無様な男を観察するメンバー全員の到着を確認した冷酷な敵達は満を持して捕らえた男に責めを加えた。
無慈悲な敵達は残忍な視線を交わし合って最高の見世物の始まりを祝いつつ部屋の壁に取り付けられた操作盤を弄り、惨めな男の睾丸と男根を括り出している金属の輪を支える棒を、ゆっくりとした速度で上下に動かし始めたのだ。

「っうぅ!? あごっ、む、がおぉぉっ……!?」

じわじわと下に引っ張られ始めた男根に、男が驚愕の悲鳴を上げる。過敏な弱点を無理矢理に下へと運ぶ機構に抗う術を取り上げられた男は手を封じられた裸体の体勢を少しずつ少しずつ変化させられていき、とうとう男は折り畳んだ足で裸体を支える体勢へと追いやられてしまった。
それだけでも、これ以上無い辱めだ。まるで自ら股間を見せ付けているかのようなみっともない姿を晒しそれを様々な方向から観察されているという事実に、男は誇りと尊厳を為す術無く痛め付けられていく。
だが、その恥辱は真の苦悶の前座でしか無い。男を本当に追い詰め心と身体を嬲るのは、床付近まで下りた後にまた上へと移動し始めた男根を囲む金属の輪だ。
男が憔悴しきっても上下運動をやめない。足が痙攣し、口から不明瞭な哀願が溢れ、目隠しの下から涙が零れ落ち出しても滑稽なスクワットを強要する。そんな輪が、男の全てを壊し屈服へと容赦無く導いていくのだ。

「はぁ、はぐっ、あぉ、えあ、おうぅ……っ!」

ゆっくりと上昇する輪を追いかけて、苦しげに震える足を伸ばしている男。すでに開始している地獄にまだ気付かず、反抗の態度が混ざった反応を示している愉快な男。その男が徐々に崩壊へと転がり落ちていく未来に思いを馳せながら、無慈悲な敵の男達は気丈さを濃く保っている男の様子を目と耳で悠然と味わい、歪んだ興奮と充足を胸に膨らませ続けていた。
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