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焦らし合った恋人達はお互いを必死に求め合う
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「はぁ……んく、はぁっ」
この後始まる甘い至福をより濃密な物とする為の己を焦らしに焦らす我慢の時間が、永遠とも思えるくらいに長く長く続いた。
すぐ隣にいる自分の主である青年と共に淫猥な薬品を服用し気が狂うような発情を望んで引き起こした少年は、ベッドに腰掛けた裸体をじっとり湿らせ熱く火照らせつつ、左隣で同じ体勢を取っている主に視線を向けては逸らすという行動を幾度と無く繰り返している。
下手に話し掛ければ、そのまま行為に雪崩れ込んでしまう。少しでも距離を詰めてしまったら、耐えきれずにお互いを欲してしまう。
何もしゃべらず、ベッドに座った裸体を小刻みに震わせるのみで大きく動かそうとはせず、ビンと張り詰めた自身の男根を眺めながら最初に決めた我慢の時間を律儀に遵守する青年と少年。そんな状況を破ったのは、視線をすぐに向けられる位置に用意されておきながら余裕と理性を失いつつある二人から確認されずにいた丸テーブルの上のデジタル時計で。淫らな薬品を飲んでから三十分が経過した事実を伝えるアラームを響かせ始めた時計に汗で濡れた右手を乗せて電子音を停止させた青年主は、時計に被せた右手を隣にいる少年へとそのまま移動させ、数年ぶりの愛の営みを嬉しがるかのような勢いを携えた熱烈な口付けを施した。
「あむっ、んふっ、むっ、ふぅぅんっ!」
当然少年は、その口付けを一切拒まない。後頭部に回した右手で汗ばんだ髪を撫でつつ顔面を引き寄せた愛しき主の唇を悦んで受け入れた少年は、差し込まれる舌に己の舌を絡め返し注ぎ込まれる唾液を夢中でこくこくと飲み干しながら、主に触れずちゃんと耐えた自分に褒美を与えるかの如く熟し切った裸体を大好きな主へとすり寄せていく。
「んちゅ、むふっ、はぷぅっ!」
ただいつも通りに唇を重ねているだけなのに、いつもとは比べ物にならないくらいに気持ち良い。薬の効果で過敏になった舌を主の舌で撫でられる度に背筋がゾクリと震え、喉を鳴らして唾液を飲む度に食道から胃袋にかけてを快楽と幸福に満ちた感覚が駆け下りていく。
密着しているだけの肌も、頭がおかしくなりそうな程に気持ち良い。左にいる主とくっついている胴体の左側や、左太ももの側面といった箇所が普通ではあり得ない大きな悦びを絶え間無く覚えていく。
薬の影響でここまで自分の全てが鋭敏になっているのだろうか。それとも、薬がしっかり効くまでと自らに言い聞かせながら欲望に耐えていた時間の影響の方が強いのだろうか。何も分からない。分かるのは自分が長く続いた口付けがもたらす息苦しさすらも幸せに変換しているということだけ。そんな正常からはかけ離れた愉悦に浸りながら、少年はとうとう主に唇を奪われ口内を征服される責めと裸体の左側面を襲う高まりきった肌同士の摩擦のみで、触られてすらいなかった幼い男根から精液を迸らせた。
「んみゅ! むふっ、んぶぅぅぅんっ!!」
甘ったるく歪んだ悲鳴が、青年主の口に吸い込まれていく。絶頂に合わせて無意識に腰をくねらせたことによって前後左右に跳ね回った少年の男根から噴水のように噴き出した精液が、少年自身の裸体と、青年主の裸体と、役目を終えた時計の付近までもを汚していく。
まだ、普段ならば前戯にもならない口付けにしか到達してはいないというのに、最愛の少年はこんなにも可愛らしく乱れている。この可愛らしい少年を、もっともっと口付けだけで乱したい。己も薬品の効果で獣欲を加速させられた青年主は、崩れかけの理性が求める願望のままに射精したばかりの少年の唇により深く己の唇を重ね、少年は決して自分から逃げないという確信を持った上で後頭部に回した手に込める力を引き寄せて少年を更に激しく抱き寄せ、少年を口付けだけで為す術無く絶頂へと導かれ続けるイき地獄へと押し上げた。
「んぢゅ、むふぅっ! あぶ、むあぅ……んびゅぅぅっ!!」
このままでは、また口付けで射精させられてしまう。胸の内に湧き上がった危惧とは裏腹な蕩けきった表情を浮かべながら、少年は自らの腕を主の背に回して一層の口付けを無自覚にねだり、荒い鼻息を吐き主の唾液を一生懸命に啜りつつ、早くも二度目の射精へと主の願い通りに、己の本能が求める通りに、上り詰めていくのだった。
この後始まる甘い至福をより濃密な物とする為の己を焦らしに焦らす我慢の時間が、永遠とも思えるくらいに長く長く続いた。
すぐ隣にいる自分の主である青年と共に淫猥な薬品を服用し気が狂うような発情を望んで引き起こした少年は、ベッドに腰掛けた裸体をじっとり湿らせ熱く火照らせつつ、左隣で同じ体勢を取っている主に視線を向けては逸らすという行動を幾度と無く繰り返している。
下手に話し掛ければ、そのまま行為に雪崩れ込んでしまう。少しでも距離を詰めてしまったら、耐えきれずにお互いを欲してしまう。
何もしゃべらず、ベッドに座った裸体を小刻みに震わせるのみで大きく動かそうとはせず、ビンと張り詰めた自身の男根を眺めながら最初に決めた我慢の時間を律儀に遵守する青年と少年。そんな状況を破ったのは、視線をすぐに向けられる位置に用意されておきながら余裕と理性を失いつつある二人から確認されずにいた丸テーブルの上のデジタル時計で。淫らな薬品を飲んでから三十分が経過した事実を伝えるアラームを響かせ始めた時計に汗で濡れた右手を乗せて電子音を停止させた青年主は、時計に被せた右手を隣にいる少年へとそのまま移動させ、数年ぶりの愛の営みを嬉しがるかのような勢いを携えた熱烈な口付けを施した。
「あむっ、んふっ、むっ、ふぅぅんっ!」
当然少年は、その口付けを一切拒まない。後頭部に回した右手で汗ばんだ髪を撫でつつ顔面を引き寄せた愛しき主の唇を悦んで受け入れた少年は、差し込まれる舌に己の舌を絡め返し注ぎ込まれる唾液を夢中でこくこくと飲み干しながら、主に触れずちゃんと耐えた自分に褒美を与えるかの如く熟し切った裸体を大好きな主へとすり寄せていく。
「んちゅ、むふっ、はぷぅっ!」
ただいつも通りに唇を重ねているだけなのに、いつもとは比べ物にならないくらいに気持ち良い。薬の効果で過敏になった舌を主の舌で撫でられる度に背筋がゾクリと震え、喉を鳴らして唾液を飲む度に食道から胃袋にかけてを快楽と幸福に満ちた感覚が駆け下りていく。
密着しているだけの肌も、頭がおかしくなりそうな程に気持ち良い。左にいる主とくっついている胴体の左側や、左太ももの側面といった箇所が普通ではあり得ない大きな悦びを絶え間無く覚えていく。
薬の影響でここまで自分の全てが鋭敏になっているのだろうか。それとも、薬がしっかり効くまでと自らに言い聞かせながら欲望に耐えていた時間の影響の方が強いのだろうか。何も分からない。分かるのは自分が長く続いた口付けがもたらす息苦しさすらも幸せに変換しているということだけ。そんな正常からはかけ離れた愉悦に浸りながら、少年はとうとう主に唇を奪われ口内を征服される責めと裸体の左側面を襲う高まりきった肌同士の摩擦のみで、触られてすらいなかった幼い男根から精液を迸らせた。
「んみゅ! むふっ、んぶぅぅぅんっ!!」
甘ったるく歪んだ悲鳴が、青年主の口に吸い込まれていく。絶頂に合わせて無意識に腰をくねらせたことによって前後左右に跳ね回った少年の男根から噴水のように噴き出した精液が、少年自身の裸体と、青年主の裸体と、役目を終えた時計の付近までもを汚していく。
まだ、普段ならば前戯にもならない口付けにしか到達してはいないというのに、最愛の少年はこんなにも可愛らしく乱れている。この可愛らしい少年を、もっともっと口付けだけで乱したい。己も薬品の効果で獣欲を加速させられた青年主は、崩れかけの理性が求める願望のままに射精したばかりの少年の唇により深く己の唇を重ね、少年は決して自分から逃げないという確信を持った上で後頭部に回した手に込める力を引き寄せて少年を更に激しく抱き寄せ、少年を口付けだけで為す術無く絶頂へと導かれ続けるイき地獄へと押し上げた。
「んぢゅ、むふぅっ! あぶ、むあぅ……んびゅぅぅっ!!」
このままでは、また口付けで射精させられてしまう。胸の内に湧き上がった危惧とは裏腹な蕩けきった表情を浮かべながら、少年は自らの腕を主の背に回して一層の口付けを無自覚にねだり、荒い鼻息を吐き主の唾液を一生懸命に啜りつつ、早くも二度目の射精へと主の願い通りに、己の本能が求める通りに、上り詰めていくのだった。
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