勇者一行は終わらぬ淫獄と触手に絡め取られる

五月雨時雨

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勇者一行は終わらぬ淫獄と触手に絡め取られる

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全ての物資を使い果たし、全ての体力と魔力を擦り減らされ、勇者である青年とその仲間達は息一つ乱すこと無く立っている魔王に否定も叶わぬ程の敗北を思い知らされた。
このままここで、自分達は命を奪われるのだろう。床に這いつくばることしか出来ない己の情けなさを呪いながら、勇者達は屈辱の中で死を覚悟した。自分を信じ送り出してくれた故郷の友や、国を崩壊寸前の状態にまで導いた魔王を討ってくれと自分に願いを託してくれた祖国の仲間に対する謝罪を胸の内に募らせながら、勇者一行はまだ本気を欠片も見せていない魔王の技による絶命を受け入れた。
しかし、終わりを予期し諦観に支配された勇者達に対し、魔王は死を与えはしなかった。それは慈悲からの行動ではない。下手に死をもたらしたら肉体を離れた魂が次代の勇者に受け継がれ、己に絶望を味わわせる程の脅威となって現われるかも知れないと判断したからだ。
自分には魔の隆盛を可能な限りに長く維持する義務がある。その認識を新たにしながら、魔王は部下に命じて抵抗を行えなくなった勇者達の装備を一つ残らず没収させ、拒絶の言葉を紡ぐ気力さえ無くした裸体達を居城の地下牢へと運ばせた。
ここならば、仮に救助が訪れたとしてもまず間違い無く辿り着くよりも先に部下達の手で力尽きるだろう。不安を掻き消すよう自らに心の内で言い聞かせながら、魔王は地下牢の壁に魔術を施し勇者と仲間達に死すらも認めぬ責め苦を、脱出に必要な体力と魔力の回復さえ不可能にさせる拷問をあてがった。
そうしてありとあらゆる選択肢を潰され、地獄の中で永遠に生き続ける状況に閉じ込められた哀れな勇者達は今日も、誰一人やってくることの無い地下空間にくぐもった絶叫を反響させながら、老いることさえ禁じられた裸体を嬲る苦痛に悶え苦しめられ続けていた。

「んぐっ、むぎゅぅぅっ! ぶふっ、おぶぅぅっ!!」
「んごっ、ぼぎゅぅぅ!! うぎゅ、みゅぐぅぅぅっ!!」

魔王の術によって壁一面を埋め尽くす形で配置された黒色の触手に裸体を為す術無く絡め取られた勇者達は、口内に潜り込んだ触手が無理矢理に飲ませてくる肉体の時間をわずかに巻き戻す効果を有した液体を嚥下させられつつ、終わりの無い生き地獄に鳴き喚いている。
同じ立場に追いやられた他の三人だけでも救いたい。悲痛な願いを抱く暇さえ無い残忍な拷問に苛まれている勇者達は、四人仲良く無様な裸体を悶え狂わせながら、憎悪していたはずの非道な魔王に対してなりふり構わずに許しを請うている。
無論、誇りを捨てた哀願が魔王に届くことは無い。四人が分泌した体液を糧にして蠢きを継続する触手に拘束と責めを任せている魔王は、触手を通して伝わる感覚で異常が無いことを確認するのみで四人の元に足を運ぶことすらしない。
身動きを封じられ、死に至る為に必要な老化と脱出を手繰り寄せる為に不可欠な体力と魔力の回復を没収された勇者達はもう、触手によって背にした壁へと磔にされている仲間と誰の姿も見えない鉄格子という一切変わらぬ光景を潤んだ瞳で見つめながら、反抗心の蓄積さえ却下する触手の苦悶に、無防備な性の弱点を容赦無くいたぶる快楽の暴力に、仲良くよがり狂わされるしか無いのだ。

「んー! むごっ、もごっ……ふびゅぅぅっ!!」
「んぉっ、あぶ、ぼほっ、みゅぅぅぅんっ!!」

絶え間無く飲まされる液体のせいで精液の枯渇とは無縁にされた男根を触手に扱かれ、守りたくても守れぬ尻穴を奥深くまでほじくり回され、裸体全体を堪らない心地良さを覚える巧みさで延々と撫で回されながら、かつて勇者と呼ばれた青年とその仲間達は外界が魔王の恐怖を用いた治世によって荒れ果てている事実はおろか自分達を知る者さえいなくなる程の時が過ぎているという無慈悲な事実すらも知らぬまま、今日もまた絶頂へと追い詰められ触手の原動力となる精液を放出していくのだった。
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