男達は自らの破壊に向けての歩行を強いられる

五月雨時雨

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男達は自らの破壊に向けての歩行を強いられる

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廊下の天井部分に存在するレールに接続された金属製の棒達が、ゆったりとした速度での移動を繰り返す。自身の先端にある太く丸い金具に拘束の一部を結合された男達が言葉にならぬ苦悶の悲鳴を発しながら身悶えても全く意に介さぬ棒達は無駄に抗う男達を淡々と連行し、自分達を作り出した非道な組織の思惑に沿って抵抗を禁じられた男達を残忍な目的地へと自らの足で無理矢理に歩かせていく。
その屈辱に満ちた前進を、男達はどう足掻いても拒めない。左右の手首を短く結合する黒革製の手枷と、足首同士を遊び無く繋ぐ手の物と同じ黒革の足枷を嵌められた男達は、嫌がる思いとは裏腹に棒の力に屈する形での不自然な歩行をよちよちと強いられるしか無い。
鼻の穴を除く頭部全体を隙間無く覆い尽くす黒革製のマスクを被せられ、そのマスクの頭頂部に位置する金具と天井から伸びた棒の端にある金具を南京錠で結わえられてしまった惨めな男達は、マスクによって視界を閉ざされた目を苦しげに見開きマスクの内側に突き出た棒を噛まされたせいで言葉を禁じられた口からくぐもった悲鳴を発しつつ、自分達をこの状況に追いやった憎い男達の予定通りに全員仲良く敵の施設の一室へと、裸体を集めさせられるしか無いのだ。

「んぅ、んぐっ……ふぶうぅ」
「あもっ、んも、うぐうぅ」

移動が終了した事実をマスクに繋がれた天井の棒が停止したことで理解させられた男達は、唯一の呼吸孔に変えられた鼻をプスプスと鳴らして正常では無い歩行がもたらした疲労によって乱れた息を整えつつ、汗塗れの裸体を諦め悪くくねくねとよじらせる。
そんな努力を積み重ねても、頑丈な拘束達は決して振り払えない。それを理解しつつも自分達を辱めた者達への敗北を大人しく受け入れたくない男達は、仲間同士での協力を行えないよう一定の間隔を空けて整列させられている背筋をピンと伸ばさせられた立ったままの裸体をじたばたとよじらせながら、拘束との格闘に挑んでいる。
だが、やはり状況に変化は訪れない。男達自身が把握していた通りに、生身ではどうにもならない強度を有した拘束達は自身に加えられる力を受けても外れる気配すら見せない。
すでに分かりきっていた絶望を自らの動きで再認識し、表情が見えていない状態でもはっきりと判別出来るくらいに打ちひしがれる愉快な男達。その滑稽極まりない男達を隣の部屋から強化ガラスの仕切り越しに堪能し歪んだ至福を募らせた非情な男は、人数や拘束に不備が無いことを確認すると右手に取ったマイクを口角を残忍に吊り上げた口元に寄せ、左手で地獄の開始を司るスイッチを躊躇い無く操作しつつ自身が所属する組織の支配下に置かれた無様な男達に愉悦を露わにした宣告を浴びせた。

「特殊部隊さん達、私達の調教施設へようこそ。これから毎日たっぷりと気持ち良いことを刻み込んで、下らない正義の代わりにいやらしい欲望を覚えさせてあげるよ。まずは、まだ逃げようとしてるその心を跡形も無く叩きのめしてあげよう。今から特殊部隊さん達がいる部屋に限界ギリギリまで濃度を引き上げた○○を流し込んで、呼吸の度に頭をエッチでおバカにしてあげようねー?」
「もごっ!? がぶうぅ!」
「ぶぁっ、ぼあぁ! うぁうぅぅっ!!」

自分達が根絶を目指していた冷酷な薬品を、人間の理性を効率的に破壊し淫欲を獣並に肥大化させる無慈悲な薬品をこれから呼吸に合わせて摂取させられるという破滅の展開に戦慄しながら正義の誇りを捨てた哀願を発する特殊部隊の男達を鑑賞しつつ、特殊部隊達の調教を任された男は問題無く薬品が空気に混ぜた隣の部屋に散布され始めたことを認識すると両手をマイクとボタンから離して椅子に深く座り込み、逞しく鍛えられた雄々しき裸体達が気が狂う程の発情と快楽への渇望で見る間に陥落していく様を、強化ガラス越しに聞こえる耳に心地良い絶叫と共に愉しみ、明日から始める予定の本格的な調教に対する期待を膨らませていくのだった。
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