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非道な仕置きは残酷な再会の果てに加えられる

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身体の前で交差させられた左右のすねをきつく一まとめにする縄を施され、その縄に後から結合された縄を黒革製の首輪の前部に位置する金具へと遊び無く結わえ付けられた青年は、左右の手首に嵌められた黒革の枷と首輪の後部を繋ぐ鎖を鳴らしあぐらのような形を強いられた足をなりふり構わずにもがかせながら行う拘束との格闘を停止させた状態のまま、目の前に提示された絶望の情報に打ちひしがれている。
黒い棒状の枷を噛まされた口からくぐもった唸りを放つことすらもせず、自分に拘束を与えて地下室を去った数時間ぶりに戻ってきた敵達にぶつけようと考えていた怒りの叫びを紡ぐことも忘れて、青年はただただ呆然と瞳を戦慄に震わせている。
そんな分かりやすい反応を眺め笑みの醜悪さを一層濃く深めた残忍な敵の男達は、無駄な試行錯誤の末に噴き出た汗に濡れている裸体へと無遠慮な手付きで触れつつ、滑稽な驚愕から離れられずにいる青年に愉悦を剥き出しにした言葉を浴びせ始めた。

「感動の再会なんだから、もっと嬉しそうにしたらどうだい?」
「そうそう、ヒーローの立場を捨てて俺達にとっ捕まってまで、相棒のお前に会いに来たんだぜ? ありがとうくらい言ってやれよ」
「ほら、久しぶり、とか。元気してたか、とかあるだろ? せっかくまた会えたんだから、俺達のことなんて気にせず好きに盛り上がれよ。ほらほら」

お互いの口を棒型の枷で塞いでおいて、何が盛り上がれだ。そんな当然の苛立ちすら抱けぬ程に、二人仲良く悪の手に堕ちた青年ヒーロー達は心と身体を強ばらせている。
あぐらに似た体勢で自由を奪われた裸体を幾ら動かしても、自身の前に転がされた仲間を救うことは叶わない。左右の腕を背面に密着させる形で胴体へと厳重に縫い付けられ、数箇所に分けて左右の足を縄に結合され、追い打ちとばかりに上半身の縄と足首の縄を別の縄で結わえられた海老反りの裸体を必死になってよじらせても、自分を怯えと恐怖が混ざった眼差しで見下ろしている先に捕らわれた仲間を助け出すことは出来ない。
何より、仮にこの拘束から逃れられたとしても、ヒーローとしての力の源である変身デバイスを取り上げられている以上、自分達は敵の施設から脱出など出来はしない。
容易に理解が出来る詰みの事実に絶句しながら、正義の名の下に戦っていた青年達は気高さとは無縁の態度を悪達の前で間抜けに披露している。
そうして愉快な無言を提供する二人を堪能した悪達は、海老反りの姿に追いやった青年の首輪の前部とあぐらを無理矢理に維持させた青年のすねを駄目押しの縄で短く結ぶと、正義の自覚を捨てた縋る視線を一生懸命に飛ばす二人を嘲笑いながら、自分達の言葉を無視したことへの罰を与え始めた。

「こらこら、無視はいけないよ? 今日から俺達がご主人様なんだから、盛り上がれって言われたらちゃんと盛り上がらなきゃ」
「ふうぅ!? もっ、んもぉぉんっ!?」
「罰として、こっちのヒーロー君にはお仕置きだよ? 縛る前にお尻に入れてあげた玩具を最大の強さにして、お仲間の前でたくさんよがり狂わせて、いざ目の前に来たらしっかり話せない恥ずかしがり屋さんなところを直してあげるからね?」
「もう一人のヒーロー君は、目の前でのたうち回るお仲間を応援してあげてね? このお仕置きは君がしゃべって切っ掛けを作ってあげなかったせいでもあるんだから、俺のせいでごめんって思いを込めながら唸って励ますんだよ? 良いね?」
「むうぅぅ! ふぐうぅぅ!!」

尻穴を奥深くまで貫き嬲る淫具の首振りに喘ぎ、悪の手で仕込まれた淫薬の効果を受けて淫猥な肉へと仕立て上げられた腸壁を苛む悦楽に絶叫する青年と、自分を救助に来た仲間が晒す痴態の淫猥さに耐えきれず膨らみ出した男根を震わせつつ仲間への慈悲を願う唸りを枷に歯を立てながら発する青年を悠然と味わう悪の男達は、ヒーローらしさを欠片も残さず失った二つの裸体が無様に拘束に音を立てさせつつ状況の打開を欲する様に歪んだ充足を膨らませながら立ち上がり、捕獲した正義を苦しめ弄ぶ為の部屋として上層部から用意された部屋を、再び後にしていくのだった。
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